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- Newer : 10/04 広場にて
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再び、森の奥の泉で瞑想を行なっていた。
メディテーションや、魔法について人と話す事で掴んできた、自分の為したい事を実現する為に。
道筋がある程度見えてきたと言うのに、実現する力がないことがもどかしかった。
どうして自分が出来ないのか分からなかったし、出来るような気がするのに出来ないのも、何となく俺の苛立ちを募らせていた。
一歩ずつ、ゆっくりとやるべきなのだ。
俺は、自分が思っているよりも、出来ない。
そうやっている様子を、いつからかセシリアが見ていた。
近くに来ていたことに俺が気が付かず、集中しているのを邪魔しないようにしてくれていたようだ。
セシリアには俺のことを沢山聞いて貰ってしまった。
セシリアは獣人故、魔法のことに疎かったことと、何かしら「力が弱い」点について共感してくれたことで、ついつい、話が弾んでしまったというか。
セシリアも同じ一族の中では、脚力や角の力が弱いと言うが、言われるまではまるでそうだとは気が付かなかった。
その種族を他に見たことがないというのもあるが、それをコンプレックスに感じているという様子を、微塵も見て取ることが無かったからだ。
コンプレックスが無いわけではないだろう、努力しなかった訳も無いだろう。
けれど、そういった物を表に見せることがない。
それは個々人の美学の問題だけれど(別に努力を人に見せたって良いわけだ)、俺はこういうのを美しいと思うものだ。
そういった点で、セシリアとジュリエッタさんはよく似ていて、気が合うのも分かる気がする。
俺はといえば、そういうものに憧れる割に、自分ではなかなか、そう出来ない。
心が弱いのだ。
その上で……いや、セシリアも俺の胸中知る由もないだろうが……お互い理想に向かって頑張ろう、やり方が合わなかったかも知れないが、きっと出来ると言ってくれたことは、俺にとって非常に嬉しいことだった。
俺は勿論、魔法の力が強くなりたかった訳だが、その知識の有る無しや、具体的に何かしてやれたかどうかなどは、その人の力になったかという事には関係がないという良い例のようだった。
セシリアから遂に、カッツェさんと交際しているという事を直接聞いた。
ある程度知っては居たが、直接セシリアから聞き、薬指のリングを見ると実感が沸くものだ。
セシリアは王子様なので女の子と付き合うことも、何となく分からないでもないし(ファルともちょっと良い感じなのかもと思っていた)、俺も気にしないのだが。
何となく、王子様な割にカッツェさんに主導権を握られていそうなのはどういう事なのだろう。
世の中、俺の理解を超えている……。(ペティットは自由な街だ)
アカマガツの頃を思えば、セシリアも随分丸くなったように思える。
以前はもっと、復讐とか、そういった暗澹としたところに身をおいているような印象ではあったが……この日、こうして話していると非常に優しく、暖かな印象だった。
戦うセシリアはカッコイイし、凛々しくて素敵だ、戦士としてはセシリアのようにだとか俺のヒーローだとかなんとかかんとか……
とにかく、色々と言ったものだが、最近のセシリアを見ていると、戦うのはともかく、もう二度と暗いところには戻って欲しくないと思う。
暖かなところが似合うし、その資質があると。
(俺は大事なものは引き出しの奥に閉まっておきたいタイプなのか……)
何はともあれ、そういう点でカッツェさんとの交際は俺にとっても喜ばしいことだ
けれど、俺がどうしても惜しく思ってしまう気持ちをどうか責めないで頂きたい、そのくらいセシリアが素敵だと言うことなのだ。
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