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6人でバトルロイヤル。
こうやってワイワイ戦うのも、やはり面白いものだ。
ナタリーが持ちかけたバトルロイヤルの提案だったが、ナタリーと俺を含めて最終的に6人が参加となった。
中々面白い提案をするというか、ナタリーもこういう事が中々好きなようだ。
試合の中では剣を交えなかった(サロメに消し炭にされてしまったようだ、哀れナタリー)が、この街で元気でやっているようで何よりだ。
サロメ、エルジュさんとも戦いはしなかった。
サロメは相変わらず炎の魔術でバカスカと暴れていたよう、当たらなくて良かった。
最終的にはエルジュさんに接近を許してしまったのか、手痛い一撃を受けて脱落。
しかし凄い威力、魔物の住処をどうこうするときなんかは大活躍だろう。
エルジュさんは素早い身のこなしで勝ち残っていて、最後にフランセットと一騎打ちとなったようだ。
サロメを医務室に運んでいたので、結末は知らないが。
クレインさん、フランセットとは刃を交えた。
クレインさんのカウンターからの一撃離脱というのは追わされると非常に面倒な部類だ。
しかし此方が待ち構えると十分に力が発揮できないのかも知れない。
(困っているように受け取れる瞬間があった)
状況によって強さが変わってくる戦闘スタイルなのだろうか。
ディターラヴィフの使っていたナントカステップのような魔法を用いることが出来るようだ。
フランセット・レールヌージュと名乗るドラゴニュート。
王者の振る舞いも流石と言うような高いポテンシャル、そしてかなり戦い慣れているように思えた。
身の丈程の大剣を片手で扱う程のパワー、その強靭な肉体から来るスピード(身軽だとかアクロバットとかそういう事ではない。)
ペティットに獣人は多く居るものの、こういったタイプは他にヒューが思い浮かぶくらいだ。(勿論、名を知っている者の中ではだが)
こうなると、生身で熊を相手取るような気分がする。(しかも剣での戦いに慣れている!)
魔法も無しに剣一本では敵いそうもなかった。
このままだと勝機はあって5%だ。(希望的観測をして5%だ)
そこそこやって来られたからこそ保留していた問題だが、考えどきなのだろう。
鞠乃さんが勤めているお茶屋「淡桜」に立ち寄った。
一階は洋風のカウンターバーになっていて、二階はお座敷…という少し不思議なところだ。
和洋折衷…いや、少し意味が違うかな。
酒場よりは落ち着いて飲めるような雰囲気で、メニューは和風のものも多かったような気がする。
俺が訪れたときには、ロイアリスさんを初めとして数人の客が居た。
ロイアリスさんがミケイラという冒険者(? 秘密だと話していた)と口喧嘩をしていて(主にミケイラが吹っ掛けているように見えた)…。
その顛末はと言えば、特に何事も無く終わった。
酒場でなら、良く見かける程度のものだ。
ロイアリスさん、雨の日で調子が悪いようだった。
目が痛いと言っていたけれど、契約と何か関係があるのだろうか。
そんな日に(そんな日だからかも知れないが)喧騒に巻き込まれるとは不運なことだ。
水竜を嗾けられても、場所を考えて手を出さない辺りは、長命の余裕だろうか。
フランソワさんとはやはり、他の人間に比べて仲が良いのか笑顔を向けているところも見えて…。
こんな日に、一緒に帰る人が居て良かったのではないかと思う。
ミケイラと名乗った女の子。(20いかないくらいだったと思うが)
去る相手に「夜道に気をつけろ」とも取れるような雰囲気で声を掛ける。
次に会ったときは…。
本性を隠している事を楽しんでいるような言い回し。
ともあれ、奔放で、冒険者仲間としては付き合い易い様子ではあった。
どこかで喧嘩でもしていやしないかと心配にはなるけれど。
シャイルさん…身なりの良い、貴族の出だという男。
魔法の曲を奏でる楽師で冒険家。チェロケースを持っていた。
ライトンングとは仲が良い…というか、身分が近いだけに通じるものがあるようだ。
女性とスリルを好む…一族の中ではやんちゃなのだろう。
ロイアリスさんの事を心配しているのを、一度は主義だからと言ったものの…その本心は掴みきれていないようだった。
ライトニング君、と書きたいくらいに若さに溢れた騎士。
口喧嘩を止めようとしたり、調子の悪そうなロイアリスを心配したりと忙しそうだった。
ロイアリス、シャイル、ライトニングの3人は少し前から知り合いだったらしい。
傍から見て身なりの良いトリオだ。
後からフランソワさんも来て、身なりの良いのが4人になったが…
