[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
コラールの村での依頼がキャンセルとなって、旅の行程を繰り上げてペティットへと戻った。
海辺でバーベキューや花火の告知。
モルンニアでさんざキャンプの光景を見てきた後だ、興味をそそられる。
主催者はいつか、蟹を取り合った子(ソラ)のようだと分かり、向かった。
主催者のソラと沢山の参加者で肉を焼いて食べ(フジヤマゲイシャドラゴン(山ほどもある大きさだとか?)の肉だそうだ)て、花火をした。
途中ちょっとしたトラブルを起こしてしまったが大事には至らず、旅に出るというソラに皆がエールを送って、楽しいうちに幕を閉じた。
アスカ・ブルードラゴンは冒険者志望の女の子。
誰とでもすぐに仲良くなってしまいそうだと思うほど、気さくで明るい。
あまり妙なニックネームでは呼ばないで欲しいものだけれど、冒険者の先輩として敬われるように頑張ってみるか。
20日に砂浜に埋まる約束をしてしまった。
人間スイカ割り、生きて戻れるだろうかな。
ソラにアタックしていたようだ。また会えると良いな。
オレンジ色の髪の少年(ミカン君と呼ぶことにする。アスカに彼がミカンで俺がその葉っぱのようだと言われたから)で、ポーアさんより歳が下に見えた。
元気の良い子で、彼とアスカが居たことで場がとても盛り上がっていたように思う。
お肉を非常に美味しそうに食べていた、今度何か食べ物をあげたいと思う。
やはり食べっぷりというのは重要だ。
マリノ(鞠乃と書くらしいとは、アスカが聞き出していた。そういえばアスカも「明日香」だと言っていたっけ)さんはレウリアに似た狐の獣人。
そういえば、顔立ちもどことなく似ている気がするが…。
生まれ育った文化が違いそうなので、姉妹ではないのかも知れない。
大らかそうな人だ。
物腰柔らかというか優しそうな印象。居ると場が和む。
着物を着ていて、芸で身を立てていて、肉が好きで、小さい「ァィゥェォ」が言えなくて(それにしても「ティルカニア」が「てるかねあ」になるのはどういうことなのだ)…他にも色々と、まあ、面白い人だ。
ポーアさんは実に愛らしい、以前見たときよりも僅かに大人びて見えたが可愛いったらない。
娘か妹に居たら良いなと思うけれど、本当に妹だったらきっと他の誰にも渡したくなくて大変だろう。
他人故に気兼ねなく接する事が出来るところもある。
肉を焼くために炭へ火を移すのを手伝ってくれた。
慣れない事だったろうに頑張ってくれたし、皿を用意するなど働き者で大活躍だ。
ソラが旅立つと聞いて寂しそうだったが、笑顔で送り出していた。
きっとまた会えるだろう、会いたいと思えるような。
横から見ていた俺でさえそう感じた。
カルディアは雀に似た鳥の獣人。
来てすぐは少し緊張していたみたいだけれど、直ぐに打ち解けていた。
鞠乃さんと仲が良い他に、可愛いものが好きみたいだ。
殆ど間違ってお酒を飲んでしまったようで、弱かったのか酔っ払って少しおじさんめいていた。
元々、サバサバした性格ではあったみたいだけれど。
色々正直になってしまっていたようだ、言及しないでおこう。
素の自分で行け!とアドバイスを貰った。そうしよう。
ついでに絵が上手で、俺がボコボコにされた絵を貰った。
メーデルさん。商店街でドタバタした中、会って以来だろうか。
改めて自己紹介をしてくれたし、ロケット花火を暴走させてしまったくらいでお詫びをしたいと言ったり、ソラにも何事か謝っていたようだし、律儀というか…。
鞠乃さんがソラを気遣ったり、落ち込んだ鞠乃さんをメーデルさんが励まそうとしていたり、皆でソラの為に花火が無くならないように待っていてくれたり。
優しい人が多い。
ふわふわとした印象で、鞠乃さんと二人で喋らせていると何がどうなるかわからない、といった恐ろしさがある。(いや、害はないのだけれど)
あとお酒に強いようだ。
お詫びされるような事もされていないので、お客さんとして、お店には行こう。
ソラ。今日の主役。
川での出来事が心に引っかかっていたので、旅立つ前に会えたのは良かった。
のら猫みたいな子だ。
此方から近づいていくと警戒されてしまうようだった。
普段なら近寄ってくるまで待つが、今日だけと思えば勇気も沸く。
(これが一期一会の精神だろう、いつでもこれきりと思い、一度一度を大事にしたい)
仲良くしたいのかと心配そうに聞かなくても、川でもそのつもりだったのだ。
