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闘技場で体を動かし、その帰り際に何人かと言葉を交わした。
不思議な。奇妙な。
俺から見れば、どうしてもそんな形容詞を頭に付けてしまうような女の人。
少し年上、日差しの強い土地を伺わせる程度の肌。奇抜な髪の色。
危うさ。
この人の話し相手となるには、俺は真面目が過ぎるだろうか(一般的に真面目過ぎるという事もないとは思うが…)と心配になってしまう。
ただ、酒瓶と鉄パイプを持った姿。
あの脱獄囚の両手が自由だったらこんなものを持っているかな、と思ってしまうくらいには―。
ダートラディアさん。
闘技場で戦っている姿は見たことがあるが、常日頃からという訳ではないようだ。
目的に合わせた場所へ行くようで、今日訪れたのは偶然のことだったろうか、俺は急ぎだったのでこの位しか聞けなかった。
フランセットとはそのうち手合わせのつもりはあるようだ、どうにか、その様子を見ることが出来たらなと思う。
が、さすがに果し合いでもない、偶然起こってしまったら仕方なしだ。
そのときは、どちらが臨場感良く克明に語ってくれるだろうか?と考える。
森の入り口でヒノト、ミケイラと出会い、話した。
ミケイラとはダンジョン競技会以来だったが、少し見ない間に競技会の事など忘れてしまったかのようにやんちゃガールっぷりを回復していた。
(そもそも、競技会を経て変わったと考える方がおこがましいのだが…、彼女に競技会を競技会として楽しむような気持ちがあったのは確かだろう)
ヒノトにも吹っかけていっていたし…共に競技会に挑んだ仲間としては無益な争いは起こして欲しく無いけれど…。
久しぶりに会えたのでご飯に誘い、話をすることにした。
喧嘩も回避出来るし、一石二鳥か。
ヒノトは賞金稼ぎで、度々自警団の厄介になっているミケイラの顔に見覚えがあるようだった。
しかし俺もミケイラがこの街で賞金首となっているか確信が持てなかったので誤魔化して置くことにした。
こんなところで、賞金首対賞金稼ぎになったら、どちらに加勢したものか。
「今度」があったらどうなるかは分からないが、今日のところは別の仕事もあるようで、森へと入っていった。
今度ご飯に誘おう。
いつか裏通りで出会った男(これから仕事だそうだ、夜行性というか、昼夜逆転した生活というか)と、知り合いらしい女の人とも出会ったが殆ど話をしなかった。
晩御飯としては高くついたが、再会の宴としてはまずまずだろう。
カルディアが森で弓の練習をしているところに出会った。
昼前から、お昼ご飯を食べるのも忘れて取り組んでいたらしい、熱心だ。
同じく通りがかった賞金稼ぎのヒノトと三人で、おやつ休憩をすることに。
カルディアが弓の腕前を鍛えている理由は、稼ぐ手段を増やすため、守られっぱなしで居ないためだと言う。
知り合いと一緒に依頼をこなすのが夢だなんて言われてしまうと、一層応援してしまう。
弓の当てでも、探そうか。
ヒノトに弓を扱わせてみるなど、見ていて飽きない明るさだ。
しかし、そんなカルディアにも天敵が居たようだ。
クロア、なんとなし、似ていると思っていたがどうにも同郷のようだった。
昔酷い目に合わされていたとかのようだ…ペティットで再びとは、腐れ縁という奴だろうか。
しかしクロアも、カルディアを楽しくいじめていたらロイアリスから焼き鳥どころか消し炭にされかねないだろう。
大丈夫だと良いが。
ヒノトは賞金稼ぎの男で、竜の獣人だと言っていた。
右腕がなるほど竜のようであり、弓を扱うのには向いていないようだった。
カラッとした感じの男だと思ったが、賞金首の事情に肩入れするなど人情味溢れるところもありそうだ。
だが地獄を信じていないとも言う、好きなように生きているのだろう。
所謂、風来坊のような…「にーちゃん」といった感じだ。
最近ペティットに来たというし、また会う機会もあるだろうか。
好きに生きている者のこと話すのは楽しい、俺の予測しない答えが返ってくる可能性が高いからだ。
他人の考えで生きていない者は、どのようであれ、美しさがあると思う。
近頃は色々と片付けたかった事もあり忙しくしていた。
普段ならば比較的直ぐに治る怪我が中々治らず、お陰で効率が悪かったせいも多分にあった。(その過程で余分に怪我をしなかったのは良かった)
なので、この日酒場に行ったとき。広場が賑やかだなと思いながらも立食パーティの事を知らなかったのは、無理からぬ事だったということにしておこう。
その失敗を嘆いていると、ジュリエッタさんがいらして酒場のマスターからお菓子を受け取っていた。
教会の子供達とのハロウィン用のものだったようだ。
一個頂いた、今年最初で最後のトリートだったかも知れない。
ジュリエッタさんは仮装をしていて、猫耳フードだった。
ジニーさんに作ってもらったという。お友達だろう。
(聞いたことがあるような愛称だが、ジュリエッタさんの口から出たのは始めて聞いたように思う)
少し恥ずかしそうだったが、それも多少のことで…。イベント事も結構楽しんでいるようだ、感情が表に出にくいというか、表情筋の発達していないタイプというか。
(そういえば、あまりにこりとしている所も見たことが無かった。無表情系キャラでないだけに、今更気づいてしまった感があるな…。)
プレゼント交換をして、明日のハロウィンを楽しみとした。
途中でクラフさんもいらっしゃった。
どうやら此処最近は仕事の付き合いで飲む事が多いらしい。
顔の広い人は大変だ。
冒険者間の飲みなどもあるが、此方は街のイベント事とはあまり関係が無いので関係が無かった。
プレゼント交換を申し出たところ、用意が無いようだったけれど工面して貰った。
と言うのも、この人なら何も無いところからでも「プレゼント」と名の付く物を捻り出せるのではないかという偏見から来ていたのだが…本当に出た。
しかもそのとき使っていたペンまでオマケして貰ってしまった。
どんなイケメンだ……と思ったらクラフさんだったから仕方がなかった。
リフェリス見ておけ、これが本当の「たらし」たる実力を持つ者さ…。
(本当に「たらし」かどうかは自分の目で確かめて欲しい)
ハーバーライトはクラフさんの店だそうだ、シアターだけではないと知っては居たが、喫茶店だったとは。
しかし言われてみれば…である。
話の弾みで、個人的に何か下さいと言ったら、鴉の件が終わったらペンをと提案される。
個人的なご褒美にしては一杯奢られるのよりずっと良い物だ、成果が上がると良いのだが。
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