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4/21 街道にて
ミカと共に、買い占められたアイテムの行方を追っていた。
この日は雷雨だったが、悪天候にも構わず強行しようとする荷車があり、それを止めて調べることにした。
それを引いていたのは竜の亜人、ルピエチカという（うろ覚えで言ったがあっていた）フランセットのお供だった筈だが。（今日はお供にテディベアを連れていた。魔法で動いていたようだが、ミカが値札を切ったら動かなくなった）
話を聞けば、アームズユニオンという武器商組織の者から頼まれ、買い占めたアイテムをイルクセル方面へと届ける予定だったようだ。
（妨害は想定されていたという）
何か「良いもの」を与えられていたようだが、馬鹿には見えないらしく結局それが何なのかはよく分からなかった。（魔法を妨害する何かしらだったようだが…？）
交渉ごっこからこの位の事は聞き出せたものの、亜人狩りとの関係は今一つ不明だった。（その武器商組織が繋がっている可能性はあったが）
ので、追跡用にアーシャを忍ばせてこの場は行かせようとした。
アイテムの行方を追えば、相手のアジトを突き止められるかも知れなかったからだ。
アイテムを取り戻すのも良いが…無理をする事も無いと、そう。
しかし、ミカは此処でどうしてもアイテムを取り戻して置きたかったようだ。
（後で知った事だが、港で起こっていた事もミカの焦りに関係があったと思われる）
ミカが荷車を横転させようと仕掛け、竜人とテディベアと戦闘になった。
この竜人、やはりフランセットに負けず劣らずの使い手であり、テディベアの援護もあってか、ミカも俺も苦戦を強いられる。
（途中からブラッキーさんやもう一人エルフの女の人も加わっていたがそれでもだ。苦戦どころか危険だった）
ミカに怒られた通り、この竜人の仕事を達成させて故郷に無事返してやりたいというのもあって気乗りはしなかったが…手は抜いていなかった、本当だ。（平常時以上を出す気迫が無かっただけで）
けれど、その戦闘も不意に終わる。
遠くからこの場を見ていたユキギエが竜人に向かって矢を射ったのだ。
それは竜人の胸を貫いて…その後の事は、皆に任せてユキギエを追った為に見ていないが、どうやら一命は取り留めたようだ。
ユキギエが言うには「契約不履行」。
隠居する筈のブラッキーさんが未だに普通に活動しているから…のようだ。
恐らく、ブラッキーさんにとって今日の事は偶然だったろうに、それでも。
だからと言って、関係の無い者に手出しするなんて事は…。
この場に居た者全てを、ブラッキーさんが未だ関わって居る事を知る者として排除する。
（そして同時に、俺やブラッキーさん、ミカを排除する際の目撃者としても）
それがユキギエのやり方なのだろうか。
上手く行かない事が苦しかった。
決断した事だから後悔は無いにしても、どうしようもなく苦しかった。
出来ればみな、死なないで。出来ればみな、幸せになれば良いのに。
そうすれば、俺が苦しくないのに。
自分の為にやっているから俺は、ヒーローになれたことなんて一度も無いんだ、コタロウ。
ユキギエは俺に洗いざらいぶちまけさせてしまって、どうするつもりだったのだろうか。
死ぬ前に己の罪を自覚しろと言う事だったのか。（運よく未遂に終わったが。相変わらず情けない事だ、俺は。）
眼が覚めたとき、ブラッキーさんも気絶していて。
街まで運んだが、その後はどうしたか知らない。再び確り「隠居」していれば暫く逃げおおせる事も出来るのではなかろうか。
ミカには連絡したが、大丈夫だろうか。
俺は、今は約束を信じない。
実力だけを信じて、ブラッキーさんやミカの安全を確保し、ユキギエに誰一人殺させないという結果を手に入れる。