このバーはそこまで高級店という訳でもない。
フランソワさんは何かこの店に用があって来た風だった。
雨の日に自分で傘を差して…今日は従者さんはお休みのようだ。
ミケイラに何か牽制をしたように見えた、何ぞ有名人だったのかも知れない。
ロイアリスさんと一緒に帰るなど、(どっちが先に産まれたのか、俺にはまったく分からないけれど)可愛がっている部分があるのかもしれない。
姉、または妹のように。
ダンジョン競技会に出る為のメンバーを揃えたいところだ。
それに、情報収集もある。少し忙しくする必要があるかも知れない。
ティルカニアとワイバーン乗りの方(名前を聞きそびれた!)が広場の掲示板前で「すずめのお宿」について話していたので混ぜて貰った。
ティルカニアが「すずめのお宿」、カルディアの叔父叔母がやり繰りしているところに泊まったらしい。
中々の偶然だ。
その後、ジュリエッタさんもいらしての会話、主に、商店街の裏通りでのことについて。
矛盾に次ぐ矛盾、みっともないな、俺は。
もうなんだか、しっちゃかめっちゃかだ。
心の整理が付かない分けではないけれど、この日のことをスッキリと纏めることは出来ない。
ワイバーン乗りの方。
大きな袋に野菜など晩御飯の材料らしき物を持って。
俺はこの人のこと、モミの木広場でのお祭りのときワイバーンに乗っている姿で見たことがある。
この人は、俺の事をスイカ割りの件で知っていたみたいで。
お互いに。「おや?」と言った顔から入った。
見た目に相応しいような、カラッと気の良い人のようだ。
しっかりと鍛えられた肉体と所帯染みた…というと聞こえが今ひとつだが、非常に良い意味でだ。
身を固める、という単語は、こういう意味なんだなと思えるような。
あんなに沢山食べ物を買って帰れるというのは、それだけで幸せだと思う。
(俺もこの人の倍くらいの量を買って帰る事もあるが、それは冒険者仲間達の渦潮のような胃を満たしてやるようなときだ)
ジュリエッタさんとティルカニアと俺は、今日はなんだかジャンケン…3竦みになっているかのようだった。(恐らく今日だけ、或いは近いうちまでのことだろうけれど)
しかしこの二人、仲が良いのかと聞けば同じリアクションをするし。
見ていて少し面白いところもある。
「喧嘩するほど仲が良い」なんて言おうものなら、二人から怪訝な顔で見られそうだとか、そういうところ。
ティルカニアにはこの日の事で本格的に苦手に思われただろうけれど、それで良いと俺は思う。(「俺は」)
気を使って控えめを演じても、遅かれ早かれ、君は俺に不信を示すだけだろう。
最初から地で行く方を選択したまでだ。
君が俺に毒を仕込むというのなら、むしろ歓迎するくらい。
(でも夜道で後ろから刺すのはやめてね、前からも駄目だ。鈍器はギリギリOK。むしろこの日はティルカニア、毒を喰ったような顔をしていたが)
色々と思うところはあるものの、他人への接し方なんて、曖昧で、移り気なものだ。
論じられる事じゃない、なるようになるだろう。
ジュリエッタさんは、以前の事を謝った。深々と。
あの手の動きから想起させられる場面、血の気が引いてしまい、途中から何を言ったかということも忘れてしまいそうだった。
周囲に人が居るという意識が無かったら、どのようになっていたか。想像もしたくないほどだ。
(最低でも、元気そうな姿を見て一度。手の所作を見て一度。深いお辞儀を見て一度は不審に思われただろう。人が居ようと不審だった最後のを数えて計四度)
元気そうで何よりだと思ったけれど、その本人から想起させられよとは。
今思えば、気丈なこととも笑えるが。
後頭部も見えんばかりの礼を見ると、どうして謝らせてしまっているのだろう、という気持ちになる。
自責の念や後悔、望むビジョンを手に入れられなかった事へのフラストレーション。
けれどジュリエッタさんはそうすると決めていたのだろうし、俺は見ている事しか出来なかった。
その後の言葉で、俺は自分がどうして辛いのかが分かったような気がした。
ありがとうの一言に纏めきれるものでは無かったけれど、この時はそれしか言えなかった。
涙も溢れんばかりだったけれど、このときは目まぐるしくて(ティルカニアの前だったし。俺は見栄っ張りだ)その事はバレなかったみたいだ。
纏まりが無いけれど、矛盾についても自分の為に触れておこう。
ティルカニアとジュリエッタさんに対する接し方の矛盾。
今回は話に上らなかったが、俺の中では無視出来ないものになった。
その原因である恐怖、それが何処から来るのかも分かっているのだれど…。
年中一定の雪の降っている神殿。
