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- Newer : 10/05 07 修練会
- Older : 10/03 森の奥の泉にて
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5日、7日の修練会を目前に控えて、7日に雨が降りそうだと気付き「雨天決行」と掲示板に書きに行ったときのことだった。
そこでシュアさんという巫女装束の女の子と偶然出会い、どうも街に来たばかりで困っている風だったので、居合わせた人達とどうすべきか話しあったり。
シュアさんは錫杖を持った巫女装束、見た目は小さな子どもだが頭脳は大人なのか「~じゃ」と渋い語尾がギャップ萌え特徴的な人だった。(蛇の獣人らしい)
傘も差さずに雨の中。なんと替えの服を買う金も無いと言うじゃないか。
(傘は?というと「笠を拵えようと思った」と。放浪者と言うだけあって中々の歩き巫女っぷりだ)
外套を貸すと言えば、毅然として遠慮したり。
目線を合わせるために俺が屈むのにも眉を寄せていたりと中々気位の高い様子だった。
といって、外套を借りるのは俺が濡れるのを気にしてのことであるようだった。
俺が屈むのも俺に労力を払われるのを気にしてのことだったのかも知れない、遠慮深いのか。
(ジュリエッタさんから雨除けの術のかかったリボンを借りることは良しとしたようだ)
「恩」というものに重きを置いているようであった、文化の違いもあったのかも知れないが、数奇な産まれにも関係があるのかも知れない。
魔法で服を乾かしてもらったりして、ある程度難を逃れたのと、当面の見通しは立ったようなのは良いことだった。
ジュリエッタさんは「ちょっとそこまで」行く用事があったそうで、広場を通りかかっいていた。
シュアさんに、自分がつけていたワンピースのリボン(ブローチ式)を貸し、それに雨除けの術をかけてくれた、有難い。
しかし、ブローチ式のリボン、とか、スカーフ式のリボン、と言われても。
(それに最終的にはリボンなのにリボンのブローチだからか、ブローチと呼んでいた!)
俺のようにふぁっしよんに疎い男からすれば
「ブローチはブローチ!リボンはリボン!スカーフはスカーフやろがい!!」
と難解な単語を聞いた挙句、半ギレしてしまいそうになる。(いや全然キレてないっすよ)
しかも、「このくらいのものは皆持ってる」と言うではないか、なんてこった!
マルスリーヌさんに常識人と言われた僕ではあるが、女の子の常識についてはからっきしのようだ!
(それなのに持っているかどうかは「人に依る」と言う、「色々持っている人」と「色々持っていない人」が居るってことは、男性用と女性用よりも更に小さい分類だからそれを狙ってでも俺が女の子だったらリボンのブローチは―あ!?だからリボンのブローチってなんやねんな!?刀の剣かぁ!?じゃなくてリボンをつけたいけど、服の構造としてリボンがつけられないときもあるしそういうときにごにょごにょ……)
ジュリエッタさんは「エリノナイフクガオオイカタナラブローチシキエリアリノカッコウガオオイカタナラリボンシキアッテモチイサメノエリナラハバヒロノリボンハハミデテブカッコウニナッテシマウカラ―」という上級魔法を唱えていたが、俺にはよくわからなかった。
ちょっと、服とアクセサリーをひと通り用意して、実際に組み合わせて教えて欲しい。
俺はお洒落さんに服ないしアクセサリーを贈るのは非常に怖い!
