[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
妖精の花園に迷い込んだ日のこと。
妖精たちのお茶会に招かれ(巻き込まれ?)た後、飽きっぽいタイプだった妖精たちは片付けもそこそこに他の場所に言ってしまったので、これ幸いとその場でうたた寝をしていた。
追われている身だと思えばおいそれと昼寝も出来ない日が多く、此処、妖精の花園のように来ること自体が困難な場所というのは、今の俺にとっては絶好の休息場所となった。
うたた寝しながら、久しぶりに過去のことなど夢に見ていたとき……同じく迷い込んだらしい蛇獣人のエリュテイアさんがやってきて、少し話をし、共に妖精の花園を出た。
不思議な眼をしていて、ゆっくり喋る。
純白の髪と白い肌に包まれた赤い瞳はアルビノらしい特徴ではあるが、エリュテイアさんの眼にはそれに留まらない印象を受ける。
そこに"視線"というものがあると、肌で感じられるような。
エリュテイアさんに見られていると、ムズムズと落ち着かない気持ちがするものだ。
魔法なのかとも思ったのだが、獣人だと言う、そういった特徴のあるものか。
折角、お茶会の後が片付けも為されずに残っていたので、そのままお茶を振る舞うことにした
といって、僕が用意したものでなければ、残っているものを漁った結果はただの水、風情どころかお茶すらなかったのだが……エリュテイアさんはよく嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれたものだ。
(強い渋みも、強い甘みも苦手だという。これも種族柄か。此処のトコロ食の違う獣人と続けて会って興味深いことだ)
普段は狩人をしており、獲物の少ない季節には冒険者をして生計を立てているという。
そしてこの時期(夏いっぱいと言っていた)は冒険者をしている季節だからか、俺がイェンスさんに賞金を掛けられていることも知っていた。
掛けられた額が小さいこと、イェンスさんが俺を悪人に仕立て上げていないこと……正直なところ、本気で俺を消してやろうとか、そういったつもりでは無いのだろう。
だからこうして、知っている人の殆どはこのように接してくれる。
必要以上にビクビクする必要も無いのだが、もしイェンスさんの前に出て行ったとして
俺はきっと、次はこの程度では済まないことをするに違いなかった。
だからいっそのことピンチをチャンスに変えようと思ってはいたが、中々手を打てずに居た。
COMMENT
COMMENT FORM
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |