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俺はラゼットの動向を伺っていた。
冒険者であるラゼットが1人で、逃げようと思って逃げていればその足取りを追うのは難しいことだったろう。
しかし、仔猫ちゃんを連れているのならば、その難易度は格段に下がるものだ。
そうして、郊外のリラクゼーションサロン「アリエス」に仔猫ちゃんを連れて入り、1人で出てきたところを目撃した。
イェンスさんに引き渡したのだ。
交渉の結果がどうなったのかを知ることは無かったが、店内の様子を伺うに仔猫ちゃんも、イェンスさんも(連れの人は居なかった?)気持ちよさそうに眠っていたので、仔猫ちゃんをそっと攫った。
店員には見られたが、そのくらいの方がラゼットへの疑いが晴れやすくて良い。
こうして俺は仔猫ちゃんを誘拐して、その故郷のことを調べるために図書館に来ていたのだった。
ラゼットとの情報交換のときに顔を合わせていて本当に良かったと思うが、保護者がコロコロと変わるというのは本当に可哀想なことだ。
とまれ、この子と意思疎通が出来なければ始まらないと、本を頼りにしているとき、ジュリエッタさんがやってきたのだった。
まさに助け舟と言ったところか、交易商を身内に持ち自らもその手伝いをしている人にこのタイミングで出会えたことは幸運に他ならない。
(そして"頭の良さそうな声"というのはきっとある。人間は条件反射で声を出しているときと考えて喋っているときとで声が違うと思うからだ)
ことの成り行きを簡単に話すと、早速、この子の使っている言語を特定するアイデアをくれた。
辞書を片っ端から持ってきて、見せる、または読み上げて、仔猫ちゃんが見覚えがあったり、聞き覚えのあったりするものを特定しようというのだ。
題材は「ネコ」というか、これも咄嗟にジュリエッタさんが決めた、なかなかどうして機転の利くもので、幾つかの言語を試した結果、ペティットより南の方、アムーガ諸島辺りで使われている言語に仔猫ちゃんは反応を見せた。
(辞書を見せる、絵を描く、発音する。あらゆる手段を直ぐに試すスピードは俺を圧倒した。戦いや冒険において同じようにできるかどうかは、単に"慣れ"や"興味"の問題だ。多くの人にそういった力はある。ただ、戦いや冒険という領域では本来の力が出せていないのだ)
大まかなアタリがついたのはかなりの前進だ。
後は現地に行ってから通訳を見つければ、きっと此処に居る何倍ものペースでこの子の故郷に近付けるだろう。
更に、ジュリエッタさんは仔猫ちゃんを一時預かっても良いと申し出てくれたり、生活必需品を贈ってくれたりと、協力を惜しまずに居てくれた。
その贈ってくれたものと言うのがまた凄くて……まさか荷物箱1つに対して、筆舌に尽くし難い、なんて言葉を使うとは思っていなかったが、いっそそれは宝箱だと言って差し支えなく、沢山のものが詰まっていた。
(仔猫ちゃんが普通の精神状態だったらきっと半狂乱でこの小包にダイブしただろうに)
どうして此処までしてくれるのだろうか。
仔猫ちゃんが可愛そうで?奴隷に対して何か思うところがある?
そのどちらと言うよりも、そうするのが当然だからと言うように自然にこれを行ってみせた。
とても自由に。
俺やラゼットとは何かが違う。
この人の方が精神的に大人だと一言にしてしまって良いものだろうか。
俺が数多く居る奴隷のうち1人2人を助けることは単なるエゴで、その場に居る他の「選ばれなかった」奴隷の気持ちに耐えられないと話したとき。
ジュリエッタさんは迷い無く、ゼロより1が良い、自分はそうする、次に繋がるかも知れないと言った。
それが口だけのことでないことは、亜人狩りのときに分かっているが……。
ラゼットが言ったように
無価値な……自分にとって不利益にしかならないような奴隷に関わらないこともまた"常識"だ。
そうした事によって責められる、理想に沿わなかったことで責められるのは、立場のある者だけだ。
例えばそれを一国の主が行ったとしたら、人道的でないと非難されることだろうが、一市民はどうか?