だが「お洒落さんは貰ったものを自在に扱えるから何を贈ってもOK」という素晴らしいコメントを頂いたので少し度胸を出してみよう。
それで修練会の話だ。
ジュリエッタさんが修練会に参加し、尚且つ自警団のやんちゃ坊、ギルバートと手合わせをすると聞いて、俺はもう「来たか……」といった気持ちだったのである。
あんなことがあったとはいえ、俺の気持ちがすぐに変わる訳もなく。
やはり「戦って欲しくない」という気持ちがあるのだった。
これは、先日セシリアにもちらっと思ってしまった通り、可愛いものなど大事なものを引き出しの奥に閉まっておきたい気持ちだろう。(烈火のごとくケチなのかも知れない、俺は。俺のものでも無いのに、そう思うのだから)
(そう考えると、俺はきっと良い親にはならないのかもな)
それは確かに、「良い子だからお家で大人しくしててね」って言っているのと同じかも知れない。
あの時は、それが同じことだと気が付かないで、大事にしたいと言いたくないあまり、あのように言ってしまったが……。
今になって(セシリアにも同じように思ってしまってから)考えてみれば、やはり同じことだと分かる。
俺だって同じように扱われたらきっと嫌だろうなと、気づくのが遅かったわけだ。
(学習していない、とまた笑われた気がする)
かと言って、目を見て言えと言われて、はいわかりましたと実践出来るほど気持ちの切り替えが速い方ではない。
(この間、あんな態度を取った手前、正面切って応援なんか出来ないよ、とかなんてツンデレ状態…)
それに、正面から目があっているというのは、少し怖いな。
真っ向から受け止める強さを持っているんだなあ、とこのときは感心する余裕も無く。
結局、まだまだ、口で言っているばかりだけれど、「応援」すると、半ば宣誓をした。
応援するって感じが、やっぱり上からって言われるかも知れない。(勘弁してくれ、ナルシストなんだ)
もう少し、じっくり考える必要がありそうだ。
人の気持になって。
こういう風に思うまで引き出されたのも、ジュリエッタさんのパワーの成せる業、感服しきりだ。
全ての人が全く我儘を言わず、誰も傷つけないようにしたとしたら、どれだけつまらない世界だろう。
そういったものを超えた人を動かすパワーのことを、どうして我儘だとか優しくないだとかって罵ることが出来るだろうか。
でも顔は近いと思うな、俺は。
最悪の場合、呼吸困難になって死ぬので、そこは優しさをもってして遠慮して頂きたい。
大切に思うことと、大事にすることは違う。と偉い人が言ったことだ。
ミツキもそこへと通りかかって。元気とツッコミを取ったら自分じゃない、なんて調子の良いことを言うものだが、ツッコミはどの辺りにあるのだろうか、俺には見つけられなかった。
アイザックとは友達だと言っていたが、カビノチェに出した屋台を手伝うくらいには友達であることを俺は確認している。
三年来というが、一体どういった経緯で仲良くなったのだろうか。
(ナツメさんとも知り合いのようだ、存外顔が広い)
ミツキは俺に、お洒落をしたらと言うが、冒険者の中ではオシャレな方だし(あくまで「方」だが)、旅をするのにお洒落着は荷物になるだけだ。
という言い訳をしているが、ホントは面倒臭い、なにせ必要が無いのだから。
こういうのは、趣味でなければ、後は必要かどうかだろう。
お洒落をしてお出かけする趣味も必要も無ければ、どうも気が向かないものだ。
それに、どちらかと言えば、興味はひきたくない。
シュアともすぐに打ち解けて話していて、本当に気さくだと思う。見習いたい。
それに、ミツキが「自分はツッコミかボケか!」という無謀なアンケートを行なっていたが、何をどうしてもボケなのは間違いなかった。
そも、そんなアンケートをしていること自体がボケの証拠のようなものだった。
ツッコミをさせられているボケ、これは知らぬが仏なのだが、どうやら知ってもミツキはミツキのままで居てくれるようで、何よりだ。
そんな広場、ジュリエッタさんがその場を去った後、隻腕の少女がやってきた。
どうやら迷子のようで、困っているのだと言った。
しかし、迷子かもしれず(?)、困ってはいるが「此処がどこで、どこに行ったらいいかわからない」と言う。
いっそ「記憶喪失です」と言われた方が納得できる様子だった。
記憶はあると断言したところで、俺達はさらに混乱することになった。
名前はパラコナンタラカンタラジュゲムジュゲムゴコウノスリキレ……シスとよく分からなかったので、「好きに呼んで」と言うとおり、「パラ子」と呼ぶことにした。
すると「シスがいい」と言う。
「安全なところならどこでも」と言うので、じゃあ自警団に、と言えば
「自警団はいやだ」と言う。
どうにも、注文が多いというか、自分の言ったことを瞬時に矛盾させる癖があると言うか。
とにかく、とりあえず自警団へと案内をして、別れたのだった。
シャルロットさんとレインさんもやってきて。
シャルロットさんは、自分は身長160cmだと言い張っているが、どうやら159cm程度しかないようだ。
見栄を張ってというか、背伸びする姿は非常に和むのだった。
俺がミツキと、カップルの身長差は12cm程度が良いという話をしていれば、「15cmが良い」という情報をくれた。
しかし、曰く「背伸びしてチュッてできるくらいが良い」そうだ。メモ。
明日の修練会を観に来てくれると言ってくれたのは非常に有難いことだった。
レインさんには、修練会に来てもらうようお願いをしていたので、その詳しい話をした。
ジュリエッタさんにも聞かれたものだが、「俺がロクに詳し話をしなかった」わけではなく、「情報はない」のが正しいことだった。
ので、「自由にやってくれ」と言った後は、もっぱら俺が確認を取る方になった。
真剣勝負は行わないことや、手持ち無沙汰にしている者と積極的に訓練の声を掛けてくれること。
医者としての力も発揮してくれることなど、確認することが出来た。
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