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2017/11/21

8/14 イストーリヤ私立図書館にて

俺はラゼットの動向を伺っていた。
冒険者であるラゼットが1人で、逃げようと思って逃げていればその足取りを追うのは難しいことだったろう。
しかし、仔猫ちゃんを連れているのならば、その難易度は格段に下がるものだ。

そうして、郊外のリラクゼーションサロン「アリエス」に仔猫ちゃんを連れて入り、1人で出てきたところを目撃した。
イェンスさんに引き渡したのだ。
交渉の結果がどうなったのかを知ることは無かったが、店内の様子を伺うに仔猫ちゃんも、イェンスさんも(連れの人は居なかった?)気持ちよさそうに眠っていたので、仔猫ちゃんをそっと攫った。

店員には見られたが、そのくらいの方がラゼットへの疑いが晴れやすくて良い。


 こうして俺は仔猫ちゃんを誘拐して、その故郷のことを調べるために図書館に来ていたのだった。
ラゼットとの情報交換のときに顔を合わせていて本当に良かったと思うが、保護者がコロコロと変わるというのは本当に可哀想なことだ。

とまれ、この子と意思疎通が出来なければ始まらないと、本を頼りにしているとき、ジュリエッタさんがやってきたのだった。
まさに助け舟と言ったところか、交易商を身内に持ち自らもその手伝いをしている人にこのタイミングで出会えたことは幸運に他ならない。

(そして"頭の良さそうな声"というのはきっとある。人間は条件反射で声を出しているときと考えて喋っているときとで声が違うと思うからだ)


 ことの成り行きを簡単に話すと、早速、この子の使っている言語を特定するアイデアをくれた。
辞書を片っ端から持ってきて、見せる、または読み上げて、仔猫ちゃんが見覚えがあったり、聞き覚えのあったりするものを特定しようというのだ。

題材は「ネコ」というか、これも咄嗟にジュリエッタさんが決めた、なかなかどうして機転の利くもので、幾つかの言語を試した結果、ペティットより南の方、アムーガ諸島辺りで使われている言語に仔猫ちゃんは反応を見せた。
(辞書を見せる、絵を描く、発音する。あらゆる手段を直ぐに試すスピードは俺を圧倒した。戦いや冒険において同じようにできるかどうかは、単に"慣れ"や"興味"の問題だ。多くの人にそういった力はある。ただ、戦いや冒険という領域では本来の力が出せていないのだ)

大まかなアタリがついたのはかなりの前進だ。
後は現地に行ってから通訳を見つければ、きっと此処に居る何倍ものペースでこの子の故郷に近付けるだろう。


 更に、ジュリエッタさんは仔猫ちゃんを一時預かっても良いと申し出てくれたり、生活必需品を贈ってくれたりと、協力を惜しまずに居てくれた。
その贈ってくれたものと言うのがまた凄くて……まさか荷物箱1つに対して、筆舌に尽くし難い、なんて言葉を使うとは思っていなかったが、いっそそれは宝箱だと言って差し支えなく、沢山のものが詰まっていた。
(仔猫ちゃんが普通の精神状態だったらきっと半狂乱でこの小包にダイブしただろうに)

どうして此処までしてくれるのだろうか。
仔猫ちゃんが可愛そうで?奴隷に対して何か思うところがある?
そのどちらと言うよりも、そうするのが当然だからと言うように自然にこれを行ってみせた。
とても自由に。

 俺やラゼットとは何かが違う。
この人の方が精神的に大人だと一言にしてしまって良いものだろうか。

俺が数多く居る奴隷のうち1人2人を助けることは単なるエゴで、その場に居る他の「選ばれなかった」奴隷の気持ちに耐えられないと話したとき。
ジュリエッタさんは迷い無く、ゼロより1が良い、自分はそうする、次に繋がるかも知れないと言った。
それが口だけのことでないことは、亜人狩りのときに分かっているが……。

ラゼットが言ったように
無価値な……自分にとって不利益にしかならないような奴隷に関わらないこともまた"常識"だ。
そうした事によって責められる、理想に沿わなかったことで責められるのは、立場のある者だけだ。

例えばそれを一国の主が行ったとしたら、人道的でないと非難されることだろうが、一市民はどうか?
自分の命や利益を危険に晒してまでそうする義務は無い、仕方のないことと思われるだろう。

周囲から責められることの無い人間がそれをやるには、自分で自分を責めなければいけない。
この人はそれが出来る。いや、その力が強いのではないかと感じた。


ニックネームを付ける力はあまり無いのかも知れないが。




お相手頂いたキャラクター… ジュリエッタ

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2013/11/21 ユベルティ Comment(0)

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