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半月ほど時は流れて。
僕自身もゴタゴタしていたのもあり、ダートラディアさんの行方は中々掴めなかった。
港の倉庫街に監禁されているということがハッキリしたのも、そう前のことではなかったが、ダートラディアさんがミスリルダストの所有物であることがハッキリした今、手を打ちあぐねていたというのが実際のところだ。
ミスリルダストがダートラディアさんを連れてペティットを発とうとしていることを知ったのも、この日になってからだった。
相変わらず手際の悪いことだ、俺は。
発着場で闇雲にミスリルダストの便を探したところ、幸運にも出発の準備をするセディさん(ミスリルダストの方、闘技大会でもお世話になった)を見つけることが出来た。
俺はなんとかダートラディアさんに会えないものかと、賞金を渡したいと言って食い下がったが、それはもう突っぱねられたものだ。
「権限がない」「権利がない」「オーナーの決定だから」
俺が無理を言って命令に背かせたとすれば、それはセディさんの死を意味するという。
絶対服従……ペティットに居たせいか、こんな単語は忘れてしまっていたが、それそのものがエプロンドレスを着て立っていた。
セディさんはそれこそ、機械のようだった。
しかし話が長引いたせいか話を引き継いだ青年は、セディさんに比べればまだ幾らか人間味があったが。
俺は交渉の為のカードというものは殆ど持っていなかったので、この時とっくに弾切れだった。
ただ出発の時間を引き伸ばし、そのときを待つことしか出来ないで。
ダートラディアさんを「買う」という最低な選択も、「今この場では無理だ」と言われてしまえば、何も言える事が無かった。
そのとき、燃え上がるような色をした大型の鳥(というか猛禽類)が飛んできた。
俺は全く心当たりが無かったのだが、俺への届け物を運んできてくれたらしい。
差出人は「カスパール」……要はバレットさんかその近辺からのものだ。
中身は「レスタンクール辺境伯」(まあまあ偉い人、という意味だ)からの書状だった。
「私はダートラディアさんを買い取るのに協力します」という内容の。
つまり俺は後ろ盾が出来た訳だ、辺境伯様の。
知り合いなのかなんだか知らないが、バレットさんがダッシュで取って来てくれた物なのだろう。
俺は、この書状を見せ、この場でオーナーと話が出来るか試した。
しかし無理だったので破いて捨てた。(オーナーと繋がったとしても、その時点で破り捨てたが)
俺は終わりにしたかった。
ダートラディアさんが誰かのものであるということを。
例えダートラディアさんがそれを受け入れていて、「そういうのもアリじゃね」って言われたとしても。
独り善がりだ。
全くもって子供のやることだ。
こういうことをしてしまったからには、覚悟を決めなければならない。
けれどそのとき、事件は起こった。
何者かがこの発着場を襲撃したのだ。強力な風の魔法で、害す意志を持って。
そいつは……遠目には緑色って感じで、女の人のように見えた。
飛竜達を暴れさせて、この辺りを無茶苦茶にしてやろうとしていたようだ。
セディさんやスージーさん(この人もミスリルダストのメイドさん)の活躍で、その魔女を撃退することは出来たし、何とかその場も収めることが出来たのだが……犯人の詳細は分からず仕舞いだった。
恐らくは実力でダートラディアさんをゲットしに来た、街の誰かなのだろうとは思うのだが。
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