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ペティットに戻って来ていた。
実際には今すぐにでも旅に出て、暫く帰ってきたくないような気持ちだったが
グリンさんに剣をお返しする為と、お金のことをなんとかする為(情けない)だ。
寄生体を体に入れたことと、ヴェロナージとペティットの往復なので、俺の手持ちのお金はすっからかんだった。
ペティットに戻ってそうそう、この懐事情を解決しなければすぐにでも食うに困るところで。
先日の嵐でドックから海に出てしまった船を曳き上げる仕事を終え(まだ海は相当に冷たかった)たところで、リタ婆さんに出会った。
アポミナリア(アポイントのある皆はリア充)の冬から避難してきたというリタ婆さんと再会を喜び合った。
俺が金に困っているという話をすると、この日取り組んでいた仕事を手伝わせてくれた。
面倒見の良いというのは、こういうことなのだろう。
リタ婆さんはショタ萌え……はともかく、カッコイイもんだ。
ギルドの人間になったら、という話になっても、お宝は現場に眠ってるんだ自分で行かなきゃつまらない、だなんてまさしく冒険者で。
俺の不景気の理由も深くは問わずに優しい言葉を掛けてくれるなど……若い頃は大層モテたに違いないことだった。
リタ婆さんとの調査依頼を終えて夜、俺はリール商会に来ていた。
ミハエルさんに借金をお願いする為だ。
いざ来てみたものの、非情に気の重たいことだったが……
ミハエルさんは事情を詳しく聞かぬままに、300万Gものお金を貸してくれた。
冒険者であるから返済の確約もなく、担保になるようなものも持たぬ俺に、
3月の桜花遠征の際の護衛を引き受ける……ただそれだけの条件で。
御曹司に産まれたからと言って、こうはなれるものではない。
亜人狩りのときと言い今回といい、借りを作ってばかりだ、到底返しきれないほどの。
………
……
…
リタ婆さんにミハエルさん、良い先達に恵まれた。
俺は正式に借金を申し込む際には、事情を全て話すことと、これを返済し終わるまではペティットを離れないことに決めた。
リール商会には他にもアーペとオデットさんという二人のお客さんが来ていて、どちらもエルフだった。
付け加えて言えば、どちらも少年少女然とした見た目ではあったが歳は俺より上のようにも感じられた。
香辛料を見に来たというアーペは、見た目の可愛さ(半ズボンショタ萌えhshs)とは裏腹に、中々意志の強そうな感じのある人だった。
魔法的な感知力に長けているのか、俺の中の寄生体のことを見ぬかれてしまった。
(得意な人には見抜かれると分かって本当に良かった)
俺はペティットの人にこのことを知られたくなかったので、この場でアーペに「寄生体を眠らせてくれないか?」と頼んだ。
寄生体とて生き物、眠らせて活動を弱めることも出来るように思えたのだ。
アーペは出来るかも知れないが、どうなっても後悔はするなと言うが、俺は迷いなく任せた。
結果としてそれは成功し、感知もよほどでなければされなくなった。
俺は手にちゅーして貰って内心舞い上がっていたところだったが、アーペの口の端には血が伺えた。
「こういうやり方」なのだと言っていたが、平気だろうか。
ご飯にでも一緒に行こうと思う、予定がつかなければアーペの家にドーナツセットを届けるまでだ。
もう1人、最近この街に来たというオデットさんにも俺の中の寄生体は察知出来たようだ。
非常にマズイことだが、秘密にしてねと言ったら了解してくれたようだった。
(本当に秘密にしてくれることを祈る。ダートラディアさん等の耳に入れば一発で分かることなのだ)
この街で出来た友人に、祝い事のお返しにマントを買いに来たそうだ。
冒険者か何かの友人なのだろうか?俺も知っている人なのかも知れない。
と思ったらレインさんだった。
魔防タイプの外套を纏っていたら、女の子からのプレゼントなんでしょーってからかって……
いや、からかいにならないから何も言わないでおこう。
とかく、街に来てすぐに誕生日を祝ってもらえる友人が出来て良いことだ。
楽しい滞在になればと思う。
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