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古城跡で"Showdown"へ共に出場するパートナーを探していた。
其処で俺はロゼッタさんと出会い、「グリとグリ(仮)」を結成した。
ロゼッタさんは、俺がパートナー探しをしていると知って此処へ来てくれたようだった。
それも、昼間の内にテレスがロゼッタさんに俺の事を教えたようで、何とも義理堅い奴だ。
ロゼッタさんも大会に興味が有り、俺の事を「命を預けるに値する」かどうか見に来たと言う。
俺と共に優勝を目指すことはきっと楽しい。
そう感じてくれる人とペアを組みたかった、そしてロゼッタさんは「面白いと思う」と言ってくれた。
実力的には恐らく厳しい戦いになるだろう。
だがその部分さえあれば、力は付いて来させる事もできるはずだ。
今ある力を、何倍にも出来るはずだ。
俺はきっとそうして見せる、勝つために曲芸が必要なら、曲芸をやるまでだ。
俺は色々なことを確かめるための手っ取り早い手段として、もう一人此処へ来ていたルードローズさんと共に3人で軽く手合わせをしてみることとした。
ルードローズさんは、戦いを楽しむタイプの人だった。(こう大括りにするのは良くないが)
俺の目的は優勝。楽しみの為の戦う者は、勝敗や生死の堺に於いて(勝利するという目的に対しての)判断を誤る恐れがあるからだ。
負けを是とする訳でなくとも、極限のところで別のものを優先してしまう。
戦い方一つとっても、相手に踏み込んでいくことを臨む。
勝利するには、相手に力を出させないことであり、楽しみのためにリスクを取るのは、決して賢い事とは言えないだろう。
ルードローズさんの言う事も理解することは出来る。
そういったことを楽しいと思うことは、俺にだって少しは出来るだろう。
だが、この大会に於いては……優勝するという目的の前では、そちらへ傾くことを避けたかった。
それ以外のところであれば、俺ももう少し、理解したいことではあっても。
ジョンさんも此処へ来ていた。
試合で怪我人が出ることを考えて、試合会場を見回っているようだ。
其れ以外にも、単純に大会への興味が見え隠れするので、ルードローズさんと出場してみてはどうだと言ってみたが、案の定断っていた。
(とんでもない、堅物と自由奔放のコンビは面白そうではあったが)
元々、魔物の多い地方の生まれで、街を守るため神官となった経緯を持つ人だった。
もう少しジョンさんの背中を押すものがあればと思ったが、そればかりは巡り合わせだ。
応援と治療を任せてくれと言うことだから、頼ることもままあるだろう。
朝から広場が賑わっていた。
話題のある記事が貼られているのだろうと思い近づいてみれば、それはBeaconと龍翔氷ノ羽音(仮)の場外乱闘のようなもので。
オッズ表も貼られていた。
未だペアを結成出来ていない俺にとっては、どちらにも自分が関係ないことが残念でならない。
テレスは例の脇差しを鑑定したようだったが、それは『覇氣(ハゲ)アニキソード♂』という
曰くつきなんて言葉ではまるで足りないような禍々しい代物であり、俺に対して是非使ってくれと言ってくれるテレスの勧めを丁重にお断り申し上げた訳だ。
じんざもみさんに売るらしい、それが良いと思う。誰だってそーする、俺だってそーする。
テレスは俺のペア探しについてかなり心配してくれているようで、色々と提案をしてくれる。
中々ナイーブな問題なので、それだ!とは此方も言えないものの、応援して貰えているということ自体が有り難い。
何とか早く見つけたいところだ。
ピエットさんはお店が上手く行っているのか、店員を増やすことを考えているようだった。
テレスをアルバイトとして雇ったりもそうだが、ゆくゆくは店を増やしていきたいと考えているようで、「ピエットさんのお菓子」を造り広めてくれるパートナーを求めているとのことだ。
「Das Hexenhaus」という看板を広めること。
その目標の助けと成ってくれる人を。
そういった目的の為に、大会にも少し興味があるようであったが、ピエットさんの場合はリスクとリターンが釣り合わないのだ。
むしろ釣り合う者はそう多くない、だが、引き寄せあうと信じよう。
昨日からの降雪のため、人手を求めている牧場へ応援に行くことになっていた。
しかしこの日は朝から吹雪で応援の手も集まらず牧場へ向かったのは俺だけだった。
といって、単なる雪かきやらの依頼であったから、若いのが1人行けばそれで腰を痛めた牧場主の替わりは務まるだろうという目算。
けれど牧場へ到着してみれば様子は違っていて、積雪で厩舎の一部が倒壊し、驚いた家畜たちが逃げてしまっていた。
