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昨日からの降雪のため、人手を求めている牧場へ応援に行くことになっていた。
しかしこの日は朝から吹雪で応援の手も集まらず牧場へ向かったのは俺だけだった。
といって、単なる雪かきやらの依頼であったから、若いのが1人行けばそれで腰を痛めた牧場主の替わりは務まるだろうという目算。
けれど牧場へ到着してみれば様子は違っていて、積雪で厩舎の一部が倒壊し、驚いた家畜たちが逃げてしまっていた。
俺は牧羊犬君と牧場の馬を借り、家畜たちを連れ戻しに行くことになり吹雪の中を走った。
そこで俺が見つけたのは、まさに狼型の魔物達に狙われているところで。
俺は牧羊犬君に家畜たちを誘導してもらう間、この魔物達の気を惹かなければいけなかった。
魔物は数が多く、俺1人では荷の重いことであった。
けれど、そこで奇妙なことが起きた。
俺はいっそ、此方から魔物の群れへと攻撃を仕掛け相手を守勢に回らせることさえ考えていたのだが、魔物達の……リーダーを思わせる一回り大きな個体だけが、前へ出て来たのだ。
魔物の額には十字傷を見るまでは、こいつが俺を抑えているうちに魔物群れが家畜たちを襲うのだと思っていた。
傷の内一つは人の作った武器に依るものであり、それは人との戦いを生き残った魔物であることを示している。
慎重で狡猾であることが多く、同時にどこか人間を解するようなところがある。
このときになって俺は、この魔物が俺との一騎打ちを望んでいるかに思えた。
それは一騎打ちなどというものではなく、ただ特別な狩りを独り占めにするような、或いは群れのリーダー対リーダーの決闘のようなものだったのかも知れないけれど。
俺は確かにそのとき勝負めいた何かを感じたような気がした。
俺は生き物の命を奪うのは嫌いだ。
元に戻せない、取り返しの付かないことだからだ。
けれどこの時は、この魔物の命の遣り取りへと向かう意志に応えなくてはいけない気がした。
そこに邪さは微塵も無かった、とても自然な、善い行いのように感じた。
それが俺を苛立たせる。
この世の理に、俺の力は何処まで通じるのだろうか。
大会に、勝ちたい。
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