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- Newer : 10/08 本城家にて
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廃教会周辺の人家では、失踪事件が何件か起こっていたようだ。
恐らく、例のグールもどきと関係のある事だろう。
調査の依頼が張り出されるのも、時間の問題だ。
情報収集の帰り、街の広場に立ち寄るとクラフさんと、東洋風の格好の女の子がベンチに座っていたのでお邪魔する。
クラフさんは夜勤の途中のコーヒーブレイクだったのか、二言三言しか交わせなかったものの、女の子の方とは幾らか話が出来た。
この子はサヤと言って、巫女をやっているらしい。
巫女というと、神官のようなもの(の中でも主に交霊(降霊?)とかをやっているのだったか)と記憶しているが、聞くに、冒険者と似たようなものだという。
冒険者(クラス:巫女)といった感じだろうか。
今日話した感触では、実に現実的な眼を持っているようだ。
慎重かつ大胆というか、中々戦うものとして好ましいものを持っている気がする。
しかし、冷静に見極める眼を持っていながらにして孤高なのはどういう訳か。
フランセットのように自分に絶対の自信があり、そのプライドから、「不可能」という単語が辞書に無い為に自分で全てやる、というタイプでもない。
得物は刀だが、少し装備に不安があるようだった。
先立つものも無いようで、最近この街に着いたのだろうと思う。
廃教会の事を話すと、興味を持ってくれたようだったが…。
そこに、幽霊の少女が現れた。(最初、幽霊だと思わなくて随分驚いたが)
幽霊の子はヤサ(サヤと似ていて面白かった)と言って、サヤと知り合いのようだった。
サヤは割りと気の強い方なのだが、ヤサの前ではたじたじだった。
小さい子に優しいんだなと言うと、怒られたが。
サヤから聞くに、ヤサの家におかしな悪霊が取り憑いていて(その大元は「人形」であるらしい)、ヤサは家に帰れなくなっているそうだ。
慈善事業でやっている訳ではないとか、友達という訳ではないとか、色々言っていたのに。
ヤサが「依頼にはお金が要るのか」と聞いた途端、「その必要は無い」と否定したサヤ。
目の前で困っている人を放って置けないのだろうか、そも、そういった性質でなければ、俺の様子を見て背負い込み過ぎではと思う筈も無いだろう。
好きでやっている事だから、と言う。エゴという物を分かっているのかも知れない。
助けてくれと涙を流すヤサを勇気付けるサヤの姿は強く美しいものだった。
気概のある子だ、芯が通っていて言葉の端々に何か越えてきたものを感じさせる。
最後まで、友達という単語に流されなかったことも。
その気概が何処からくるものなのかは、まだ分からないが…。
果たして、そんな姿を見て協力しないと言う事があるだろうか。
俺も出来るだけの事をすると言い、別れる。
帰り道の空は星が美しくて、小夜の言うように中々寝付く気になれなかった。
2011/10/08 ユベルティ Trackback() Comment(0)
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