俺は牧羊犬君と牧場の馬を借り、家畜たちを連れ戻しに行くことになり吹雪の中を走った。
そこで俺が見つけたのは、まさに狼型の魔物達に狙われているところで。
俺は牧羊犬君に家畜たちを誘導してもらう間、この魔物達の気を惹かなければいけなかった。
魔物は数が多く、俺1人では荷の重いことであった。
けれど、そこで奇妙なことが起きた。
俺はいっそ、此方から魔物の群れへと攻撃を仕掛け相手を守勢に回らせることさえ考えていたのだが、魔物達の……リーダーを思わせる一回り大きな個体だけが、前へ出て来たのだ。
魔物の額には十字傷を見るまでは、こいつが俺を抑えているうちに魔物群れが家畜たちを襲うのだと思っていた。
傷の内一つは人の作った武器に依るものであり、それは人との戦いを生き残った魔物であることを示している。
慎重で狡猾であることが多く、同時にどこか人間を解するようなところがある。
このときになって俺は、この魔物が俺との一騎打ちを望んでいるかに思えた。
それは一騎打ちなどというものではなく、ただ特別な狩りを独り占めにするような、或いは群れのリーダー対リーダーの決闘のようなものだったのかも知れないけれど。
俺は確かにそのとき勝負めいた何かを感じたような気がした。
俺は生き物の命を奪うのは嫌いだ。
元に戻せない、取り返しの付かないことだからだ。
けれどこの時は、この魔物の命の遣り取りへと向かう意志に応えなくてはいけない気がした。
そこに邪さは微塵も無かった、とても自然な、善い行いのように感じた。
それが俺を苛立たせる。
この世の理に、俺の力は何処まで通じるのだろうか。
大会に、勝ちたい。
川沿いの遊歩道で、新しい武器を試していた。
大会を見据えて準備を進めていたもので、此れは長さが2mを少し超える棒だ。
地底湖の鍾乳石と金属を混ぜあわせたもので出来ており、俺の魔法と相性が良いように作られている。
棒の先に刻んだ印から魔法を伝わせる練習をしていたところ、ノルンさんが通りかかった。
俺は、以前に折角、上等に仕立てて頂いたケープが、追い剥ぎとの戦いでボロボロになってしまった事を報告した。
これは申し訳無い気持ちからだったのだけれど、ノルンさんは落ち込んだり怒ったりするどころか、役に立ったのなら良かったと、心配さえしてくれたようだった。
職人としての考え方なのかと思えば、自然とその場で次の仕事を頼んでいた。
といって、この先も出費続きになるだろうことは間違いなく、払いについて俺は言葉を濁してしまったのだが、ノルンさんは払いを待ってくれると言ってくれた。
追い剥ぎに遭ってケープをボロボロにしてしまう辺り、冒険者としての実力を買われた訳ではないとは思うので、The・人情だろうか。
個人的には、借金のある身でまたひとつ、というのはとんでもなく気が咎めたので一度は断ったのだが……優勝の為には形振り構っていられず、依頼をした。
(急に形振り構わなくなったので、ノルンさんは面食らっていたが)
兎に角、大会に向けて必要な物は、急ピッチで揃える必要があった。
酒場でじんざもみという骨董屋の店主と、割烹着姿の似合うテレスと話をした。
甚三紅さん(次からはじんさんと呼ぼうと心に決めた)は、何とも気だるげな雰囲気漂う化け狐という感じで、まあ酒気も色気も煙草の気もある大人の女だ。
しかして骨董品をあれこれ愛でたり一期一会を楽しんだり、店番の合間のお喋りを楽しむような。
テレスは刀を鑑定してくれる人を探しているというのにも1枚噛んで貰えるそうで、本職がどんな風に見るのかは俺も興味があることだった。
俺が大会に出場するペア探しで悩んでいることを知ると、お告げをくれる(?)手鏡を使わせてくれた。
縁のあるものを映してくれるらしく、それを頼りにすればペアが見つかるかもしれないと。
そこに映ったのは「古城跡」の光景で、俺はそこを訪れてみることを決めた。
(次に古城跡を訪れたときには特別出会いが無かったものの……)
ペア相手が楽しければ良い、他者に尽くすことで光明が得られる、そういった気持ちでとじんさんは言ってくれたものの……俺は自分自身の為に優勝を目指し、その力をペア相手にも求めている。
忘れてはいけないことだが……。
テレスも未だペア相手の決まっていない俺のことを応援してくれて(黄色い声でも)、
紅茶まで振る舞ってくれた。
試合では実況として肩入れはあまりしないようにするだろうが、良い奴だ。
刀の鑑定を頼もうとしている古物商は何か安っぽそうだったが、良い鑑定結果があることを祈る。
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