自分の命や利益を危険に晒してまでそうする義務は無い、仕方のないことと思われるだろう。
周囲から責められることの無い人間がそれをやるには、自分で自分を責めなければいけない。
この人はそれが出来る。いや、その力が強いのではないかと感じた。
ニックネームを付ける力はあまり無いのかも知れないが。
海に来ていた、海大好き。
そこで出会った。
「会ったことがあるってことは覚えているけど、名前もいつ何処で会ったのかも覚えてない人」にッ!!
かなり厄介な部類だ、知らないフリも出来ないし、かと言って忘れましたと言うのも失礼だ。
どうしたら言いのだ……と俺は悩んだが、その悩みは1分と経たずに消え去る。
なんとラッキーな事か、相手も丁度俺と同じような悩みを抱えていたからだ!
良かった、影が薄くて!
ということで、改めて自己紹介をし合い、ビーチバレーボールを使って遊んだりした。
エリーさんと言う魔女っ子は、突然ボールを放ってもノってくれて、ノッてくれるどころか普通にバレーで返してくれた、結構運動神経が良い。
何処で会ったのか、結局思い出せなかったが
どっか依頼で会ったことにして2人でかき氷を食べながら一緒に不思議がっていた。
どっちが先に思い出せるかという勝負をしてみたけれど、結局ダメだった、何だったのだろう。
ラゼットと連絡を取って、ヘラジカの角亭の裏庭で話をした。
風の強い日だったが真夏のこと、暑くはなく涼しいくらいで、話も周囲に聞こえづらいのは丁度良いことだった。
最初はことの成り行きを話した。
イェンスさんの商売について調べていたこと、人身売買の現場に遭遇してしまい強盗に及んだこと。
思い出すうち、そのときに思ったことまで洗い浚い、冒険者仲間だからと話してしまった。
ラゼットがこのときも連れていた仔猫獣人(恐らく奴隷なのだろう。共通語も喋れない)を見ていると、「力がなければ強いものに良いように扱われる」ということを思い出してしまう。
ラゼットも「頭では分かっている」タイプなのだろうというのが、このとき、殆ど確信のようにして分かったこともまた、俺の口を滑らかにしたことだろう。
「命を大切にすること」も"常識"「無価値なものに対して自ら危険を冒さない」こともまた"常識"
そう口にした、頭では分かっていた、だが迷うタイプだ。
(頭で理解するにあたって、過去苦い思いをしたようだったことも、何か関わりがあるかも知れないが)
次に、ラゼットの持つ事情を聞いた。
ラゼットはイェンスさんから商品(この仔猫獣人のことだ)を盗んでいた。
俺が未遂だったのに対し、ラゼットは実行していたということだ。
口にした"常識"に則った行動をしたにも関わらず、「ユベルティ以上の馬鹿だ」と言う。
頭で分かっていても、どうしようもないこともある。
俺はラゼットのことを讃えた、「俺は全員をどうにかしようとして誰も助けられなかった。だがお前は目の前の手を掴んでやれた」と。
だが、ラゼットは否定した。
「イェンスとの取引の材料として攫った」と。
なら何故、自分を馬鹿だと言ったのか。
俺は信じない。
ラゼットはイェンスさん自身のことについて踏み込もうとしているようだった。
イェンスさんのことを知るために、この仔猫を攫ったのだと。
これは憶測でしか無いが、恐らくは、この仔猫が暴力から逃げているところに遭遇したとき
「助けなければ」という思いと同時「これは使える」と、瞬時に"分かってしまった"のだろう。
確かに「助けよう」という善い心から発生した気持ちもあった。
だが、「取引に使える」という考えが頭のなかに湧いたとき、人はどうしてもそちらを注目してしまう。
善いことは、純粋な善い心で行わなければ、それは偽善なのだと、思ってしまう。
ラゼットはイェンスさんの事を知りたいという気持ちを抑えきれなかった。
だから最初から「取引のために攫った」ことにして、自分の善い心を隠してしまっているのではないか。
ラゼットはイェンスさんに少なからず好意を持っているようだった。
信用している。
この仔猫をイェンスに返したとき、その後の処遇を聞き、それが嘘だろうと、それを信じると言った。
