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この日はとても運が良かった。
森の奥の泉を訪れると、ヘレンさん、コタロウ、ナツメさん、ニンジャ……イヅナさんが話をしていて。
ナツメさんにホームパーティの話を聞いたり(大盛況だったようだ!)
ヘレンさんは少しずつ自分を許せるようになっていたようだったし。
良い話を多く聞くことが出来た。
その間、何度か危険な生き物に襲われかけたのだが、その度にコタロウが気付いて追い払ってくれた。
最終的には高値で売れるMUKADEを手に入れる事が出来るなど、とてもツイていたと言える。
しかし何だか、コタロウは対照的に浮かない顔をしてヘレンさんに睨まれていた。
きっとカティさんの解毒はアイザックがやったと思っていたのだけれど、コタロウだったのか……。
草原で、遂に本物のニンジャと出会うことが出来た。
でもよく考えたら、イヅナさんは女性なのでくノ一だった。
イヅナさん曰く、ニンジャにも種類があるらしい。
斥候・暗殺を行う「隠忍」
陽動・囮などを行う「陽忍」
イヅナさんは後者だと言う、それと城を守るニンジャの上司は殿だそうだ。
オヤカタサマー!は何を守っているニンジャの上司なのだろう。
イヅナさんはニンジャらしく分身の術を見せてくれた、やっぱりニンジャは凄い!
と、本物のニンジャに出会えて大盛り上がりだったのだが、その場にはもう一人、ラピスラビットという学生が居て……。
あまりにニンジャについて盛り上がりすぎて蹴飛ばされた。
幼い頃から武術の心得があり、好奇心旺盛な様子から、イヅナさんに「良いニンジャになれるかも知れない」と言われていた。
う、羨ましくなんてないし……。
川沿いの遊歩道で体を動かしているところに仕事中のサリアさんが通りかかって、少し話をした。
サリアさんはリヤカーを引き、見たことのない橙色の制服を来ていた。
聞けば、「補給部隊」というのに異動となったらしく、各詰所などに備品などを運んでいるようだった。
詰所で事務仕事をしている人達の、更に裏方という地味な仕事だと言う。
しかしそれでも、誇りを持って励んでいる様子を見ると、やはり真面目で明るい子なのだなと思うことだ。
しかし石造りのリヤカーを作成するスポ根ぶりは何ともかんとも。
今まで修練をしていたと言う俺を試すなど、やはり前線……というか勝負が好きなのだろう。
そう聞いてみたところ、目の中の炎を燃え上がらせながら答えてくれた。やはりスポ根だ。
熱血教官として自警団内で名を馳せるのも遠い未来ではないかも知れない。
宝探しから暫くは、報酬の使い道を考えたり、たかろうとする者達から逃げたり奢ったり。
夏祭りの日取りを間違えたり、占い師の真似事をやったり、暗黒相撲界と激しいバトルを繰り広げたり。
この日は、川で剣の手入れをしていた。
そこでルトナさんと偶然に出会って、少し話をした。
ルトナさんは、例のリタ婆さんと昔馴染であったようでパーティを組んでいたと言う。
(リタ婆さんはこの道40年だそうだ妖怪までの道のりを折り返した)
話しながら、ルトナさんが釣りを始める。
曰く下手の横好きだそうだが、自分の意志で自分の好きな事をやっているから良いんだそうな。
望まぬ方法で儲けた100万Gより、自分の意志で稼いだ1Gが良い……自らを以って由とする自由が彼の信条のようだ。
自由の、本来の意味と感じる。
冒険者らしい冒険者と言うか、旅人らしい旅人と言うか。
俺の目指すものの1部を持っているようにも思えた、きっと何があっても自分で選んだことだからと、後悔をしないのではないだろうか。
権利だとか何だとかでなく、己の中にある自由。
釣りのことから趣味の話になり、音楽が共通の趣味だということが分かった。
そのうち2人でセッションをしようということになり、デュオ名を「プチ・リブレ」とした。
丁度自由の話をし、近くに川があったものだから。
ペティットの川、小さな自由、そういった意味で名付けたが、ルトナさんも存外気に入って下さってようで何よりだった。
ルトナさんの昔馴染の1人は、今はこの辺りで畑をやっているのだと言う。
冒険者を辞める、というヴィジョンを俺はまだ抱くことは出来ない。
一体、どういった気持ちの変化があったのだろうか。
空賊の頭目「ブラックマン」と共に、古代文明の宝が眠るという島に向かった。
俺達は、遺跡の鍵である"星剣"の1振りを手に入れていたものの、島の場所はわからなかった。
そこでと言うか、星剣を提供する代わりに島へと連れて行って貰う運びになったわけだ。
宝の取り分は冒険者全体で3分の1、良い話だ。
遺跡を探索するメンバーの中には、先の山賊討伐でパーティを組んだアイニィやシャイルさん、ライバーさんの姿もあった。
その他には、リースさん、魔法使いのバルタザール、冒険野郎らしいリタ婆さん、ロボルザークをつれたペトルーチカ(どっちもサイボーグ?)が居た。