ティルカニアの話で来るのが先かと思っていたが、偶然依頼があり訪れる事となった。
依頼自体は簡単なもので、特筆すべき事も無かったが。
気温は高いと謂えど、雪は冷たいもので。降られっぱなしも寒かったので休憩しようと、神殿を訪れた。
そこに居たのはロイアリスというエルフ(見た目は12歳くらいだけれど、千年単位で生きているらしい。驚きだ)祭りの日、裸足で歩いていたあの子だ。
千年の時を生きると言って仙人のようであったり(誰もが千年生きれば仙人のようになる分けではないと思うが、それでもロイアリスさんはそれなりに幼く感じるところもある)しないのは、長い間閉ざされた生活をしており、最近になって街へ出るようになったからのようだ。
人ごみに流されながら(最終的には抱っこして貰ったらしい)買った黒のハイヒール。
歩きなれない内からハイヒールなんて!と思ってしまうのは、やはり悪い癖か。
歩けと言いたくない、言ってはいけない事では無いのだけれど、恐ろしい。
それをさて置いても、やはり色合いはドレスに合って似合っていると思った。
自分の美的感覚も、及第点にはあるのだろうか。いや、自明の事柄を言い当てただけかも知れない。
ロイアリスさんの昔の話を聞かせてもらった。
もっと早く、訊いても良かったのだろうけれど。
どうにも過去の事を聞くのを躊躇ってしまって、半ば破れかぶれに問い掛けて。
踏み込むこと、分を守ること、どうしたら上手に出来るだろう。
今日も試行錯誤。
ロイアリスさんの長い生にとって、18歳のとき、というのは大きな転機だったようだ。
炎に包まれた過去。
そんな昔の事を俺に責められる筈も無い。そんな事が出来るのは、当時の者達だけ。いや、何年前であっても同じ。
彼女の話し振りから、長い時を森で過ごしている間に、そのときの事を乗り越えているように感じた。
そして今、再びそのときのような転機、変革が起ころうとしているという。
森を出て人と接すること。
きっと大きな変化、ロイアリスさんの不変の多くを破壊して、再生させるかもしれない。
それは18のときのように、彼女が齎すのか、誰かによって齎されるのか。
どちらにしても、今度は、その変化の後で森に隠れて暮らすようにならなければ良いなと思う。
コラールでの依頼の帰り、川で一休みをしていた。
俺はこの川で一休みというのが非常に好きで、つい寄り道をしてしまう。
三角獣と水を飲んだり、笛を吹いたり、剣の手入れをしたり…まあ偶には昼寝をしたりとか。
しかしこの日は別の生き物の気配があって、コラールで貰った報酬を狙った者かと思った。
でもそれは勘違いで、コラールで貰った木の実のパイの匂いに誘われた犬だった。
人の作った料理の匂いに誘われたところだとか、鼻を擦りむいているだとか、毛に枝葉が沢山ついているだとか。
普段は街で飼われている迷い犬に違いないと思い、連れて戻ろうと思った。
なかなか此方へ来ないので、偶々通り掛ったネージュに犬を連れてきてもらう。
犬におっかなびっくり触れるネージュが面白い。
手ばかりをこう伸ばして捕まえようとするだとか、背後から忍び寄ろうとするだとか。
犬が匂いを嗅ぎに鼻を近づけて来たときなんか…。
あまり犬と触れ合うことが無かったのかも知れない。
馬には非常に慣れているだけに、少し意外にも思えた。
でも、犬もそんなネージュが気に入ったらしく、すぐに仲良くなったみたいだった。(お手もできた!)
ネージュと、その犬と、二人と一匹でコラールのおばさんから頂いた木の実のパイを食べた。
ネージュも旅人だし、手掴みで良いかな、とサボっていたらフォークを探すネージュ。
やはり良いトコのお嬢さんのようだ。
「ネージュ、こういうときは手掴みで良いんだよ。」
と言っても良かったのだろうけれど、なんだか恥ずかしくて渡してしまった。
そんなこんな、忙しくして、ようやくゆっくりと再会を喜び合った。
すっかりペティットに沈没してしまっているけれど。(随分前に旅人と名乗るのをやめている。暫く此処で冒険者をするつもりだから)
それでも旅人は旅人、ずっと此処に住むと決めた訳でもなく、ちょくちょくと小さな旅をすることだろう。
共通の中継点で運良く会えた事はとても嬉しい。
お土産をあげたら、予想外に喜んで貰えて…あげたこっちが恥ずかしいくらいだったけれど。
ネージュはちょっといないくらい良い子で、話しているだけで気の休まるようだ。
それだけに一人旅は少し心配。
けれど、旅先で出会う人達も親切にせずには居られないだろうな。
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