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夜の広場には、白い服の男と生き物じゃないものが居ました。
戦いが始まりそうだったので、私はその場から離れました。
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「迷いの草原」という場所がある。
"昼間は普通の草原だが、夜間になるとコンパスや魔法や星による観測さえ狂ってしまう。目標物もないので堂々巡りをする羽目になる魔の地帯である。"
とされている地域だ。
俺はそのことを知っていて避けて通っていた筈だったのだが、この日はうっかりと、悩み事のせいか、迷い込んでしまった。
開き直って、悩み事をしながら本当に出られないものかどうか試してやろうと、秋の夜長を歩き倒すつもりで居たら……どうやら迷い込んでいたのは俺だけじゃなかったようで、リフェリスが"飛んで"きた。
強風に煽られて地面にべしゃったリフェリスのアホ毛を掴んで楽しみながら、何か悩み事でもあるの?と聞いてみたが、彼女はこの場所のことを知らなかったようだ。
リフェリスは最近お兄さんと同じ屋根の下になり、その仕事(錬金術)を手伝っていると言っていたが、今は調合をしているとのことだ。
その為の薬草採りに夢中になって時間を忘れるくらいなので、きっと楽しんでいるのだろう、とても良いことだ。
悩み事の話を微妙に避けながら、お菓子の話や仔猫ちゃんとペッラ・メル・バムに行ってきた話などをして。
恒例の「リフェリスのやりたいことってなんだろう」という質問を再び向けてみた。
返答は「こうなりたいという願望ならある」だったけれど、俺は色々と具体例をあげて聞いてみたのが良かったのか
料理が上手くなりたいとか、可愛い服作ってみたいとか、ゆっくり本を読んでいたいとか、ゆっくり寝てたいとか、結婚したいらしいと聞けた。
実に女の子らしい。
三千世界の鵺に、ちょっと静かにしててねとお願いして回ろうか。
と、目的のことが聞けたのにも関わらず。
俺がリフェリスの誕生日が5月だと言うことをすっかり忘れていて、落ち込ませてしまったのだった。
やってしまった……去年の夏、誕生日は5月下旬頃だと言うことは聞いていたのに。
(そのときも「きっと忘れているから1ヶ月前にアナウンスしてね」と言った記憶があるが、マジで忘れていたなんて)
普通の人は誕生日をすっかり暗記しているものなのか?それともカレンダーに書き込んでいるのだろうか。
新しいカレンダーに買い換える度に?新しく誕生日を書込み直しているのだろうか。
そして月が変わる頃になると、来月の誕生日の人を確かめて祝う予定を立てるのだろうか?
俺はどうも、自分の誕生日を知らないせいか、他人の誕生日のことも大切にしていないのかも知れない。
(よく考えると知り合いの誕生日を誰一人のものも思い出せない気がする。やばい、早く確認しないと。秋ごろに多かったような……)
そしたら逆に、俺に誕生日プレゼントだと言って(会って1年経てばまあ、何日か分からなくても誕生日は経過しているだろうという地獄の大公の完璧な論法により受け取らざるを得なかった)、ポーション?エリクサー?をくれた。
リフェリスが調合?錬成?したと言う。
それを飲むと、何故か俺の体にエルフっぽい特徴が現れて、1日ほどで治るらしいが少し驚いた。
本当にエルフになった訳ではないが、変装に使えるかもしれない。(ただし効果は安定しないというか、獣人のようになってしまう場合もあるらしい…)
だが、記念のプレゼントにイタズラをしかけちゃいけないよ。
で、悩み事。
俺の悩みは尽きることは無さそうだったことだし、リフェリスが草原で迷うに至った悩みを聞くかと話を振ったのだが……。
腹を括った、とはこういうことを言うのだろう。
普段ふわふわした調子なのが嘘みたいだったと言うか。
とまれ、それを引き出してしまったのも俺なのかも知れない。
あんな風にも仕切り直し、注意を惹かれてはいくら俺でも身構えてしまったようだ。
誕生日の件で、悪いことをしてしまったという気があってかなり真に受けてしまったのか。
結局俺は、不実だな。
この日、俺は一人の、心の師に出会う。
幼女少女に薔薇をあげても不審者扱いされない脅威のスキルを持った愛の伝道師……バッカス師匠に。
ここにバッカス師匠名言語録を掲載したいところなのだが著作権的な問題に配慮して思い留まるとして、
師匠の言葉は俺の胸に蟠る思いを綺麗に洗い流し、俺は自信と美しさを胸に可愛い仔猫ちゃん(リコス)に薔薇をあげることが出来た。
不審者扱いされることなく。不審者扱いされることなく!!
