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2024/04/24

7/26 駆け比べ

空から落ちてきたという星の精霊(?)達が催す掛け比べが行われていた。
旅をしていて神に何をか奉納をする祭りというのはいくつも見てきたつもりではあるが、神(とは行かないまでも)自身が主催する競技というものには初めて参加をする。
神に向け、修練を積んできた舞や弓、今回のことのように速さなどを競う催しというのは俺はとても好きだ。


参加者は俺の他に

・マクナーリアさん(ボートと荷車を合体させたようなもの:それぞれは譲って貰ったと言っていたが、自分でくっつけたのか?)
・朧菊さん(身一つ:酒のため参加。蛇の獣人)
・ネージュ(コルト号:ダンジョン競技会でもこのペアだった、仲がいい)
・ギガトールさん(徒歩:リハビリらしい。マラソン大会)
・ピエットさん(魔法の箒(サンダーボルト):魔導バッテリ式だと言う、凄く欲しい)
・アイニィさん(ルクシーン君(魔獣?):キマイラ的な何か、つよそう)
・アマリージョさん(冒険者レッグ:途中参加、不運)

だ、俺と暴風の三角獣も速さと聞いては黙っていられない、全員をぶっちぎるつもりでスタートラインに並んだ。
三角獣は同じような生き物であるコルト君をライバル視しているようだったが、逆にでかいルクシーン君のことは少し怖がっているようでもあった。
俺はと言えば、特に魔法の箒を目の敵にしていた、欲しいから。
俺だって空を飛びたいのにという嫉妬から、速さでは絶対に負けないと心に決めていた。


 コースは「平原」を通り「川辺」を抜け「岩場」を超えた先にゴールがある。
参加者もコースも、そして途中はアイテムもあり、妨害行為も認められている。
一体どんなレースになるのかと、神事ではあるがウズウズしていた。

~平原~

 まずは下馬評通りと言ったところだろうか、3mの巨体の狼、翼を持ち口からは火を噴く魔法生物のルクシーン君(アイニィさん)が前へ出た。
狼と言っても岩場を砕いて走りそうなパワーを平原で存分に発揮して平原を走った。

その後ろを俺が続く、巨体の後ろにつけて体力を温存する狙いだ。
風は三角獣にとって味方だが、体力を消耗しない訳ではないし、まだ勝負のときではない。
三角獣は直ぐにでも仕掛けたがったが、自分のペースを守ることは大切だ。

横をネージュ、競争に参加しているとは思えないほど走ることを楽しんでいる。
勝ち負けというよりも、同じように走る仲間の中で走っているというような、のびのびとした走りか。

そしてピエットさん、箒の機嫌を伺い伺いという感じだが、結構負けず嫌いというか、競争心のありそうな感じだ。

朧菊さん、ギガトールさん、マクナーリアさんと続く。
走っているギガトールさんはともかく、マクナーリアさんの帆掛け舟はスピードが出るまでに少し時間が掛かりそうだった。


 平原を抜け、川辺へと近づく頃、俺はルクシーン君の影から出た。
平原はともかく、川辺でまで後ろについていたら跳ね上げられる小石や水にぶつかりかねないし、急な進路変更に対応するのは難しい。

と言った矢先、アイニィさんのルクシーン君が石(きっと中々大きな岩があったのだろう)に邪魔をされ大きくスピードを落とした。
もう少し2人の影に居れば巻き込まれていたかも知れないが、かわして川辺へと駆ける。

ピエットさんも遂にサンダーボルトのご機嫌が傾いてしまい大きく後退、すっかり拓けた前へと出たと思ったのだが、俺より先に川辺へと侵入して行ったのはネージュだった。
近くには朧菊さんも居り、位置取りが完璧!と浮かれていた俺に、自然に逆らわずに走る2人の姿が焼きつく形になった。


