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- Newer : 7/12 川にて
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イェンスさんに「ちょっとツラ貸せや」程度に探されていたのは少し前のこと。
それを知らぬままに冒険に勤しんだ結果、運良く見つからずに幾らかの時間が過ぎた。
そして、中々姿を表さないことに対してイェンスさんが取った手段は「俺に賞金をかける」ことだった。
"生け捕りで5万G" 一週間以内に簡単に捕まえられるなら、中々割のいい仕事になるだろう。
冒険者同士、互いに優劣を付ける機会を伺っている者も居る。
こういったことを口実に"ユベルティを捕らえてやった"という実績を作りに、面白半分で追ってくる者も居るものだ。
(そういう奴らの半分くらいは5万G払えば見逃してくれるけど)
だとしても何だとしても、賞金を掛けられて追い回されるというか、街に出入り出来ないのはとてもつらいことだ。
旅の途中であれば、さっさと次の街に向かえば良いのだが、今はペティットを離れたくない理由もある。
そういったことを、森の奥の泉で悩んでいたら、ハヴァラーラさんと言う蜘蛛の獣人に出会った。
言葉の綾で自分のことを「雌猿」と言ったりもしていた、
人のことを猿と言うのはままあることだが、蜘蛛獣人が口にするとなんとなく不思議な響きだった。
蜘蛛獣人 ←わかる
蜘蛛猿 ←一気にキメラ感が倍増、何故なのか?
そんなハヴァラーラさんは人を喰うこともあるようで、俺のことを食料とか肉とか出会い頭には冗談で言っていた。
俺はそのままのんびりと食生活の違いについて意見を交わしたいところだったのだが
ハヴァラーラさんは俺にマスケット銃を向けた。
俺に賞金が掛かっていることも知っていたが、何か"聞きたいこと"があると言う。
イェンスさんとのことか?銃を向けなければ聞けないようなことなのだろうか?と、思ったが
「ハヴァラーラさんが人を喰うことに明確な罪悪感を持っていないことを忘れられるか、どうか?」
そのように言った。
この人も気が動転していたようで、出会い頭に「うわー!なんだこれー!食料ー!」なんて言ってしまったからと言って、律儀にも人の肉を喰うことをそのまま流れで話してしまって後悔しているようだった。
しかし俺はこの事を聞く中で、ハヴァラーラさんが人の肉を喰うことが他の獣を食べることと違うことを自覚し、それをコントロールする事が出来ると知っていたから
(人を喰うことが抵抗なく出来るからと言って、人を傷つけるかどうかはまた別の話だ)
ハヴァラーラさんが無闇に人を傷つける(喰う)のではないように、俺もハヴァラーラさんを無闇に傷つける(人肉食と言いふらす)ことは無いのだと言い、それを信用して貰えた。
俺が「忘れる」と言えばそれを信じると言うことだったが、俺はそういった信用は嫌いだ。
盲信は善ではないと思うからだ。
ハヴァラーラさんは、一族では人喰いが禁止されていることに納得出来ず、そこを抜けだしてペティットに辿り着いたようだった。
真面目な人のようだが、このことにどういった答えを出すのだろうか。
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