[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
- Newer : 8/24 南の島にて
- Older : 8/18 夏祭り会場にて
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
女の子は荷物が多いもの。
それを普段、俺のような男が感じることは少ない。
せいぜい、支度に時間が掛かるとか、そのくらいのことしか実感しない。
だが、旅となると話は別だ。
この仔猫ちゃんについても例外ではなく……っていうかマジで多い。
おめかしして、お気にの小物をぎゅっと詰めたカバンを持ってというのは、仔猫ちゃんは大層楽しんでいたようで、この心憎い贈り物は俺が想像していた何倍も何倍も素敵なものであったのだと、このとき感じた。
俺用のポケット辞書付きだなんて、心憎いにも程がある。
ホスピタリティ!
とまれ、こういったところがあの人の人徳と言うのか、不思議な魅力の元、或いは一部なのだろうと思うことだ。
俺が借金をしているというのに、演出を快く許し応援してくださるミハエルさんにも感謝しきりである。
俺は生き物に名前を付けるというのが非常に苦手だ。
優柔不断だからというのもあるが、特に、他に名前がある者に対して新たに……というのはとても気が引ける。
以前、それで苦い失敗をしてしまったこともまた、俺を臆病にさせていた。
ペティットから出発する段になって、仔猫ちゃんがラゼットの事を気にしていた。
それも当然のことで、奴隷商人からこの子を連れ出したのはラゼット、俺はラゼットに頼まれているとして、この子に説明をしているからだ。(通じないなりにだが)
実際のところは、ラゼットは俺が再誘拐したこともまだ知らないのだろうが……俺は、またきっと会える、俺が連れて行くからと言って、船に乗せ……
そこに、ルトナさんがやってきた。
通りかかったのではなく、なんと出発のついで見送りに来てくれたのだと言う。
ヘラジカの角亭に居たときに、今日出発するのだとは話したが、まさか見送りに来てくれるとは思わなかった。
ルトナさんも俺も旅人、見送りのない出発なんて、すっかり慣れてしまったことなのに。
旅の守りとして、トルコ石をくれた。
戻ってきたらまたプチ・リブレとして公演をしよう、芸術祭という舞台で。
そう約束をして、それぞれの旅へと出発をする。
最近「ただいま」を貰ったと思ったら、今度は「いってらっしゃい」を貰ってしまった。
こんなに自然に受け容れられる言葉達があるなんて。
COMMENT
COMMENT FORM
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |