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2025/07/08

7/30 仕立て屋【Arcolaio】にて

此処のトコロ野外で活動することが特に多く、夏場に外套としているケープを枝に引っ掛けてしまっていた。
そこで、ペティット近郊にあるという仕立屋に繕いをしてもらおうとやってきた。

時間が時間だったので、物と代金を置いて行こうと思っていたのだが、幸運なことに店主が居て。


 店主はノルンというエルフで、店は趣味の延長でやっていると言った。
俺は街に行かずに過ごしていたため、お金に変える前の品で代金を払おうとして交渉、最終的に妖精の花園で手に入れた妖精さん用の防止で決着をした。

という商談をしていると、ラゼットがやってきた。
ノルンさんにお菓子を買ってきたようだったが、俺を探していたという。

賞金か?イェンスさんに協力しているのか?と最初は思ったが、ミツキ、アウロラさん、ホフマンに協力を頼んでいるとラゼットが言ったことで、その疑惑は消え去った。
俺を危険だと思っているのなら、ミツキやアウロラさん、ノルンさんに協力を頼んだり、ましてや協力してくれていることを告げたりはしない。

というか、ラゼット自身は俺のことをギリギリ疑っていたようで、それを告げることでカマを掛けていた節はあるが、掛かるものを持っていなかった。


 ラゼットが俺を探していた理由はイェンスさんの情報を得る為だったようだ。
傍らに連れていた猫獣人の子と何か関係がありそうではあったが、ヘラジカの角亭で話をすることを約束してこの場は別れた。
幾ら協力者と言っても、此処でする話ではない。


 3日後、店へケープを受け取りに行ったが、見違えるように修繕されていた。
修繕どころか、何をどうしたのか様々なことが施されているのを感じる、種々の耐性を加えてくれ
おまけにいい香りのするアップリケまで付けてくれたようだ。

帽子の代金分の仕事としては実に値段以上であったと言える、まさか、装飾品としてではなく
装備品として改良を加えて貰えるとは夢にも思っておらず、着られるようにしてくれればと思って頼んだことだ。
恐らく、客を冒険者だと見て、してくれたことだろう。
良い職人であることは間違いがなかった。




お相手頂いたキャラクター… ノルン ラゼット

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2013/11/15 ユベルティ Comment(0)

7/20 森にて

森を歩いていると、ネージュの姿を見つけた。
ネージュは遠く旅に出ていて、会うのは1年ぶりのことだ。


 このときネージュは弓の練習をしていて、それも、だいぶ集中しているようだったから、俺はそれを少しの間見ていた。
1射目を少し外してしまった後、2射目に中々向かえないでいる姿を見ていると、こちらまで緊張をして
つい「落ち着いて」と言葉が漏れてしまった。

小さな声だったのだが、ネージュは集中していて感覚が研ぎ澄まされていたのだろう、「どうすれば落ち着けるのか」と、此方を振り向かないままで。

この集中を乱してしまうのが怖かったのだが、俺は口を開くことが出来た。

そして、ネージュが静かに頷き、放った矢が的を射て世界に音が戻るまでの間
俺は自分がこの場に居ることすら不思議な気持ちだった。

ときどきこのように、はっとさせられる瞬間がある。
普段からは想像も出来ないような、強く美しい一面。
これは旅をしてきたからというだけのものでは無いだろう。

広場だったら、らんらららんらら小躍りしてぐるぐる回っていたかも知れないが、こういった再会だったため、お互い緊張から解き放たれて「あ~良かった」と安堵したタイミングでの挨拶となった。


 久しぶりに会うネージュは、(先程のこともあり)一回りたくましくなったように思えた。
以前までの、広い世界を夢見て旅立ったばかりのお嬢さんというイメージは徐々に覆されつつある。

しかし、その現実的でないイメージは、実際、俺にとっては好ましいものだった。
その"甘さ"は、俺が好きなものであり、実に苦しめられているものでもあるからだ。

だから、その甘さを見ていたいとも思っていたのだ、それを残したまま変わっていくのか、切り捨てるのか、興味のあることだ。


 そしてその変化の一端か、弓の練習を「もっと頑張る」と言う。
理由に特別なものは無いというが、旅の中で様々なことをもっと頑張らなければ、と思ったそうだ。
きっとそれは現実的なことであり、大人になろうとしているのかも知れない。


 変わっていないところも勿論あった。

素直に人を尊敬することが出来るというか、世辞でなく、狡猾なところも感じられないもの。
他人のことを良いように捉えられる、とでも表現するのが良いのか、上手い言葉が見つからないが。

それを言葉にして相手に伝える、日常的に行うということは、俺は中々大変なことのように思える。
何しろ相手を褒めたところで、俺のようなひねくれ者からは「そんな事はない」と否定されることも多いからだ。
(ここで謙遜をするのは桜花的な精神とよく言われるが、港町であるペティットではまま見られる)
最初から口にしなければ、自分が傷つくこともない。

返報性の原理から言って、相手を良く言う方が自分の得になるし、良く言われたときも否定するよりは感謝した方が得になる。
そうだと分かっていても、中々出来ることではない。

悪い点を見て生きるよりも、良い所を見て生きる方が善いと思っている人間にしか出来ないことなのかも知れない。


 他、旅の間の話……は、あまり時間がなく出来なかったが、旅の間に交換した物の話をした。
ネージュから貰った「魔法の雫」を俺が勿体ぶっていて中々飲めないでいる話だとか、俺がミカちゃんから貰って贈った簪のことだとか。

簪について、俺が「近くに居ない相手との繋がり」として贈ったものだから
「旅に出て行かなかったら他の人に贈ったか」とネージュは言った。
(ミカちゃんのセンスが余程良かったのだろう、貰えなかったとしたら残念だというくらい良いものだとは思わなかった。さすが女心が分かっているということなのだろうか)

答えは恐らくイエスだったろう。
勿論、同じ街にいる相手なら手紙や物を送らずとも会いに行けば良いのだし、それに
女の子に対して身に付ける物を贈るのはレベルが高いとは良く聞いたものだ
街から離れていたからこそ、顔もリアクションも見えないし、えーい、贈ってしまえ!と思うことが出来たのも大きな要因だったからだ。


 ただいまが聞けて良かったし、おかえりと言えて良かった。
だが、このことで俺は前にも増してネージュの旅の理由が気にかかるようになった。




お相手頂いたキャラクター… ネージュ

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2013/11/15 ユベルティ Comment(0)

7/17 妖精の花園にて

妖精の花園に迷い込んだ日のこと。
妖精たちのお茶会に招かれ(巻き込まれ?)た後、飽きっぽいタイプだった妖精たちは片付けもそこそこに他の場所に言ってしまったので、これ幸いとその場でうたた寝をしていた。

追われている身だと思えばおいそれと昼寝も出来ない日が多く、此処、妖精の花園のように来ること自体が困難な場所というのは、今の俺にとっては絶好の休息場所となった。

うたた寝しながら、久しぶりに過去のことなど夢に見ていたとき……同じく迷い込んだらしい蛇獣人のエリュテイアさんがやってきて、少し話をし、共に妖精の花園を出た。


 不思議な眼をしていて、ゆっくり喋る。
純白の髪と白い肌に包まれた赤い瞳はアルビノらしい特徴ではあるが、エリュテイアさんの眼にはそれに留まらない印象を受ける。

そこに"視線"というものがあると、肌で感じられるような。
エリュテイアさんに見られていると、ムズムズと落ち着かない気持ちがするものだ。
魔法なのかとも思ったのだが、獣人だと言う、そういった特徴のあるものか。

折角、お茶会の後が片付けも為されずに残っていたので、そのままお茶を振る舞うことにした
といって、僕が用意したものでなければ、残っているものを漁った結果はただの水、風情どころかお茶すらなかったのだが……エリュテイアさんはよく嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれたものだ。
(強い渋みも、強い甘みも苦手だという。これも種族柄か。此処のトコロ食の違う獣人と続けて会って興味深いことだ)


 普段は狩人をしており、獲物の少ない季節には冒険者をして生計を立てているという。
そしてこの時期(夏いっぱいと言っていた)は冒険者をしている季節だからか、俺がイェンスさんに賞金を掛けられていることも知っていた。

掛けられた額が小さいこと、イェンスさんが俺を悪人に仕立て上げていないこと……正直なところ、本気で俺を消してやろうとか、そういったつもりでは無いのだろう。

だからこうして、知っている人の殆どはこのように接してくれる。
必要以上にビクビクする必要も無いのだが、もしイェンスさんの前に出て行ったとして
俺はきっと、次はこの程度では済まないことをするに違いなかった。
だからいっそのことピンチをチャンスに変えようと思ってはいたが、中々手を打てずに居た。




お相手頂いたキャラクター… エリュテイア

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2013/11/14 ユベルティ Comment(0)

7/12 川にて

イェンスさんが俺に掛けた賞金を取り下げたようだと知った。
だが、そうして安心させたところを……ということもあるので、もう少し様子を見て街には戻らずに居ることにしていた。

