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- Newer : 02/29 酒場にて
- Older : 01/07 広場にて
吹雪の日で、身を寄せ合うのに丁度良い日だった。
人と人との間に吹く風の量を測るのに、丁度良い日だった。
事の始め、魔物との騒動があったのだけれど。
こんな雪風の日、通りすがってくれたジュリエッタさんとジャックさんのお陰で事無きを得た。
ジャックさんは狩人で、魔物との付き合い方に関して実に現実的な考え方をしていた。
しかし、俺やジュリエッタさんの意向に合わせてくれるなど、優しい人のようだった。
狩猟用の銃を持ち、実に手馴れた様子を受ける。
従についてとても詳しいようだ。
その後、件の黒兎の獣人(エレナ?)も現れて…。
俺はお節介で、余計な事をしただろう。
今思えば、二人は二人で、あのままでも、自分達で距離を掴むような気がした。
結果を急いで、苦痛を強いただけだったろうか。
黒兎の獣人の考え方は、線引きが決まっている、傭兵らしいものだ。
今回の事も「そんなの関係ない、何故気にするのか」と、言われるのかと思っていた。
しかし、現実はそうでなくて、寂しげな表情さえ見せていた。
ジュリエッタさんとは、お互いに謝ってばかりだ。
しかし、この街でなら、それも俺に限っての事ではないのだろうが。
どこまで聞こえていたかは分からないが、ジュリエッタさんも、どうしたら良いのか、気持ちの整理が付かないようであった。
黒兎の獣人の方は、こういった人付き合いが不慣れな為のように見える。
だが、ジュリエッタさんの心の内に何があるのかは計り知れなかった。
怖いだけならば、ほっとするところで。
単に「誰とでも仲良くすべき」というような「良い子」であるだけのようにもまた、見えなかった。
不思議だった。
それに、黒兎の獣人を見る瞳が、まるでその中に自分を見ているような節もあった。
この人は、よくそんな目をする。
これも不思議なところだ。
しかしながら、この場この時は、また、人をつらい気持ちにさせてしまったんだなあと思って、どうしようも無かった。
俺はどうしたって、あのときから成長していないのかな。
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