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朝の森でライクルスとヴェルデッタさんと、悪人ぢゅらと、女の子が2人ほどバタバタしていた。(1人は眠っていたけれど)
悪人ぢゅらこと
戦うお医者さんこと悪魔のような詐欺師こと超絶美形天才剣士雷帝(43文字?)
のレインさん。
なんだかこの肩書きを記すだけで随分疲れてしまったが、なんだか凄そうな人である。
(桜花の武家を父に持ち、亡国の王女を母に持つ…らしい)
パッと見、軽そうな感じの人であることは間違いない。
声をかけたところ、修練会(名称が安定しない)に来てくれるということなので、そこでお手並拝見ということになるだろう。
お嬢さんこと、実家から脱走してきたというシャルロットさん。
旅すがら、レインさんと出会い護衛をしてもらっているということだ、なんともファンタジーな関係である。
これでレインさんと共にお家騒動を解決したら素敵な感じだ。
(今のところシャルロットさんには実家に戻る意志はないようだが)
で、そのお家騒動というのが……
流行病で母と妹を亡くしたが、そのショックでか、唯一病気にかからなかった(シャルロットさん曰く、部屋に閉じこもっていたから)自分を教祖として新興宗教を立ち上げてしまったらしい。
故なく村人達から崇拝されることへの恐怖と、その村人たちから金稼ぎをする父親への反感から、脱走するに至ったというわけらしい。
話しぶりは真に迫っていて、嘘をついているようではなかった。
宗教絡みということで、ライクルスは職務柄、事態に対処しようとしていた。
しかし実体の程もよくわからず、シャルロットさんへも処分が下ってしまうことを考えて警戒しておくに留めることになったようだ。
シャルロットさんが脱走したことで、そのお父様も少しは懲りていればいいのだが。
ともかく、シャルロットさんも結構この旅を楽しんでいるようだし、穏便に済めば良いと思うのだった。
ヴェルデッタさんの、ライクルスへの様子が容赦無くなってきているが、結構気を許しているということではないだろうか。(そう思いたい…)
修練会に誘ってみたり、魔法について教えてもらおうと思ったのだが少し忙しい様子だったのが残念だ。
魔法については、アイザックと同じように感覚派って感じのようだが。
森の奥の泉にて、早速コトリさんに教わった事を試した。
妄想の中から、優先したいことを取り出す。
妄想の中には「願い」がある、意識しているにせよ、無意識にせよ、それが現実になればいいのにと願っている事柄がある。
それこそが、俺が魔法によって為したいことなのだろう。
その為に、まず「より魔法を使えるようになれば」と感じたときのことを思い出して――
というところで、ファラさんが泉にやってきて、魔法について話を聞くことが出来た。
ファラさんの取っている手段は、ライクルスが魔力回路を埋め込んでいるのと(手段としては)近いもので、腕に術式を刻み込んでいるようだった。
魔力を吸わせると邪神の魔力が返ってきて痛みがどうのこうの……簡単に説明してもらっただけでは、全くの門外漢である俺には中々理解が難しいものだったが、やはり力を得る「代償」を支払っているのだろう。
ただ、術式を刻むのはかなり手順が必要で、しかもすっごい痛いらしいので俺には不向きだろうとのことだった。
痛いのは困る。
ファラさんがその手段を選んだ理由としては、手っ取り早かったから、というが、どうも自分で選んだものではないらしい。
恐らくは、親、若しくは宗教上の上司のようなものに刻まれたのだろう(「より高位の魔術を使わせたかったのでは」とファラさんは言っていた「実験」とも)。
痛いのにはもう慣れたというが、独り立ちした今はその術式を剥がすかどうかはファラさんの自由ではないのか……と思った。
が、ファラさんにとってはもう体の一部のようなものであり、そういった考えを持たなくなって久しかったようだ。
当時はともかく今となっては、あって良かった、と言うのだから、やはり人生はよくわからない。
ファラさんは、俺に警戒されていることを気にしている風だった。
そも、ファラさんは所謂邪神教の御遣いだかなんだかであり、他者を生贄にしたりするような教義に基いて行動しているようだ。
この街の平和と秩序をそれなりに重んじている俺からすれば、それだけで相容れない立場の人間であった。(エルフだけど)
しかし、根っからの悪人という風ではなく、俺自身生贄にされかかったとはいえ笑って済ませる事のできるレベル……冗談を言っているだけ、そう考えることも出来なくもなかった。
だから、端的に言えば放っておいていた。
何か悪行の証拠が見つからない限りは積極的にそのことに干渉せず、友人・知人のように接する。
ただ少し、俺にちょっかいをかけると言うか、俺で遊びたがる節があったので、警戒の意味もあり普段から距離を取っていた。(親しく接してくるのが演技だったら目も当てられないのだから)
思えば、この中途半端な対応がいけなかったのだろうか。
そんな俺に対して
「この距離を保っていれば話をしてくれるという認識でいいのか」という言葉は、「距離があってもいいから話がしたい」という言葉は、悲痛な叫びのように聞こえた。
"話をしてくれる"だなんて。
"話がしたい"だなんて。
歳相応の女の子が、友達に言う言葉じゃないか。
腫れ物に触るように接している俺に、言っていいような言葉じゃないんだ。
此処で俺が「話すくらいならいいよ」と言えば、この関係を維持することが出来ただろう。
少なくとも、今ここでファラさんを傷つける事は無かったかもしれない。
しかしそれはとても不誠実で、とても酷いことのように思えた。
ファラさんの気持ちを大切にしているようで、ただ騙しているだけだからだろう。
友達面しておきながら、いざという時に平和や秩序、或いは秩序に属する人間関係の為に、ファラさんへと剣を向ける。
そんな事にならない為には、突っぱねるしかなかった。
突っぱねるしか無かったのだろうか?
