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- Newer : 08/05 霧の村「ミラージュ」にて
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モルンニアを出て、東へと向かっていた。
霧に覆われた山道では徒歩で移動する他ない。
朝のうちに距離を稼いでおけば昼から楽になるというものだ。
霧に覆われた道、その向こうも小さな村なれば行き交う人は殆ど居ない。
しかしこのときは偶然にも知った顔が歩いてきたのだから、とても驚いた。
迷子でって……ギガトールさんは街からはさすがに離れすぎないようだからまだ軽度なのかも知れないと思えるようになった。
その狐の獣人の少女…レウリアは、あの商店街での一件以降、自警団に入ったらしかった。
髪もばっさりと切って(暑いし動きやすいからと言っていた。自警団に入るくらいだから、そのくらいはするか)いて、見違えるような気持ちだった。
守る側になりたいと言う、その気持ち…。自警団の仕事は大変だろうけれど、頑張って欲しい。
このときは偶然の再会による驚きと喜びで頭がいっぱいだったが、よく考えるとあのときの不甲斐無い様子を最も見ている子なのだ。
冒険者でなく自警団員になったことがその表れだとは決して思わないが、冒険者にも憧れて貰えるように頑張りたく思う。
ただ、あのときはすまないと謝り損ねたのが心残りだ。きっと気にしないでくれと言うだろうが。
服が破けたのに気付かないほど、一晩中ふらふらと彷徨って。狐が狐憑きにあったようだ…と思ったら本当に化け狐に出会っていたらしい、化かされたのかも知れない。
俺の雨具を貸すと、裾が余ってしまって落ち込んでいた。背が低いのを気にしているのだろうか。
帰りにも迷うといけないので、モルンニアまで送っていく事にする。モルンニアからの旅は振り出しになってしまうが然程の痛手ではない。
むしろ戻されたと考えて別の方角を選ぼうと思う、旅人なんて適当なものだ。
短い間ではあったけれど、賑やかな子と歩くのは楽しい。旅は道ずれとは常々身に染みているつもりではあったが。
さて、ザラメデスさんへの手紙を書こう。そっちがその気ならだ。
2011/07/29 ユベルティ Trackback() Comment(0)
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