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風船で空を飛ぶことに挑戦した後、俺は闘技場に来ていた。
自由に空を飛ぼうとすることも大事だが、それよりも今、俺には準決勝が大切だからだ。
準決勝への不安は俺に重く伸し掛かっていたが、同時に楽しみでもあった。
それは崖から飛び出す直前の気持ちに似ていて。
翔べるか、それとも翔べずに落ちるかという不安、だが今日も味わった、踏み出した後のあの景色……飛び出す前の不安の向こうにあるそれを俺は準決勝に感じていた。
闘技場にはローゼス・ショコラという魔女っぽい女の人が来ていて、体を動かしたいというので修練に付き合ってもらうこととした。
ローゼスさんはClasH戦を観戦して下さっていたし、大会に…大会に参加している人に興味があるとのことだった。
体を動かしたいというのは単なる誘い文句で、大会出場者である俺のことを知りたかったのだろうとは思うが、俺としては断る理由が無かった。
ローゼスさんは魔法使いだと思ったらあまり魔法使いでなくて、魔法使いでないと思ったらやはり魔法使いだった。
彼女に触れたものはチョコレートになってしまう、一撃を入れたとしても、入れた傍からチョコレートになってしまい威力は幾らか殺されてしまいようだ。
(更に自分の支配下にあるチョコレートは自在に操れるようでもあった)
俺も触れたものを変化させる魔法を使うが、ローゼスさんの方がずっと練度が高いというよりも強力な"呪い"であるようだった。
さすがに体術ではかなり差があったか、ナイフ一本向かってくるローゼスさんに対し、棍を持つ俺が遅れを取るでもなかったけれど
棍がチョコレートとなってボロボロに崩れ落ちる前にローゼスさんを打ち倒すことは出来そうになかった。
俺は修繕が利く程度のうちに降参を宣言、ローゼスさんは物足りないようではあったが、俺は準決勝の為に修練をしているのだから、それに支障があってはいけない。
俺自身の疲労程度ならある程度無理を利かせられても、武器を直すには材料もお金も時間も居るのだ。
ローゼスさんは何と体のパーツをも一旦チョコレートで代用することで元に戻す(痛みは残るらしい?)事ができるらしく、打ち倒すには苛烈に攻め続ける必要があっただろう。
俺自身がチョコレートになってしまったら、果たして治せるのか?という不安もあった。
だが降参した後で、ローゼスさんがチョコレートにしたものなら修復できると聞き、あらまあ、といったところだ。(棍を直してもらえた)
その後、修練の礼にとご飯に誘ったが、ローゼスさん曰く「尊い人物を食べる」ことを至上の喜びとしている……らしい。
カニバリズムの可愛い版というか、アイニィさんやらダートラディアさん的な愛のカタチみたいなのだろうか。
大会に興味を持ったのも、”美味しそうな”人が居ないか見に来ていたのだろう。
この様子をノルンさんが見ていた、試合を観戦していたこともあるが、闘技場で姿を見るのは珍しいことにやはり思える。
知り合いらしいローゼスさんにとってもやはり意外なことであったらしく、俺と同じ疑問をノルンさんに向けていた。
ノルンさんは「このような大会に出てまで何を求めるのかが気になった」と
俺は、こうして闘技場に足を運んでしまっているあなたにならもう分かっている筈だと言うが、
ノルンさんは「欲しがる気持ちがわからない」と言う。
それは欲しいものがあっても諦めてきたということだろうか?
深く問う前にお腹が空いたので、この日はそれ以上聞けなかったが。
(ていうかどうも、ノルンさんはローゼスさんに自分の体をチョコにして食べさせたらしい。自分がどんな味か興味あったってあなた…)
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