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良いマッスルの気配を感じる(3日ぶり2度目)と、パケットさんという熊獣人が自主練に励んでいた。
大きな剣をふるう姿は、どうも背中を庇っているようではあった。
怪我のあるときに何故鍛錬をするのかと聞いたが、日課だということにしておいてくれと言っていた。
何か厄介事を抱えているのかも知れないが、思い詰めている様子もないので、言うとおりにすることにした。
だが、興味があったので何故かと詳しく聞いてみれば、鍛錬を人に見られるのが嫌いなのだと言う。
恥ずかしいんだとか。(このときも深夜で人気はほぼ無かった)
確かにどこの流派で何年修行したといった風ではなく、自己流での剣捌きなのだろうが……
見られるのが恥ずかしいだけで、今の剣そのものはそう嫌いでは無いのだろう。
人間、本当に嫌なことからは離れたり変えようとするのもだ。
俺はパケットさんの剣技が好きだった。
自己流での戦い方というのはその人の個性が如実に現れる。
(型を用いていてもそうだが、より分かりやすい)
このときには、俺はパケットさんの剣技から不思議な優しさを感じたものだ。
おやつを食べながら月のこととか、臆病なくらいが長生きできるとか、そんな話をしていたが
食べ終わると「お腹も膨れたし鍛錬する?」だなんて、怪我をしているのに
あまつさえ、怪我しているときのほうが緊張感があるだなんて。
怪我を理由に遠慮すれば、パケットさんの大剣を貸してくれた。
それは鎖のついたもので、当人は「つい武器を投げちゃったときの保険」なんて言っているが、使いこなせば中々恐ろしいものだ。
同時に利用されやすくもあるが、予め想定しておけばリスクは高くない。
色々と話したことだが、パケットさんは自分の身に対しては大雑把というか、大胆なところが感じられる日だった。
怪我があった方が緊張感があっていいだとか、魔法は詠唱される前に口を塞いじゃえとか、怪我しているのに野宿するだとか。
体が傷つくことと心が傷つくことは違う、こうしてパケットさんが我が身を蔑ろにしているからと言ってその精神も同じようなのだと勘違いしないようにしなければ。
酒場で芸術祭で行う予定の第二回プチ・リブレ公演について悩んでいると、ジルがやってきた。
ジルも芸術祭では学院の皆と演し物をする予定だそうで。
この子とは此れまで、自警団から逃げ出して行き場を無くしていた路地裏、だとか。
なんか悪い奴に人質にされかけていた詰め所だとか、そういった場所でしか会ったことがなかった。
今は学院に通っているというので、こういった場所で会う機会も増えるだろうと思うが。
芸術祭での演し物がまだ決まっていないらしいが(後数日だ!)、それは俺も同じだ、ジルは音楽をやりたいと言っていたがどうなるか、まだ学院には入ったばかりだし例え希望の演目でなくとも皆で何かをやるというのは非常に良いことだから頑張って欲しいことだ。
俺の公演についても大道芸のようなことを盛り込んではどうかというアドバイスを貰った。
確かに何ぞパフォーマンスを行うというのは悪くない、検討してみようと思う。
ディードさんに組み手をしてもらった。
ディードさんは手合わせなどしたことないと言っていたが、戦いに関しては初めてではなかったのだろう
普段は野菜を作っていると言っていたが、鍬ばかり振っていた者の動きではなかった。
俺のフェイントに対して躊躇わずに前に出る思い切り、斧の間合いの内に入られたときに斧を使って上に逃れるなど……そこから切り返すまでの経験の無さは見られたものの、本当に畑を荒らす動物を追いかけていただけだとしたら、戦士に向いていることは間違いないだろう。
砂埃でお互い視界が奪われた状況で仕掛けるだけの度胸もある。
戦いの中に身を置こうとは思わなかったのだろうか?
もしかすると、畑のことも家族から受け継いだものかも知れないし、野菜のことがとても好きなのかも知れない。戦いよりもずっと。
だがこの日は体を動かすのが楽しく、その辺りの話はあまりしなかった。
この人の作る野菜は自然のままにのびのびと育っていて美味そうだなと思うことだった。
階段坂に屋根をつけた。(正確にはつけてくれたのは大工のゲンさんだ)
此処はそれなりに人々の憩いの場になっているにも関わらず、ベンチはあれど屋根は無かった。
雨が降れば濡れるしかなく、冬はとっても寒々しい。
そんな悲しみからこのスポットを解き放つために、一肌脱ごうというのだ。
とはいえ、東屋を作るほど予算がある訳もなく、ちょっとした庇というか軒先というか、そういうものを作る程度だ。
それも緑の屋根、枠組みだけ作って後は植物が育てば屋根になる……というやつだ。(設置した段階ではまだ種だけど)
それを大工のゲンさんと愛の共同作業にて作成し、悦に入っていたところ、ミザリィという女の子が通りかかったので少し話をした。
ミザリィはものの情趣が分かるのか、新しい笑いを研究しているのか「屋根なのに屋根として機能してねぇ!」というツッコミをごく上品にやってのけた。
見た感じ15歳くらいで、物腰は上品……であるが、身なりはそう伴っている訳ではない。
そして働きに出ていると言っており、階段坂は通勤途中に通る道だと言う。
これは……だからどうという事も無いのだが、僅かに意識はしてしまう。
ミザリィという名前も。
とにかく、階段坂に屋根がついたことを喜んでくれて、俺は実に嬉しく思うことだった。
そしてミザリィが小さなことを喜ぶことができ、地面よりも上を向いて歩いている者だということもまた確かだった。
ヴェロナージで体に寄生体を住まわせたとき、召喚獣とのリンクに使っている魔力までも喰われてしまい
契約は途絶えてしまった。
(駆け比べのときは何かの間違いで居たのだが)もう一度召喚を可能にする為には、彼らのところへ赴き、再び契約を行わなければならない。
だが、ミハエルさんに借りのある身としては長くペティットを離れる訳にも行かず、借金の返済も地道にしか進んでいない状況だ。
難しいが、チャンスは来るだろう。
(ルインとか賞金高いし)
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駆けっこで、ボクより先にゴールした馬が居て、もう一回駆けっこした。
あのときは重たいユベルティが居たから遅かったけど、ボクだけだったら絶対に勝てる、負けたことないし
馬には足の遅そうな(ユベルティより足遅そう)女の子がまた乗った。
そんな足の遅そうな人乗せたら遅そう!って思ったけど、そうじゃないと駆けっこしてくれないみたいだったので邪魔しなかった。
駆けっこしたら、ボクの方が速かったのに、また先にゴールされた。
楽しかったけど、ボクの方が速いのに負ける、どうして?
あの足の遅そうな女の子が乗ったら、速いのかな?
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