なんてことだ……どうなるか、ラゼットにだって容易に想像できることだろうに。
はっきりした記憶ではないにせよ、昔、この仔猫と同じように森で追いかけられた記憶があるというラゼット。
イェンスさんとのことが無くても、同じように攫っただろうということは否定しなかったラゼットが。
もしかすると、イェンスさんが最後のラインを守ってくれると、仔猫に対して酷いことはしないだろうと、信じているのだろうか。
仔猫の処遇次第ではイェンスさんを殺してしまっても良いとラゼットは言った。
やはり信用しているのだ、イェンスさんを。
何故か。
イェンスさんは元々奴隷だったのだと言う。
(俺はイェンスさんが何故、奴隷に対して何も思わずに居られるのかと考えていたが、その答えを聞けたような気がする)
そのイェンスさんが"慈善"を行い、その裏で奴隷を売り捌いている。
その矛盾をラゼットは解明したいようだった。
人は幸せに向かって生きる。
イェンスさんは何を思ってそうしているのか、何を幸せと思うのか、知りたがっているのだろうか。
俺は、イェンスさんの"慈善"というものは商売上のやり方だと思っている。
彼の慈善はそのまま商売に繋がっているし、立場の確保にもなるという、経営上の戦略。
だが、彼の幸せについては考えたことはない。
あなたはパン屋の店員の幸せについて考えるだろうか。
普通は考えない、どうしてパンを売っているのか、何が好きで、どういったことに幸せを感じるのか。
その人を、人として、友として捉えなければ、そうは考えられない。
真実という名の、切り立った崖に向かって火の玉のように生きるラゼット。
そのために仔猫ちゃんを使ってしまってはいけない。
きっとお前は後悔する。
だから、お前がやらないというのなら俺がやる。
別れ際、ゼルサリスを倒したことについてラゼットが礼を言ってきた。
何故ラゼットに感謝されるのかと思ったが、ラゼットは"姉"という単語を使った。
ファルベリアの弟なのだろうか、ラゼットは。
俺が川に頭を突っ込んで分かったことは、この川にはイワナが居るらしいってことと、ネージュは絶対に怒らせてはいけないってことだ。(川の神がそう囁いた)
ラゼットとヘラジカの角亭で話す約束を終えた暁には、必ず海へ行こうと計画を立てていたとき、レミさんがやってきて少し話をした。
手には何故かドレッドなカツラを持っていたレミさん。
聞けばアムーガに行った際に店主に騙されて被せられてしまったのだそうだ、レミさん自身は自分の髪型がドレッドになったものと思い込んでいて、カツラだということについ最近気付いたとか何とか。
見るからに体格はマッチョになっており、旅先では色々あったのだろう、そんな異色な店主に出会ってしまうくらいに。
しかしそれがカツラだと判明した瞬間というのが、どうもコールさんが路地裏でワルと一触即発の事態になっていたときだったらしい。
魔術師の方か?堕天使の方か?はたまたそれらの事件とは別の相手だろうか、とにかく、そこへ割って入ったところで転んでしまい、カツラが飛んで判明したそうな。
それはそれで、その状況では其れ以上悪いことにはならなかっただろうから、きっと良いことだったろうと思う。
俺はレミさんにアダ名として「ミルキー」(レミ・キルミスタから)というのを提案したのだが却下されてしまった。そこそこ自信作だったのに残念だ。
魔法少女レミルキー コンテンポラリーなビートで相手を耕す。ヤーマンボンボリラッギル……えーとなんだっけ。
返す返すも、南国風味なテンションの人だ。
アムーガが本当に故郷かのような(人種的に違いそうではあるが)。
空から落ちてきたという星の精霊(?)達が催す掛け比べが行われていた。
旅をしていて神に何をか奉納をする祭りというのはいくつも見てきたつもりではあるが、神(とは行かないまでも)自身が主催する競技というものには初めて参加をする。
神に向け、修練を積んできた舞や弓、今回のことのように速さなどを競う催しというのは俺はとても好きだ。
参加者は俺の他に
・マクナーリアさん(ボートと荷車を合体させたようなもの:それぞれは譲って貰ったと言っていたが、自分でくっつけたのか?)