都合のいい事に、ファラさんが変わってくれればと思った。
俺は変えたかった、何も壊さずに変えることが出来れば良いのにと、いつも願っていた。
それが魔法には出来るのだろうか?
少なくとも、今、この状況を変える手段が魔法にあるとは、俺には思えなかった。
ファラさんは「好き」とか「嫌い」といった単語を多く使っていた、主な判断基準はそこにあるのだろう。
しかし、今のことについては、ファラさんにもよく分からないようだった。
教えられるままに育った考え方と、自我との間で揺れているのだろうか?
俺に分かろうはずも無かった。
混沌の現実に耐えられないこと、一般に迎合出来ないこと、俺達はそれぞれの「代償」を支払っている。
個人が好きか嫌いかという次元を超越したところで、許せないことがあるのだ。
アイザックがベヒモスバーガーを食べているのを見て、一計を案じる。
普段、アンラッキーな感じのアイザックに、ラッキーな気分を味わって貰おうと。
食べ歩き1000人目なんて、全くの嘘っぱちなのだが、アイザックはラッキーな感じになってくれたようで何よりだった。
で、丁度アイザックが居た場所というのが「黒白書店」、そこには見知った顔が何人か居て、既に少しドタバタしているところだった。(俺はタイミングが悪い)
ここでは2つほど皆に話を聞くことが出来た。
1つは思い出すようなことでもないのだが、結果としてライクルスと共に、「アイザック、ジュリエッタ、ミカ、コトリ」をボコるリストに入れた(何人かとばっちりである)。
その話の中で、近いうちにアイザックが好きな人に告白するのだと聞いたが……上手く行きそうな様子ではある、果報を寝てまとう。
ついで、最近自警団の詰所が襲撃されたということもあり、再び修練会を開こうという話になった。
亜人狩りのときは、できる事を全てやろうと必死だったので恥も掻き捨てと行ったので、改めて開くのは少し恥ずかしかった。
しかし自警団としても街の人と連携や親睦を深めたいとの思いを知れば、断りようもない。
2つ目、魔法についてだ。
俺は魔力の容量が少ない。
持って生まれた資質なのかどうか、以前はまるきり無いくらいだったのだが、この街に来るころには少しばかりの魔法が使えるまでにはなった。
何がどうなってそうなっているのか、検討もつかないもので、此処は1つ魔法を扱う者たちの話を聞いて、それが道標になればと思ったのだ。
コトリさんからは、メディテーションという方法を教えてもらった。
瞑想法の一種で、目的を定めイメージし、願いを強く鮮明に保つためのトレーニングだという。
なかなか難しそうだ、と俺が言うとコツを教えてもらえた。
ごちゃっとした妄想の中から、優先したいことを選び出してイメージする。とのことだった。
俺が魔法によって為したいことを明確にイメージすることはきっと、それを達成する力(魔力)を高める要素となるだろう。
ジュリエッタさん(アイザックから「ジル」と呼ばれていた、ねこじるみたいだ)のところでは、「魔力は髪に宿る」と言われているらしい。
月明かりを閉じ込めたような金髪を見れば、魔力を髪に宿している日頃の様子も窺い知れようもの。
何とも美しい光景が目に浮かんだ(あくまでも想像です)。
それを切らなければならなかったとき、どれほどの苦悩があったろうか。
聞けば術士の才にはあまり恵まれず、様々な努力をしているようだ。
髪のこともその1つであっただろう、燃えたってまあ構わない俺の髪とは違うのだ、窺い知れぬものがある。
その他には、精霊や神と契約する方法を教えてもらった。
既に召喚獣達と契約状態のようなものにある俺には少し難しそうだとは思ったが、試してみる価値のありそうな話だ。
とまれ、信心が足りないので、対象は精霊だろうか、もう少しいろいろな人に話を聞いてみようと思う。
術士の才というか、戦いの才にはあまり恵まれなかったと言うが、そのなかで術士を選んだ理由(他に選びたいものがなかったと言っていた)とは、いったい何だったのだろうか。
ライクルスは魔力を限界まで使い、それを回復させることで絶対量を増やすという方法を取っているようだ。
筋肉を鍛える方法と同じなのだろう、体も頭も使うほどに鍛えられるのならば魔力もまた同じなのかも知れない。