~川辺~

 俺はまず朧菊さんへと狙いを定めた。
足で走るというのは、的確なルート選択さえできれば乗り物(馬などの生き物、帆掛け舟などの物問わず)よりもずっと速いコースを走ることが出来る。
だが、悪路に飛び込んでしまったとき影響を受けやすいのもまた事実。
三角獣で並走し、悪路へと誘導する。
馬にとっては大した悪路でなくとも、人にとっては非常に走りづらい水の中へと。

だが、朧菊さんは誘導に乗るどころか自ら川の中へと飛び込んだ!
蛇のように体をくねらせ蛇行して泳ぎ川を遡る、当然、走るよりは遅いのだがそれを感じさせない力強い泳ぎだった。

そうして朧菊さんには手出し出来なくなったため、次は前を走るネージュを狙うが
そうこうしている内にも差を付けられてしまっている。
完全にペースを掴んでいるのだ、波に乗っている。
自然のままに走るコルトとネージュの息がぴったり合っており、2人が風の中に居るうちは
いくらスピード自慢の三角獣と言えど手が出せないほどであった。


 だが、突き崩す手段が無い訳ではない。
ペースを乱しさえすれば良いのだ、意識を走りから別のところへ向けさせる。
それには妨害を始めとした様々な手段があるが、俺は2人に"勝負"を持ちかけた

走りを競わせる。
妨害を受けず穏やかな光の中に居た2人を勝負の世界へと引き摺り込む、駆け引きというフィールドでなら、ペースを此方のものに出来る。

此方の誘いに二つ返事で乗ったネージュ。
その潔さは感心するものの、勝負を知らないからとも言える。
案の定、コルト君とぴったり合っていた息が乱れ大きく後退することとなった。

トップ争いをしていた2人を退け、ポールポジションへ!


~岩場~

 岩場に踏み込んだとき、近くにはピエットさんと朧菊さんが来ていた。
朧菊さんは優勝賞品の星酒に向け真っ直ぐ黙々と走っていたが、ピエットさんは闘士を露わにして猛然と追い上げてきていた。
フルにチャージされた魔導バッテリの替えや、途中で手に入れたアイテムを駆使し、加速に加速を重ねて
サンダーボルトに振り回されながら、殆ど荒れ狂う稲妻のようにしてやってきた。

俺はピエットさんに戦えるだけの(とまでは行かなくともお菓子作り以外にも)魔法を使えるのではないかと思い、それを出してこい、本気で掛かって来いと言った。

だが、ピエットさんは「気のせいだ」とハッキリ言い切り、サンダーボルトとそれを操作する技術のみで俺と勝負する姿勢を見せた。
ならば、俺も三角獣と俺の力だけで勝負だ。

温存していた、気流を味方につける力を使い暴風のフィールドを作り出す。
暴風の三角獣はその特殊な角によって風を切り裂いて走る際に、自分の周囲に気流を発生させることが出来るのだ。
それを存分に発揮したとき、周囲には暴風が吹き荒れ時には木を薙ぎ倒すことさえもある。

気流はまさに攻防一体。スピードに乗るほど強く発生し、周囲の敵を寄せ付けない。
此方が前を走っている限り、ピエットさんがコースに沿って走っている限りは追い抜くことを許さぬ領域。
岩場という狭い地形も手伝っていた。

だが、このサンダーボルトという箒はその名に恥じぬ軌跡を描き、岩に阻まれて発生したエアポケットからエアポケットへと稲妻が走るように飛んだ。
性能だけではない、その一瞬の隙を見抜いた、あの稲妻が走ったかのようなピエットさんの瞳。
ピーキーな性能の箒を遂には乗りこなした……というよりも、"ここぞ"と言う場面で操り切る集中力だ。

意志、そして集中力。
お菓子屋にしておくには勿体無いものがあるように感じられた。


 激しいデッドヒートの結果、予想以上に周囲を見ずに盛り上がっていてしまったか
1位は朧菊さん、2位にピエットさん、そしていつの間にかネージュにも追いぬかれており、俺は4位という結果となった。


1位に贈られた金の星のメダル。(2位は銀、3位は銅)
次こそは必ず獲ってみせる。

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2013/11/20 ユベルティ Comment(0)

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