アーシャは呼び出せなくなってしまった。（故郷の森には居るだろう）
だからきっと、これは幸福な事では無いのだろうけれど…。
お相手頂いたキャラクター… 竜人 ミカ テディベア ブラッキー リズ ユキギエ 影 ジュリエッタ
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4/19 森の奥の泉
多少のトラブルはあったが、ブラッキーさんからライクルスへの引き継ぎは上手く行ったと言っても良いだろう。
ライクルスは、上手く行ったなんてものではない働きで、全く期待以上だったが。（ただし天誅は加えなければならない）
今日は顔合わせが出来て良かったと思う、皆の連帯感も強まったように感じる。
アルメリアという新しい知り合いも出来た（撮影会しようね！）。
ふてぶてしい冒険者風の男は、ずっとふてぶてしいままだった。
ブラッキーさんとミカの間ですったもんだあったようだが…帰りには仲直り（？）していて安心した、さすがミカ。
もう一つの話というのは、エレナカレンとのときの話だろう。
ちょっと狡いが、あの時から時間も経ったし…あのとき感情に任せて言ってしまうときよりずっと恥ずかしい思いをしなくて済みそうだ。
お相手頂いたキャラクター…たくさん
フルログ…いやなんでもない、私が流しました。
4/17 自警団本部にて
数日前に襲撃された自警団本部の様子を見に来た。
数日経ったとあって復旧作業が進んでいたものの、中々の有様だった。
ドラゴンゾンビとやら、派手に暴れたらしい。
大型の魔物はそもそも入ってこないように頑張っているのだ、突然街中に現れてしまえば、こうもなるだろう。
しかし気になったのは、脱獄したというシナンビィだ。
自警団員を何人か殺害した事は、ほぼ間違いないが…問題はその逃走経路だ。
何故か様子を見るように、時間を稼ぐように一旦トイレ入り口に留まったり、事務所を荒らしてみたり。（事務所をワイゼットさんが片付けていた、お疲れ様です。）
ドラゴンゾンビが暴れて居たり、自警団員がバタバタ集まってきている状況だ、逃げるなら直ぐの方が良いに決まっている。
何か目的があったのだろうか？火事場泥棒を行っていたという程の被害は無いと言う。
保管されていた彼の装備を探していたのかも知れないが…。
そうやって探偵ごっこをしている途中、コタロウと会った。
ライクルスに言われて警邏中とのこと、早速頑張っているようで、非常に頼もしい事だった。
ヨハネの件はライクルスやコタロウも知っているようで、コタロウは妖精から新しい手紙を貰っていた。
相変わらず状況は分からなかったが「男に掴まっているよう」だとか「箱のようなものの中に入れられているよう」だとか、妖精と言うのはえてして適当なものだが…。
自警団の外をヨハネの事を探している（？）らしい女の子（コタロウ曰くセシリアと抱き合っていたらしい！！）が歩いていたが、見失ってしまった。
色々と居なくなることの多い時期だ、探して回るには手がかりが足りないか…。
お相手頂いたキャラクター… コタロウ ワイゼット カッツェ
4/15 邪神の祠前にて
交渉は一言で言えば上手く行った。
二言で言うなら、亜人狩りに対抗する貴重な戦力を失う事になったが、最悪の事態を免れた。
これから先、三言以上で説明する事にする。
ユキギエさんは「どういう経緯で」「誰にどれだけ」伝わったのかを知りたがっていた。
なので、ブラッキーさんの記録用ゴーレム（映像とか撮ってるらしい、恐ろしい）とか言うのを使って貰って、その当時の場面を再現して貰い、それを証拠とした。
この証拠により、ミカには（大凡を察する程度に）伝わってしまい、ミハエルやラファティ君には伝わっていない事はユキギエさんも納得してくれた。（この証拠の裏付けは後日取られた）
それで、もちろん、普通の事だが