・朧菊さん(身一つ:酒のため参加。蛇の獣人)
・ネージュ(コルト号:ダンジョン競技会でもこのペアだった、仲がいい)
・ギガトールさん(徒歩:リハビリらしい。マラソン大会)
・ピエットさん(魔法の箒(サンダーボルト):魔導バッテリ式だと言う、凄く欲しい)
・アイニィさん(ルクシーン君(魔獣?):キマイラ的な何か、つよそう)
・アマリージョさん(冒険者レッグ:途中参加、不運)
だ、俺と暴風の三角獣も速さと聞いては黙っていられない、全員をぶっちぎるつもりでスタートラインに並んだ。
三角獣は同じような生き物であるコルト君をライバル視しているようだったが、逆にでかいルクシーン君のことは少し怖がっているようでもあった。
俺はと言えば、特に魔法の箒を目の敵にしていた、欲しいから。
俺だって空を飛びたいのにという嫉妬から、速さでは絶対に負けないと心に決めていた。
コースは「平原」を通り「川辺」を抜け「岩場」を超えた先にゴールがある。
参加者もコースも、そして途中はアイテムもあり、妨害行為も認められている。
一体どんなレースになるのかと、神事ではあるがウズウズしていた。
~平原~
まずは下馬評通りと言ったところだろうか、3mの巨体の狼、翼を持ち口からは火を噴く魔法生物のルクシーン君(アイニィさん)が前へ出た。
狼と言っても岩場を砕いて走りそうなパワーを平原で存分に発揮して平原を走った。
その後ろを俺が続く、巨体の後ろにつけて体力を温存する狙いだ。
風は三角獣にとって味方だが、体力を消耗しない訳ではないし、まだ勝負のときではない。
三角獣は直ぐにでも仕掛けたがったが、自分のペースを守ることは大切だ。
横をネージュ、競争に参加しているとは思えないほど走ることを楽しんでいる。
勝ち負けというよりも、同じように走る仲間の中で走っているというような、のびのびとした走りか。
そしてピエットさん、箒の機嫌を伺い伺いという感じだが、結構負けず嫌いというか、競争心のありそうな感じだ。
朧菊さん、ギガトールさん、マクナーリアさんと続く。
走っているギガトールさんはともかく、マクナーリアさんの帆掛け舟はスピードが出るまでに少し時間が掛かりそうだった。
平原を抜け、川辺へと近づく頃、俺はルクシーン君の影から出た。
平原はともかく、川辺でまで後ろについていたら跳ね上げられる小石や水にぶつかりかねないし、急な進路変更に対応するのは難しい。
と言った矢先、アイニィさんのルクシーン君が石(きっと中々大きな岩があったのだろう)に邪魔をされ大きくスピードを落とした。
もう少し2人の影に居れば巻き込まれていたかも知れないが、かわして川辺へと駆ける。
ピエットさんも遂にサンダーボルトのご機嫌が傾いてしまい大きく後退、すっかり拓けた前へと出たと思ったのだが、俺より先に川辺へと侵入して行ったのはネージュだった。
近くには朧菊さんも居り、位置取りが完璧!と浮かれていた俺に、自然に逆らわずに走る2人の姿が焼きつく形になった。
~川辺~
俺はまず朧菊さんへと狙いを定めた。
足で走るというのは、的確なルート選択さえできれば乗り物(馬などの生き物、帆掛け舟などの物問わず)よりもずっと速いコースを走ることが出来る。
だが、悪路に飛び込んでしまったとき影響を受けやすいのもまた事実。
三角獣で並走し、悪路へと誘導する。
馬にとっては大した悪路でなくとも、人にとっては非常に走りづらい水の中へと。
だが、朧菊さんは誘導に乗るどころか自ら川の中へと飛び込んだ!
