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戦士としてはセシリアのように。
何かを護る戦いに於いて、その小さな体を酷使しているところを俺は見て来た。
護り抜くということに関しては、一角獣の名に恥じぬ意思の強さを見て来た。
彼女は護ることへ何処までも貪欲だった。
それが俺が疑う、フランソワや彼女の愛するカッツェさんに向けられることを怪訝に思うことはあっても、力そのものを疑うことは此れからもきっと無いだろう。
ネージュを助けるという目標の邪魔をしたい訳ではない、ただ戦士として向き合い、俺の優勝への貪欲さが何処まで通用するのか知りたかった。
動きの早い獣人との戦いでは、大抵此方が守勢に回る。
それはセシリアを相手にしたところで例外ではなく、速い=機先を制する事が出来るの等式を身を持って味わうことになる。
その攻守を切り替える事が出来るのが魔法……バウンス・ノーバウンス、俺の新しい力は棍の剛柔を自在に操ってセシリアを翻弄し、一撃を見舞うに至った。
此処まではピシャリと嵌った。
圧倒的に、俺はセシリアの戦いを見る機会に恵まれていたからだろう。
そして俺の魔法が打撃・衝撃に対して強く、見た目には分かりづらい効果を持つために不意を撃てるのだ。
むしろ、今の時点で劣勢では話にならない。試合は此処から始まると言っても間違いは無かった。
俺は木々の間に逃げ込み、セシリアの直線的な動きを封じ、アーシャの力でマーカーを付けながら優勢を深めるつもりで居たが、セシリアはその上を行った。
間接剣を巧みに操って木を切り倒し、俺の行く手を阻んだのだった。
追撃をなんとか魔法で弾くものの、あれが枝のようなものでなく、もっと威力のあるものであったらどうなっていたか分からない。
交錯の後、セシリアは属性球によって爆発を起こした。
チャンスを作るためにならリスクを問わない、力強い行動だった。
直ぐに気付くことが出来たものの上を取られる、迫り来る間接剣はアーシャの付けてくれたマーカーと、投げておいた属性球によって逸らすことが出来た。
そうして作った万全の迎撃も、セシリアのフランベルジュによる回転斬りが俺の想像のずっと上の威力が打ち砕いて行った。
苦痛を与える剣として知られるそれが俺の身を削ぐが、迎撃も無駄ではない。
上下に擦れ違う中、致命傷を避けた俺がやったのはセシリアの服を掴むことだった。
たったそれだけのことだが、俺のバウンス・ノーバウンスにとってはそれで十分であり、セシリアを地面に叩き付けるに至った。
決定打となったのかどうか、俺には分からなかったから、此処で決めなければとまだ立ち上がるセシリアへと遮二無二追撃をかけた。
それがセシリアの、戦士に対する礼だと言うことも分からずに。
そのくらいに必死だった、気付いた時には叫びながら蹴り飛ばしていた。
俺はそういったところも含めてセシリアを見ていた筈なのに……。
それでも俺を讃え、試合の後には何も残さないところに、俺は感動すら覚えていた。
観客の殆ど居ない戦いであり、試合の後はお互い怪我で街へ戻るのも一苦労であったが、ロゼッタさんが手を貸してくれたお陰で何とかなったことだ。
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