古代文明の遺跡は、どうやらその文明の神を祀った神殿のようだった。
遺跡の内部へ入っていく為の道は星剣によって開かれるらしい、星剣も道も3本あり、1つは海賊や馬賊が先行してしまったようである。
残り2つの道を、それぞれブラックマン達空賊と、俺達冒険者が別れて進むことになったのだった。
星剣を神(主神像だと思われる)に差し込んで隠し通路を開くのは、またとない体験だった。
神殿の内部、通路も扉も、スケールが大きかった。
巨人が作ったのかと思うような遺跡、ほぼ完全な状態で残っていることは、素晴らしいことだ。
最初の扉を抜けた先は、暗く冷たい空間だった。
足元に冷気を纏い視界を奪うガスが充満していて、明かりもない。
ガスは足元の床のないところを隠していたようで、警戒しつつ進んでいたお陰で気付くことが出来た。
その先には61もの扉(頑張って数えた)があり、そのうち60はフェイクだったと思われる。
この扉のことについては詳しいことは分からなかったが、虱潰しに開いた結果、一番大きな扉の先に道が続いている事がわかった。
(残りは元の場所に戻るような魔法がかけられていたようだ)
しかし、その扉の中は冷気を纏ったガスが充満しており、視界はゼロ。
そこで熱探知の出来るアイニィと、レディをエスコートする事に余年のないシャイルさんに先に進んでもらう。
俺たちはロープを伸ばし(此方側の端はパワーのあるロボルザークに持って貰った)、先の道を確認して貰った。
そうして先に扉がある事を確認して貰ったのち、全員でそこへ向かった。
扉の先では神像達に襲われたのだが、この神像達は破壊する以外には、それぞれが形取る神を順番に並べれば停止するように出来ているようだった。
バルタザールが可愛いとか、ペトルーチカの戦いが重量感溢れてカッコイイとか、リタ婆さんマジ俺の婆さん(女は50過ぎてから!)とか。
今回も、前回と違い1日のことだけれど、道中メモが欲しくなるようだった。
次の部屋の仕掛けも突破すれば、遂に宝のある部屋の前まで辿り着くことが出来た。
そこでは既に、ブラックマン達がキャプテンドリルや馬賊の頭領達と激しい戦闘を繰り広げているところだった。
そこへ俺たちも踊りこみ、2本の星剣を確保して宝を得んとした。
リタ婆さんがブラックマンから上手いこと星剣を借り受け、俺が馬賊の頭目の持つ星剣を弾き飛ばした。
(その動きを見て、リタ婆さんが連携を取ってくれたのは流石としか言い用がなかった)
アイニィさんのクレイジーフレイマーは変化に富み、本人の技量と相まって奇襲性が高い。
自身へのダメージよりもカウンター等、反撃を重視するので見た目危なっかしいのだが、リースさんやバルタザールの支援魔法があれば百人力。
山賊退治のときもそうだったが、なかなかどうして支援魔法と相性が良い。
キャプテンドリルは、ブラックマンが相打ち気味に押さえ込んでくれた。
馬賊の頭目は此方のパーティと戦闘になり、その妖怪じみた力を存分に発揮していた。
ペトルーチカの腕を(機械?のようだ)吹き飛ばし、背中を攻撃した俺の手首をその反動で痛めさせるような力量の持ち主。
どれだけ炎に焼かれようと、100年の昔から続く執念はマグマのように燃え上がっており、遂に本物の溶岩の中に沈むまで消えることはなかった。
宝物庫として使われていた場所は、閉まっているうちは室内をマグマで満たしており、宝物はマグマでも溶けぬ結晶の中に閉じ込められていた(衝撃には弱かったので取り出すことは出来た)。
馬賊の頭目が欲望に身を焦がし、宝物庫に飛び込んだところを閉じ込めることでマグマの中に沈めたのだった。
妖怪じみた男とは言え、やはり人の身か。
再び扉を開けた時には影も形も無くなっていて、残った宝を皆で分け合った。
こうして、俺達からすれば海賊船から星剣を引き上げた日から始まった。賊達からすれば100年の昔から続く激しい戦いは幕を閉じた。
結果としては、ブラックマン率いる空賊と冒険者達の連合軍が古代のお宝の半分ほどを分け合ったことになる。
賊というのも毎日毎日こんなことをしている訳では無いだろうが、出来れば賊にはなりたくないな。
お宝は良いものだが、冒険者でたくさんだ。
この騒動は、俺の冒険者としての経験の中では久しぶりに大きな出来事で、大きな実入り(お金の面でも、パーティの面でも)もあった。
海賊船や古代の遺跡で宝探しをするのは、実に心躍る体験だ。
しかし1番は、昔は先輩冒険者にくっついているばかりだった自分の変化を感じることが出来た事が大きかっただろうか。
今であれば、その先輩方にも胸を張って会えるだろうかと考えれば、答えは「まだまだ」だろうけれど。
自分なりに、身の丈にあった変化をしていると感じた。
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