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そこは「やぶさかでない」じゃなくて「穏やかじゃない」だろ!
というツッコミを待っていたのだが、割りと誰にも気付いてもらえなかった。
セシルさんとベリアが出所後トークで盛り上がっていたようだった。
二人共自らに架した鎖について思うトコロあるようだったが、俺が来た頃にはというか、俺が来たことでその話は区切りとなった。
教会ではそういう話は穏やかでないのか、それとも教会だからこそなのか。
どちらにせよ、2人はきっと教会の教えに沿った道を選んだわけではないだろうから、きっと穏やかでないのだ。
その後、セシリアがやってきた。
セシルさんの事は亜人狩りの頃、話には聞いていた。
便乗犯の1人で賞金稼ぎ。
今は、稼いだ賞金を街に寄付することを条件として自由の身になっているという。
亜人狩りのとき、セシリアと何かあったのだろう。
セシルさんを前にしたセシリアは憤りをなんとか抑えているといった様子であり、俺には「大丈夫だ」と言ってくれたものの、何か弾みさえあれば……と言った様子だった。
だが、そんな様子のセシリアに向かってセシルさんは歩み寄り、詫び、あまつさえその目の前で深く頭垂れた。
セシリアが、やろうとさえ思えばその首を切り落とすことが容易なほどに。
それは完全に相手へと自分の命を委ねるような謝罪ではあれど、この状況では非常に豪胆なことであり
俺は冒険者として、そのセシルさんの強さを見て取ったが、ともすればセシリアを精神的に追い詰めかねないことだと思った。
実際にセシリアはその姿を見て、セシルさんが完全に反省をし屈服したものと見て安堵するどころか
増々湧き上がる感情……こうまでされても相手を許せない自分に対する憤りもあっただろう……に苛まれているようだった。
間違った気持ちではないと言葉を掛けるには、俺は事情を知らなすぎる。
セシリアは強い。
目的を達成しようという強い意志を持っている。
だが、それは同時に弱さでもある。
人は弱さを強さに変えることが出来るが、違う方向から見れば、それはやはり弱さだ。
今のセシリアには、きっとそのことに寄り添ってくれる人もいる。
俺に出来る事と言えば、ギガトールさんからコーヒーを貰ってくることくらいだった。
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