グーで殴って貰えて良かった。(と詳細書かずに書くと妙だが)
パーでと言ったのはフリだったのだから、上手に拾ってくれたソラに拍手。
(パンチそのものも上手でちょっと大変だったが)
オーロラを見たいと言っていたし、北へ向かうのだろうか。
旅が良いものになることを祈ろう。
霧の村「ミラージュ」は、ペティットが暑い時期に非常に過ごし易い気候をしている。
ペティットから遠く離れた…とは言わないのに、ある程度の標高と霧の発生しやすい得意な地形のせいだろう、とても涼しいのだ。
冬は北国もかくやの寒さとのことだが。
旅の行程が半日ほど遅れるというトラブルもあったが、元々差し迫ったことでもなく。
日程に余裕を持って悪いことはないな、と改めて思うことだった。
到着したのが夕方だったので、一日目はそのまま休み、二日目は軽く村を見て回った。
民家以外には酒場と宿屋くらいしか無いような小さな村ですぐに一周してしまったけれど、村の人達の暮らしぶりは興味深い。
特に、気候を活かした野菜の栽培や、霧、冬の寒さへの対処法などはペティットでは見られない。
もちろん、俺は観光に来た訳ではなくて「街から来た冒険者」という前評判で訪れたのだ、依頼を請けに。
その依頼と言うのが、この村の観光資源の一つである谷近くに出る魔物をどうにかして欲しいというものだった。
それから3日程は、下調べをしたり魔物の足取りを追ったり…村の人達も見慣れぬ魔物だったせいかこういった情報が無かったので即討伐とは行けなかった。
俺一人だし、無理はいけない、時間が許すなら確り手順を踏む方が良い。
…もっとも、依頼主によっては「今行け直ぐ行けやっつけろ」と言われる事もあるが。
(このうち1日が村の子供達と山を駆け回って遊んだせいで潰れたが、田舎の依頼はのんびりしていて良いと思うことだった。水が美味しい。 ついでに超特大(きっと世界新記録だったね、と思い出す度に思う)のキリガクレニンジャビートルを見つけたがペティットにまでは持って帰れそうもない、子供にあげた。)
余談が長くなった。
つまり、魔物退治を行った。 うん、簡潔だな。
現れていたのは「スライムデシカ」という思わず『スライムデシカなんでしか!?』と問い掛けたくなってしまう(或いは『スライムデシカですか?』と聞き返すのも良い)ような魔物。
(こういったギャグは冒険話をせがまれた時に言ってはならない事なので、こういう所に書くしかない。無念だ。)
「デシカ」とはつまり乾燥剤のことで、さしずめ「どろどろした乾燥剤」といったところか。空気中の水分を吸っちゃうのだ。
空気中の水分を吸って発熱(どんな化学反応なんだ)し、そこに含まれていた塵を結晶化して吐き出す錬金術師ご用達の魔物。
ただし雨となると吸いきれなくて鈍るとか、火で炙ると熱すぎて溶けちゃうなんて辺りお茶目な魔物である。
霧の谷にベストマッチではあるが、この辺りに元々居る魔物ではなかった。
どっかの魔法使いが作ったような魔物だと言われているし。
そいつらが広場に集っていたところを討伐したのだが、3匹も集まると暑くてたまらなかった。
水筒も無くしてしまったし、2匹は殆ど自爆だしで緊張感は無かったけれど。
憎めないやつらだったが、呼び出した元凶をどうにかしなければいけない。
一度村に戻って腹ごしらえをして、調べをつけた場所へと向かう。
そこに居たのはやはりというか流れ者の魔術師で、霧塵結晶を溜め込もうとしているところだったらしい。
横取りしに来たと勘違いされてスライムを消し掛けられたが、全て倒してやっと話を聞いて貰えた。
不覚にも手に火傷をしてしまったけれど、大したことはない。
村の人のところへと戻り、「どこでどのくらいの霧を吸い取るくらいなら問題無かろう」というのを話し合って貰った。
俺の関知するところではないが、乾燥剤として「プチスライムデシカ」を作らされるのかも知れない。
とりあえず、一件落着だ。
手紙に返事を書こう。
「これから魔物討伐だ」と書くのは心配されそうだったから遅らせていたけれど。
しかし、こんな可愛らしい手紙を貰うことになるとは思わなかった。どうやったら折り曲げずに旅荷へ加えられるだろうか…。
モルンニアを出て、東へと向かっていた。
霧に覆われた山道では徒歩で移動する他ない。
朝のうちに距離を稼いでおけば昼から楽になるというものだ。
霧に覆われた道、その向こうも小さな村なれば行き交う人は殆ど居ない。
