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光。
そんなものに、俺はなれるのだろうか。
ただただ驚いていた、"自分の力で"という言葉に。その強い意思に。
辛くない訳がないだろう、力になってやりたかった。
けれど、もし会ってしまったら、優勝に対する不安を見抜かれてしまうような気がした。
気を使わせてしまうだろう。
俺も不安を露わにしてしまうかも知れないし、もし途中で負けたり死ぬようなことがあれば、きっと悔やむだろう。
今は何も返さずに居よう。
そして次に目にする姿が、優勝を成し遂げた姿となるように。
『ヘーゼルローズ』がペアとして初めて戦う相手は『ウルフシスターズ』だ。
歴戦の勇士シームさんと、お転婆妹のモラさん。(お転婆と言って、素地はやはり血筋と言うべきものがある)
この2人に対向する為には、俺達の身軽さを足場に、俺達の魔法を矛として使っていかなければ。
だが、それは一筋縄で行くことでは無かった。
シームさんに対してもモラさんに対しても、奇襲と言えるようなタイミングで魔法を用いた技をぶつけた。
だが戦士としての判断力や身体能力からどちらも大きなダメージにはならず、大会の厳しさを思い知らされた。
モラさんを2人掛かりで攻めても落としきれず、シームさんからロゼッタさんの背後を守れば振り切られた。
俺の前に、シームさんと入れ替わるようにして立ちはだかるモラさんを退けるも、ロゼッタさんを助けることが間に合わない。
そして、俺にも決着のときが迫る。
シームさんを超えられなければ、きっとこの人は試合という場に於いてはセシリアよりも手強い。
このとき持てる力の全てで、この人の力を超えようと挑んだ。
目標に向けて道を作り、それを信じて前へ進んだ。
けれど届かなかった、俺の力は。
間違いなく思うことは、ウルフシスターズが相手で良かったということだ。
シームさんは戦士としての誇りを重んじる人で、とても良い、充実した、学ぶべきことの多い試合だった。
俺もロゼッタさんも精一杯やって、恥じることの無い戦いだった。
それでも、どうしようもなく悔しかった。
俺は……テレスに話してしまった。ネージュのことを。
口にする前に察して、止めてくれたのにも関わらず。
弱かった。勝てなかったし耐え切れなかった。
ともすれば、俺が求めていた"信頼"や"評価"を貰えていたのに。
そのどちらにも、結果をもって、身をもって応えることができなかった。
それでも、そんな俺に勝とうと言ってくれる。優勝を諦めないで居てくれるパートナーが居る。
まだチャンスを貰えている。
掴むチャンスを、応えるチャンスを。
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