そんなとき、俺に対して手紙がやってきて。
手紙はリフェリスからだったが、中身を見る前に、そこに偶然姿を見せたセシリアと話をした。


 セシリアは俺がイェンスさんに探されていたことを知っている風ではあったが、特別心配する風なこともなかった。
俺とセシリアは大抵、こんな感じでいるような気がする。

何か問題があっても相手にはそうそう言わないし、相手に何か厄介事があるだろうときも、相手が口にするまではおいそれと聞き出すようなこともしない。

それこそ、最近のファルベリア(ヴァイス)のことのように、いざとなって始めて頼る。

それはある程度信頼し合った仲だからだと思っているが、同時にそれはやはり「ある程度」なのだと、俺は自覚をしている。
どこかよそよそしい信頼だ。

そしてその原因が俺にあるだろうということも、自覚していた。


 手紙の内容は俺を心配してのものだった。
こう心配してくれているとは思わなかったからとても嬉しかったが、それと同じくらいリフェリスに悪いという気持ちになった。

手紙を受け取ることも返すことも、逃げ回るにはちょっとしたリスクではあるのだが……俺は返信することに決めた。

精一杯考えて書いたつもりだったが、出来上がったものは俺から見て、やはり欺瞞に溢れたもののように思えた。
「気にするな。関わるな。家にいろ。」
そうならないようにと思ったつもりだったが、それが逆にいけなかったのだろうか。

この時の俺にはこれ以上打つ手無く、そのまま家に届けはしたが、どのような気持ちでこれを読んだのだろうか。
酷いことをしているかも知れないという気持ちはあれど、直接言われなければ、俺は向き合えないのかも知れない。(この街に来てからもそうだったような気がする)


俺から問うことは、とても出来ないが。




お相手頂いたキャラクター… セシリア

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2013/11/14 ユベルティ Comment(0)

7/5 森の奥の泉にて

イェンスさんに「ちょっとツラ貸せや」程度に探されていたのは少し前のこと。
それを知らぬままに冒険に勤しんだ結果、運良く見つからずに幾らかの時間が過ぎた。

そして、中々姿を表さないことに対してイェンスさんが取った手段は「俺に賞金をかける」ことだった。
"生け捕りで5万G" 一週間以内に簡単に捕まえられるなら、中々割のいい仕事になるだろう。

冒険者同士、互いに優劣を付ける機会を伺っている者も居る。
こういったことを口実に"ユベルティを捕らえてやった"という実績を作りに、面白半分で追ってくる者も居るものだ。
(そういう奴らの半分くらいは5万G払えば見逃してくれるけど)

だとしても何だとしても、賞金を掛けられて追い回されるというか、街に出入り出来ないのはとてもつらいことだ。
旅の途中であれば、さっさと次の街に向かえば良いのだが、今はペティットを離れたくない理由もある。


 そういったことを、森の奥の泉で悩んでいたら、ハヴァラーラさんと言う蜘蛛の獣人に出会った。

言葉の綾で自分のことを「雌猿」と言ったりもしていた、
人のことを猿と言うのはままあることだが、蜘蛛獣人が口にするとなんとなく不思議な響きだった。

蜘蛛獣人 ←わかる
蜘蛛猿 ←一気にキメラ感が倍増、何故なのか?

そんなハヴァラーラさんは人を喰うこともあるようで、俺のことを食料とか肉とか出会い頭には冗談で言っていた。
俺はそのままのんびりと食生活の違いについて意見を交わしたいところだったのだが
ハヴァラーラさんは俺にマスケット銃を向けた。

俺に賞金が掛かっていることも知っていたが、何か"聞きたいこと"があると言う。
イェンスさんとのことか?銃を向けなければ聞けないようなことなのだろうか?と、思ったが

「ハヴァラーラさんが人を喰うことに明確な罪悪感を持っていないことを忘れられるか、どうか?」

そのように言った。
この人も気が動転していたようで、出会い頭に「うわー!なんだこれー!食料ー!」なんて言ってしまったからと言って、律儀にも人の肉を喰うことをそのまま流れで話してしまって後悔しているようだった。

しかし俺はこの事を聞く中で、ハヴァラーラさんが人の肉を喰うことが他の獣を食べることと違うことを自覚し、それをコントロールする事が出来ると知っていたから
(人を喰うことが抵抗なく出来るからと言って、人を傷つけるかどうかはまた別の話だ)

ハヴァラーラさんが無闇に人を傷つける(喰う)のではないように、俺もハヴァラーラさんを無闇に傷つける(人肉食と言いふらす)ことは無いのだと言い、それを信用して貰えた。

俺が「忘れる」と言えばそれを信じると言うことだったが、俺はそういった信用は嫌いだ。
盲信は善ではないと思うからだ。


 ハヴァラーラさんは、一族では人喰いが禁止されていることに納得出来ず、そこを抜けだしてペティットに辿り着いたようだった。
真面目な人のようだが、このことにどういった答えを出すのだろうか。





お相手頂いたキャラクター… ハヴァラーラ

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2013/11/14 ユベルティ Comment(0)

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