途中、ラビスという自警団員さんが此方を不思議そうな目(あくまで不思議そうな目)で見ていたが
最終的には愛に包まれ、バラを手にして職務に戻っていった。
愛の勝利だ(確信)。
師匠の愛に満ち溢れた言葉にリコスも希望を取り戻し、俺は輝き出す子猫を追いかけて楽しかった。
愛は凄いなって思いました。(小学生並みの感想)
荷馬車の護衛中、山賊崩れの襲撃に遭い、一戦交えた。
その後、彼らが馬車を立ち止まらせる為に道を塞いだ丸太をどうしようかと困っていたところにランタルさんとガンちゃん(ヨルムンガンド)がやってきた。
ランタルさんは黒い狼の獣人で、身の丈は2mをゆうに超えており、かなり迫力がある。
身につけているものも、野外での戦闘に向いたものであり、声を掛けられたときにはドキっとしたものだ。
だが、丸太が転がっていると見るや脇にどけるのを頼むまでもなく手伝ってくれた。
大きな丸太一つを軽々と持ち上げて運んだかと思えば、次は2つを抱えて行った。
俺であれば1つどかすのにもかなり苦心しそうなものだったが、凄い力だ、背中の馬鹿みたいに重そうなハンマーも伊達では無い。
闘技場では賭け試合を行っていたという噂を聞いたこともあったが、それも本当のことだったようだ。
ランタルさんは共に丸太運びを競い合ったガンちゃんと意気投合したらしく、この場でコンビが結成されたようだった。
2m越えマッチョ獣人2人のコンビ、中々話題になりそうだ。
俺の以前居たところでも、龍の獣人と狼の獣人からなる伝説の傭兵コンビが居たことを思い出した。
ガンちゃんは退院したてだと言っていたが、ランタルさんが丸太を運んでいるのにやおら闘争心を掻き立てられたのか、激しい丸太運び競争が始まった。
ランタルさんが2本運べばガンちゃんは3本、4本運べば5本というようにエスカレートして行き、最終的にはガンちゃんが筋肉ダルマ爬虫類の意地を見せつけた。
その負けず嫌いな様子が気に入ったランタルさんからコンビの誘いを受けて、二つ返事で了承、面白いことだ。
その後はゴールドビーを発見するも、俺にあまり時間が無かったので見逃すことにした。
金運がない。
悪魔と戦う神父だという自己紹介が耳に入り、商店街で足を止めた。
そこではヴェルデッタさんがジョンさんと言う戦う神父さんと話をしていて、俺もそこに加わった。
途中でお化けの格好をしたジルもやってきて……。
ジョン・ブラックさん。商店街で買ったらしいマジックアイテムが沢山入った買い物袋を持っていた。
(きっと衝動買いしてしまいがちなタイプなんだ)
ジョンさんの所属する教会の中でも武闘派というか実働部隊と言うのか、アンデッドや悪霊退治を専門とする神父だそうだ。
得意技は正拳突き。(魔法も使うとのことだが)
この街ではアンデッドは行くところに行かなければ居ない(とか言っていたら1ヶ月もしないうちに白骨の魔物が街中に湧くなんてな…)ので、実働部隊としての仕事は少ないか、若しくはそういう「行くところ」に出ずっぱり、といった事になるかも知れない。
真面目で謙虚といった、実直な神父らしい様子だ、この街には長く居る予定なのだろうか?
ヴェルデッタさんにも、普段の仕事のことを聞いた。
装飾品へのエンチャントや、造花を作っているという。
水の守護はふわーっという感じらしい(どんな感じだろう?)が、1回1000G前後と手を出しやすい値段のようなので、今度お願いしても良いかも知れない。
と、思ったが俺は装飾品の類をまるで持っていなかったし、つける習慣も無かった。
ジルがお化けの格好をして驚かせに来たとき、恐怖から、てやーっとジルを突き飛ばしていた。
普段は大人しそうな様子ではあるが、やるときはやるタイプなのかも知れない、ライクルスを甚振っていたことも記憶にまだ新しいし。
ジルはどうやら演劇の練習……役作りの一環としてお化けの格好をして人々を脅かしていたようだ。
芸術祭での演し物は音楽劇、「暗い屋敷の寂しがり屋おばけ」(だっけ)をやることに決まったらしく、その練習中なんだそうだ。
街の人も参加できる形式なのだというが、一体どのようなものになるのだろう?
俺達プチ・リブレも負けていられない。
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