ブラッキーさんに何らかの責任を取るよう、ユキギエさんは求めた。
勿論これ、謂れの無い、と言えば謂れの無いこと（法に触れるような事をした訳では無い、約束は破ったけどね）なのだが…
といって、「責任なんか取るかばか！」と言ってしまえば喧嘩になる。
そしてこの場合の喧嘩とは…なのだから、丸く収めた方が得なのは間違いない。
信義に反しなければ。（裏組織の恫喝に屈したのと大差ない訳だから）
話を聞けば、このユキギエさん達が亜人狩りの件に関わっている（しかも張り紙を焼くなど敵対行為を行った）事がバレれば、所属組織とクラン「純血」との関係が悪化する恐れがある…というのが主な問題のようだった。
それを踏まえて協議の結果、ブラッキーさんには「亜人狩りから一切手を引き、隠居してもらう」か「魔法的な制約を施し関係事項を口に出来なくする」か、といった提案がなされた。
ブラッキーさんは負い目を感じてか、その両方を受ける事にした。
隠居先も教えなくていいとの事だし、ユキギエさんは少し疲れているようだった。
（今回の事で殆ど廃業になったということだ。だからと言って足を洗えないのが闇の恐ろしいところだ。）
ミカについては再び交渉が行われるようであったが、ミカより情報を握る俺よりも処遇が厳しくなる事は無いだろう。
そして亜人狩りの最中は他の人と行動を共にする事も多いから手を出しにくいし、ミカに手を出す事は俺と敵対する事だとも分かっているだろう。
やるなら俺からか、最低でも同時にだ。
明日、ブラッキーさんはユキギエさんとリリアンドルに魔法を施して貰いに行くようで、隠居先を探すのはその後だ。
情報の共有や引き継ぎ、荷造り…まだまだ忙しい。
「降りる」事になるが、ミハエルも納得してくれる…かな…。ま、ダメならダメだ。
ヨハネが居なくなったとのことだが、普段から何処にいるか分からない奴だ、もう少し情報が欲しい。
聞いた感じでは死んでいないようだ、亜人狩りに遭っていたらタダでは済まなかっただろう、無事なだけ良かったと思おう。
お相手頂いたキャラクター… ユキギエ ブラッキー
4/13 カシギ森にて
「向こう」から連絡が来ていた、今一度話し合いのチャンスをくれる…という事だった。
向こうもこのまま全面戦争状態に突入するのはリスクが大きいのか、ユキギエさん個人の考えなのか…どちらにせよ、有難い申し出だった。
戦うにしても今でない方が良いとは、お互い思っているのかも知れない。
僕一人で来いとのことだったが、目的は状況把握のようだからブラッキーさんに同行してもらう事にした。（そしてそれは了承された）
そのまま、落としどころの交渉に持ち込むつもりだ。
というのを、この日、ブラッキーさんとミカに伝えた。
ミカには付いて来いと言ったり付いて来るなと言ったり、手間を掛けてしまって申し訳無く思う。
本職は博打うちだと言うが、最近の事はミカにとって受難も良いところだろうか…。
ブラッキーさんはミカの事を「人のことばかり」と言うが、確かにそういう風にも見えた。
そのうちミカにもお鉢が回ってくるかも知れない、それまでは「お互い様」だと思おう。
亜人狩りについて、今までに代わる体制についても話し合った。
「向こう」とは全面戦争になると思っていたから、船にでも構えて迎え撃つつもりではあったが…交渉の余地ありとなってはどう転ぶか分からない。
長期化ないし離脱を見据えて、矢面に立つ者、情報を扱う者を交代しておくのが良いと思った。
と、話した内容が内容だけに、纏めも事務的な感じになっている。
ミカには色々と迷惑を掛けてしまっている（気にするなと言われようと礼儀の問題だ）
俺に出来る事は、交渉（笑）を精一杯やることだけだ。
決裂した場合に精一杯やる為の秘策（笑）もある。
お相手頂いたキャラクター… ブラッキー ミカ