蛇のように体をくねらせ蛇行して泳ぎ川を遡る、当然、走るよりは遅いのだがそれを感じさせない力強い泳ぎだった。
そうして朧菊さんには手出し出来なくなったため、次は前を走るネージュを狙うが
そうこうしている内にも差を付けられてしまっている。
完全にペースを掴んでいるのだ、波に乗っている。
自然のままに走るコルトとネージュの息がぴったり合っており、2人が風の中に居るうちは
いくらスピード自慢の三角獣と言えど手が出せないほどであった。
だが、突き崩す手段が無い訳ではない。
ペースを乱しさえすれば良いのだ、意識を走りから別のところへ向けさせる。
それには妨害を始めとした様々な手段があるが、俺は2人に"勝負"を持ちかけた
走りを競わせる。
妨害を受けず穏やかな光の中に居た2人を勝負の世界へと引き摺り込む、駆け引きというフィールドでなら、ペースを此方のものに出来る。
此方の誘いに二つ返事で乗ったネージュ。
その潔さは感心するものの、勝負を知らないからとも言える。
案の定、コルト君とぴったり合っていた息が乱れ大きく後退することとなった。
トップ争いをしていた2人を退け、ポールポジションへ!
~岩場~
岩場に踏み込んだとき、近くにはピエットさんと朧菊さんが来ていた。
朧菊さんは優勝賞品の星酒に向け真っ直ぐ黙々と走っていたが、ピエットさんは闘士を露わにして猛然と追い上げてきていた。
フルにチャージされた魔導バッテリの替えや、途中で手に入れたアイテムを駆使し、加速に加速を重ねて
サンダーボルトに振り回されながら、殆ど荒れ狂う稲妻のようにしてやってきた。
俺はピエットさんに戦えるだけの(とまでは行かなくともお菓子作り以外にも)魔法を使えるのではないかと思い、それを出してこい、本気で掛かって来いと言った。
だが、ピエットさんは「気のせいだ」とハッキリ言い切り、サンダーボルトとそれを操作する技術のみで俺と勝負する姿勢を見せた。
ならば、俺も三角獣と俺の力だけで勝負だ。
温存していた、気流を味方につける力を使い暴風のフィールドを作り出す。
暴風の三角獣はその特殊な角によって風を切り裂いて走る際に、自分の周囲に気流を発生させることが出来るのだ。
それを存分に発揮したとき、周囲には暴風が吹き荒れ時には木を薙ぎ倒すことさえもある。
気流はまさに攻防一体。スピードに乗るほど強く発生し、周囲の敵を寄せ付けない。
此方が前を走っている限り、ピエットさんがコースに沿って走っている限りは追い抜くことを許さぬ領域。
岩場という狭い地形も手伝っていた。
だが、このサンダーボルトという箒はその名に恥じぬ軌跡を描き、岩に阻まれて発生したエアポケットからエアポケットへと稲妻が走るように飛んだ。
性能だけではない、その一瞬の隙を見抜いた、あの稲妻が走ったかのようなピエットさんの瞳。
ピーキーな性能の箒を遂には乗りこなした……というよりも、"ここぞ"と言う場面で操り切る集中力だ。
意志、そして集中力。
お菓子屋にしておくには勿体無いものがあるように感じられた。
激しいデッドヒートの結果、予想以上に周囲を見ずに盛り上がっていてしまったか
1位は朧菊さん、2位にピエットさん、そしていつの間にかネージュにも追いぬかれており、俺は4位という結果となった。
1位に贈られた金の星のメダル。(2位は銀、3位は銅)
次こそは必ず獲ってみせる。
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
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