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ダートラディアさんに会いに行った。
それは、ある提案をする為だった。
今まで何度か街で会ったり、共に戦ったり、修練会をやったりした結果、俺の考えたこと
それは「大会」をやることだった。
勿論、俺自身、大会をやりたくもあったし、というか出場したい気持ちもあった。
しかし何故ダートラディアさんにこの話を最初に持ちかけたのか……ということだ。
俺とダートラディアさんの考え方は違う、ある程度以上に仲良くなることは、結構難しい。
考え方の違いで、少し対立気味になってしまうこともある。
けれど、ダートラディアさんともっと仲良く遊べる人は何人も居るはずで、ダートラディアさんはそういう人を探しているように見えた。
修練会では「まずは誰とでも仲良くなるところから始めて、そっから趣味の合うのを探せ」と言うふうなことを言っちゃったものだが、どうも、それを言っただけで済ますには、勿体無いような気がしたのだ。
考え方が違うからと言って、嫌いという訳じゃあない。
むしろ、自分が出来ない分、仲良くなれる人が見つかれば良いなと思うのだ。
だから大会を開いて、多くの人にダートラディアさんを見てもらいたかった。
ダートラディアさんが仲良くなる相手としては、ある程度戦える方が良いのだと思うから、数ある手段の中で大会だった。
「当たる」可能性が高まると思った。
「俺が大会を開くから、出場して優勝してくれ。ついでにスポンサーも集めてくれ」
最初の協力者としたのも、この大会に対して思い入れを持って欲しかったからだ。
やはり、人の心を動かすのは本気の姿だからだ、チョット男を集めてくるから会ってみてくれ、というようなコンパではない、マジでやるのだということを伝えたかった。
もしかしたら協力して貰えないのではないかという不安(何せ考え方が違うのだから、完全に余計なお世話という可能性)もあったが、快く引き受けてくれた。
スポンサーのアテもあるという。
という。
というかスポンサーというか、ダートラディアさんの「オーナー」だというのには驚いたが。
(しかもそのオーナーから許可が降りるとは思わなんだった)
果たしてどんな大会に出来るかは、今のところ全く手探りではあるが……なんのかんの、準備というものは楽しい、特に何人かでやるものは。
雨の日、酒場で闘技大会関係の書類を整理していると、猫獣人のぼっちゃんがやってきた。
綺麗な身なりで、白い猫耳尻尾の銀髪少年、古い本を持ってホットミルクを注文していて。
劇のシナリオだとマスターと話すものだから、俺は席を移動してその話を聞きに行った。
何十年も前の本らしく、痛みが激しいのだがなんとか読んでいるらしい。
内容は踊るネズミの話で、劇場に住み着いたネズミが踊りを覚え人気者になる~といった話だ。
俺は劇が好きだから、その話を気に入ったものだが、この少年(シェリ君と言う)は劇を見に行ったことがないと言う。
じゃあ一緒に劇を観に行こう!と誘ったのだが、12,3くらいの子だ、今日出会ったばかりのゴロツキに付いていったとなれば親御さんも心配しようもの。
しかし次に会うときならば構わないというので、そのうち観劇しようと言って、その日は別れたのだった。
劇の主役は向いていないというが、お話が好きなら劇に出るのも、劇を作るのも楽しいだろうなと思う。
闘技大会開催に向け、闘技場の人との打ち合わせを行った。
そのついで、先日アイリスさんに教えてもらった魔力の扱い方の修練をしていたところ、闘技場に来ていたアイニィさんと出会った。
なんのかんの、魔力について話しているとヨハネもやってきたので、(色々と馬鹿なことを話してヨハネを困惑させるという遊びを散々行った挙句)近くに居たほうげん(何故か変換できない)を誘って修練することにした。
折角なので、アイニィさんを3人でボコってみることにする。
アイニィさんの持つ炎の魔剣、クレイジー・フレイマーは炎と付けば割りと何でも出来そうなくらい優秀な魔剣であるが、この雨の中3対1でどれだけ出来るものかと興味もあった。
ヨハネは相変わらず可愛い、どうやら装備しているアンクレットはかなりのレアアイテムのようで、ヨハネが魔法を使えるのは此れに依るところも大きいみたいだ。
何故か無料火葬に興味があるようだったが、その理由はわからなかった。
とにかく楽しんでくれていたようで何よりだった、俺もはしゃいで楽しかったし。
ほうげんは刀を扱い、符を介して魔法を扱うようだった。
まだまだ分からないことが多かったが、炎を出したり脚力を強化したりしていた、汎用性ではクレイジー・フレイマーに優るとも劣らないのかも知れない。
その後は、仕事があるというほうげんを除いた3人で飯に行ってたらふく食べた。
しかし今日は全く全く、良い勝負だった。
この日の俺はモンスターだった。
◯ッションモンスターだった。
とにかく、そういう仮装をしていたわけだ、ハロウィンだから。
そんな日に樽と錨亭に来たのは、仮装をしてハロウィン限定メニューを楽しむだけではなく、「樽と錨亭」がコルフォーティス杯のスポンサーになってくれるとの話を頂いたからだ。
曲がりなりにも、委員長なのだから出向いて話を伺うのである。
しかし、予定の都合上ハロウィンという樽と錨亭としても忙しい日を指定してしまったのは、全くもって愚策だと言わざるを得なかったが。
エマさんの話では、大会中の飲食物販売をやらせて欲しいとのことだった。
此方はスポンサー料と引き換えにその権利を売り、樽と錨亭は飲食物の売上で利益を得る、とそういうわけだ。
此方としても願ったり叶ったりな話で、2つ返事でOKをし、その日のうちに観客動員数の目標だとか、限定メニューの話し合いに移った。
食べ物も飲み物もないお祭り会場はつまらないものだ、誰も売りに来なければ、俺が自前で用意しなきゃならないところだ!(勿論それは不可能だ)
樽と錨亭には、他にも冒険者も何人か訪れて。
イグナイト・フェニックスというカッコイイ名前の何でも屋は、大きなカボチャを頭に被っていた。
その大きさたるや、かぶったままでは扉を潜れないほどである。
三十路で自由に生きている男で、ミスリルとオリハルコンの調達を頼まれた依頼では、別の硬い鉱石を持って行ったり。
餓死寸前だったために、格闘家に殴られ続ける依頼を請けたりしていたらしい。
なんとも、なんとも、とても真似できないという点では凄まじい生き方をしている人だ。
コールさんという、気のよさそうな冒険者も居たのだが、此方は仮装をしていなかった。
大会にも誘いたかったし、同業者として興味もあったのだが、時間の都合上すれ違って挨拶するくらいだったのが悔やまれる。
言い出したくせに、スポンサーなんて集めたことも無いのだから、どうなることかとは思っていたが。
動き出してみれば案外と何とかなるものなのかも知れない。
案ずるより産むが易し、と、いうことか。
まだまだ、開催の準備は順調とは言えないが、気合の入る出来事だった、大会が、自分の気持ちの中のものだったものが、実現可能なものだと信じられた。
この日はライクルスとミカの誕生日会だった。
ラファティ君がラファ子ちゃんになっていたり、甲斐性についてじっと考えてみたり、小さな贈り物のプレゼント交換をしたり……。
色んなことをして色んなことがあって、色々と話して。
闘技場での馬鹿騒ぎも、酒場での宴会も、どちらも良いものだ。
パンプキンガールの声も聞くことが出来たし、とても良い日だった。
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