これはすぐにでも出来る方法だが、俺には筋肉のように「使ったから増えた」という実感を得たことが無かった。
向き不向きがあるのかも知れない、だが魔力を空にする事は幾らかリスクがあり(その日の冒険や仕事を魔法抜きで行う必要があるなど)有効な手段には感じるが、少し考える必要がありそうだ。
他にはマジックアイテムの使用や他者との連携を取る方法。
これならば魔法の効果を高める事が出来そうだが、今の俺はどんな魔法を扱うのかもハッキリしていない為、もう少し後に考えた方が良さそうだ。
そして最後に、魔力回路を埋め込む、という方法を教えてもらった。
人工的に魔力の流れを制御する回路のようで、色々とリスクはあるが効果は確かなようだった。
(その中でもライクルスに埋め込まれているものは、さっと調べたくらいでは見つからない模様だったが)
これは中々大掛かりな方法であり、すぐには結論を出せなかった。
金も掛かるだろうし、リスクとリターンが釣り合うかどうか、確り調べる必要があるだろう。
もう少し話を聞ければと思う。
それと、亜人狩りで活躍した例の弓(結局直接見たことはない)は今は取り上げられてしまっているようで、新術を開発しているところだという。
術を他人に見せることは、例え味方にでもリスクのあることだが連携には欠かせない、お互いに開発が進んだころに、また話そう。
ミカはこの手の話になると、一歩引いてしまう。
そして一歩引いたところから俺達を見ている様子には、どこか。
訓練に誘っても、面倒だとか、向いてないからと言う。
だが、亜人狩りでのこと、ヨハネのこと、瓦礫地区のこと、ルラーグのこと……思うところはあるはずだ。
しかし、何かが邪魔をしている。
アイザックは、俺は感覚派だから教えられることはないと言っていた。
精霊の力だけを召喚したり、召喚獣としては不死鳥やペガサスを呼び出すことが出来るという。
もっとも、今は属性値が安定しない(?)とかで、難しいとのことだが。
聞いてみれば、もう少し色々出てきそうではある。
元は自分のためと思って聞いてみたものの、色々な話が聞けて面白いものだった。
黒猫の獣人さん(カッツェと呼ばれていた)は、魔法の教本を教えることは出来るが、と言ってくれた。
やはり獣人ではこの手の話題は難しいようだが、さすがに商売人といったところだろうか。
この日までに途中だった依頼を片付け、魔法の修行に集中出来るようにした。
魔法の師に教えを請いに行くのに、先日の依頼で得た報酬の半分近くを使うことになるが……それで得られるのなら安いものだ。
といって、その殆どが情報料のようなものであり、扱えるまで鍛えてもらえるということではなかったのだが。
夕方、川沿いの遊歩道にて、体を動かし魔法の修行をしていた。
瞑想をしている途中でコタロウが通りかかって(そのとき、頭に石が当たったような気がしたのだが…)、闘技場にて修練しないかという話になった。
コタロウは自警団の詰所が襲撃されたとき、その防衛に当たっていて、そこでマルスプミラという賞金首に辛酸を嘗めさせられたようだった。
マルスプミラは槍を扱うということで、それに慣れておきたいからと、俺が槍でコタロウと戦うことに。
正直なところ、俺には役が勝ちすぎているところがあったと思うが、なんとか共に対策を練られればと思い、承諾した。
闘技場で幾らか打ち合ったが、コタロウはどうも近づくことに固執し過ぎているように思えた。
確かにコタロウの持ち味は至近距離でこそ発揮されるだろう、しかし「近づくこと」そのものが得意なわけではない。
「近付かせずに戦うこと」が得意な相手には、少し分が悪いように感じた。
槍と戦うようにと考えれば、至近距離、コタロウの間合いだ。
しかし、コタロウは瞬発力は素晴らしいものがある反面、スタミナに不安があるようだ。
武器と戦っていては、戦闘が長引くかもしれない、まだまだ、考える余地はありそうだった。
どんちゃん騒ぎそのいち。
ライクルスの帰還祝いという名目であり、俺が知らなかったその経緯を聞くことが出来た。
その他はもう、楽しくしっちゃかめっちゃか。
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