しかしこのときは偶然にも知った顔が歩いてきたのだから、とても驚いた。
迷子でって……ギガトールさんは街からはさすがに離れすぎないようだからまだ軽度なのかも知れないと思えるようになった。
その狐の獣人の少女…レウリアは、あの商店街での一件以降、自警団に入ったらしかった。
髪もばっさりと切って(暑いし動きやすいからと言っていた。自警団に入るくらいだから、そのくらいはするか)いて、見違えるような気持ちだった。
守る側になりたいと言う、その気持ち…。自警団の仕事は大変だろうけれど、頑張って欲しい。
このときは偶然の再会による驚きと喜びで頭がいっぱいだったが、よく考えるとあのときの不甲斐無い様子を最も見ている子なのだ。
冒険者でなく自警団員になったことがその表れだとは決して思わないが、冒険者にも憧れて貰えるように頑張りたく思う。
ただ、あのときはすまないと謝り損ねたのが心残りだ。きっと気にしないでくれと言うだろうが。
服が破けたのに気付かないほど、一晩中ふらふらと彷徨って。狐が狐憑きにあったようだ…と思ったら本当に化け狐に出会っていたらしい、化かされたのかも知れない。
俺の雨具を貸すと、裾が余ってしまって落ち込んでいた。背が低いのを気にしているのだろうか。
帰りにも迷うといけないので、モルンニアまで送っていく事にする。モルンニアからの旅は振り出しになってしまうが然程の痛手ではない。
むしろ戻されたと考えて別の方角を選ぼうと思う、旅人なんて適当なものだ。
短い間ではあったけれど、賑やかな子と歩くのは楽しい。旅は道ずれとは常々身に染みているつもりではあったが。
さて、ザラメデスさんへの手紙を書こう。そっちがその気ならだ。
結果的に、作戦は上手く行ったのだが成果は伴わなかった。
やはり、雨女は幽霊などでは無く唯の魔物である…この考えが間違っていたのだろうか。
剣が当たっているのにダメージが感じられない。
まるで無限のエネルギーを有しているかのように。
もしかすると、川へと引き摺り落とした幾多の人々の魂を力としているのかも知れない。徹底的な浄化こそが力を削ぐ事に繋がるか…。
そうなると、いよいよ戦士である自分一人では難しいことだろう。
「競争」とは言ったが旅もある。当ても無いのにあまり時間を食う訳にも行かないから先へと進もう。
此処のところ……いや、気にしないことだ。
今回も身の丈に合ったことをしただけのこと、欲張ってはいけない。
コトリさんも来ていて、今回の騒動の原因らしきものを潰したと言っていた。
ちなみにコトリさん、最後に会ったのは広場で僕がお土産を渡したときであったように思います。
何のお土産だったか分からずにあの杯が保管されているとしたら、作り手もドレイケンも浮かばれないので覚えておいてあげてくださいね。
僕から貰ったということは忘れて下さって問題ありませんが、どうぞネージュには一言をお願いしたいところだ。
モルンニアに到着した。
結局ペティットで聖水を手に入れなかったので教会へと向かう。
この間来たときは山道のお化け騒ぎでにわかに品切れとなっていたので心配だったけれど、無事に聖水を入手できた。
雨女は名前の通り雨の日に出没するようだ。
明日には雨が降るだろうと言われていて、それまではどう時間を潰そうかと考えていたところ…同じくペティットから来たと言う冒険者の女性…ロマリア(確かロマリア・イシュタールと名乗っていた筈だ)さんに出会った。
この方には以前、山で行方不明者の捜索を行っていたときに軽くお世話になった事があり、このような所で再開するとは実に奇遇だ。
単純な金銭よりも美味しいこと、面白いことに興味がありそうなところは冒険者らしいとも言える。
冒険者「まがい」と言っていたが、なかなかどうして性質はそれらしい。
お化け退治を「競争」しないかと持ち掛けてみたが、少しピンと来なかったように思う。ひょっとすると競争に他の何かを賭けなかった(例えば晩御飯を奢るとか)からだろうか。
いつも答えを知っているように見える、とは珍しく買い被られたものだった。
確かに俺はインチキをして自分を大きく見せているところがあるかも知れない。
ただ、俺が騙しているのは自分自身だけだろう。
もしかすると近いうち、俺を信じた誰かがその割を食う嵌めになり、俺は後悔することになるのだろうか。
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |