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2025/05/24

8/24 南の島にて

仔猫ちゃんを連れて南の島へと旅に出た俺は、まずは情報収集のためにと喫茶店に来ていた。
俺が店主に辞書を渡し、「この言語と共通語の両方が分かる人物を知らないか」と尋ねると、俺と仔猫ちゃんを店に待たせたままで席を外してしまったので、そこで待つことにした。
そのときばったりネージュと会って…。


 ネージュは依頼で此処に来ていたようで、この島の北の方にある現地のケーキをペティットへと持ち帰るのだと言う。
お互いの旅の訳を喋った辺りで、店主とは別の、青い翼(南国に居るオウムなんかのような色鮮やかなものだ)の鳥獣人の店員が店の奥から出てきた。
店主の代わりに出てきたこの男は仔猫ちゃんの言葉が分かった。
(というかこの時点で気付かなきゃいけなかったんだ、俺は馬鹿だな)


 結論から言ってしまえば、此処で仔猫ちゃんの名前と、その故郷の名前が分かる。
名をニ・カトゥ・アラデメヤナ 故郷の名をメル・バムと言った。

故郷の名が簡単に分かったのは、ネージュの行ってきた「北の方」というのがペッラ・メル・バムで
そこで貰ってきたというクッキーをカトゥが覚えていたためだ。

ペッラ・メル・バムは「次のメル・バム」という意味で、2年前に大きな火災があったメル・バムから移り住んだ人達による集落だ。
カトゥは火事や移民の事は知らなかった。だが場所が変わっても文化は直ぐには変わらない、元の「メル・バムの味」を覚えていたということだろう。

そのため、ネージュと会うこと無く闇雲に故郷を探していたらきっと、元のメル・バムへと向かい
そこで初めて火災のあったことを知ることになっただろう。
かなりの時間短縮に繋がった筈で、非常にラッキーなことだ、何かお土産を持って行きたいと思う。
(会計も一緒で良いと言ったのに自分で払っていたし!とはいえ、行ったことのある場所のお土産なのだが)


 ガイドを頼みたくもあったが、依頼でペティットに戻らなければならないネージュが店を去った後、俺は店員を詳しい話をした。(火災のこと、奴隷のこと)
ネージュが居なくなってからしか出来ない話ではなかったが、店員を含めた俺達はそれとなく、"そういう話"を伏せてしまっていた。
ネージュも踏み込んで来ることが無いからこそ(それは礼儀正しいことだ)、自然とそうなってしまうだけだが……。
(実際、現地へのガイドから、家族の様子を俺が下見している間カトゥを見てもらうとか、手を貸して貰いたいことはいくらもあった)

 店員は非常に良くしてくれた。
ペッラ・メル・バムのことだけでなく、この島では未だに奴隷制度の色が強いこと、店主が保安官を呼びに行ったのではないか、ということ(お陰で準備をしておけたので、むしろ協力を仰げる結果となった)、カトゥを一時なら預かってもいいなど。

甘いコーヒーと、ネバネのパンケーキも美味しかったし、島を出る前に礼に来たいと思う。




お相手頂いたキャラクター… ネージュ 青い翼の男

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2013/11/23 ユベルティ Comment(0)

8/20 ペティット港にて

女の子は荷物が多いもの。
それを普段、俺のような男が感じることは少ない。
せいぜい、支度に時間が掛かるとか、そのくらいのことしか実感しない。

だが、旅となると話は別だ。
この仔猫ちゃんについても例外ではなく……っていうかマジで多い。

おめかしして、お気にの小物をぎゅっと詰めたカバンを持ってというのは、仔猫ちゃんは大層楽しんでいたようで、この心憎い贈り物は俺が想像していた何倍も何倍も素敵なものであったのだと、このとき感じた。

俺用のポケット辞書付きだなんて、心憎いにも程がある。
ホスピタリティ!

とまれ、こういったところがあの人の人徳と言うのか、不思議な魅力の元、或いは一部なのだろうと思うことだ。
俺が借金をしているというのに、演出を快く許し応援してくださるミハエルさんにも感謝しきりである。


 俺は生き物に名前を付けるというのが非常に苦手だ。
優柔不断だからというのもあるが、特に、他に名前がある者に対して新たに……というのはとても気が引ける。
以前、それで苦い失敗をしてしまったこともまた、俺を臆病にさせていた。

ペティットから出発する段になって、仔猫ちゃんがラゼットの事を気にしていた。
それも当然のことで、奴隷商人からこの子を連れ出したのはラゼット、俺はラゼットに頼まれているとして、この子に説明をしているからだ。(通じないなりにだが)

実際のところは、ラゼットは俺が再誘拐したこともまだ知らないのだろうが……俺は、またきっと会える、俺が連れて行くからと言って、船に乗せ……


 そこに、ルトナさんがやってきた。
通りかかったのではなく、なんと出発のついで見送りに来てくれたのだと言う。
ヘラジカの角亭に居たときに、今日出発するのだとは話したが、まさか見送りに来てくれるとは思わなかった。

ルトナさんも俺も旅人、見送りのない出発なんて、すっかり慣れてしまったことなのに。
旅の守りとして、トルコ石をくれた。
戻ってきたらまたプチ・リブレとして公演をしよう、芸術祭という舞台で。
そう約束をして、それぞれの旅へと出発をする。

最近「ただいま」を貰ったと思ったら、今度は「いってらっしゃい」を貰ってしまった。
こんなに自然に受け容れられる言葉達があるなんて。




お相手頂いたキャラクター… ルトナ

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2013/11/22 ユベルティ Comment(0)

8/18 夏祭り会場にて

仔猫ちゃんを連れ、リフェリスと約束の散歩に出ていた。
天候は今ひとつであったが、海辺についた辺りで夏祭りのことを知り、会場へと向かった。

夏祭り会場ではルトナさんがゴールドフィッシュ掬いなる露店を出していて、同じく祭りに来ていたヨハネやギガトールさんと共に、ゴールドフィッシュ掬いに興じた。


 ルトナさんは旅する先々、祭りのあるところに現れてはこういった商売で路銀を稼いでいるのではないかと思うほど堂に入った様子で屋台の兄ちゃんとなっていた。(強面の知り合いもいらした)

露店のゲームと言えど換金も可能で、魚によって特徴もあり、ポイも数種類用意されている。
そして露店の醍醐味とも言える店主との駆け引きの楽しめる店だった。
ルトナさんはエルフ(ハーフエルフ)だが、非常に人間くさいので育ちは人の街なのだろう。


 ヨハネは実にお祭を楽しんでいた。
一緒にゴールドフィッシュ掬いをやったが、ひたすらに最も難易度の高いことに挑戦し続けていて、最後にはそれを成し遂げてしまった。
ヨハネは中々運の良いところがあり、しかもその自覚があるタイプと言うか。

途中までは何度も何度も失敗して、落ち込んだり奮起したりといった様子はとても、その歳らしいと言うか
非常に無邪気で、見ていて楽しいものだった。
(なんだか親近感が湧いたのか、仔猫ちゃんもつられて楽しそうだった)


 ギガトールさんもお祭り好きなもので、ゴールドフィッシュを教会へのお土産にと掬っていた。
俺が仔猫ちゃんの故郷を探しに南の方へ行くと聞くと、俺に人探しを依頼しようとしてやめた。

何故口にしかけてやめたのか、俺が、探し人はどんな人なのかと問う前にさっさとその場を離れてしまう辺り、俺が適任でないと思ったと言うよりは何か別の事情があるような気がする。
踏み込むのは少し野暮ではあるが、南の島で「2mの神父を知っているか」と聞いて引っ掛かりでもしたら問うてみても良いかも知れない。


 リフェリスは俺が仔猫ちゃんを攫ってきたことについて、最初のうちは結構心配(俺がどうかしてしまったのではないかという意味で)していたのだが、話を聞くにつれて心配事は遷移していった。

俺が「もしかすると仔猫ちゃんの帰る家は無くなっているかも知れないけれど、それでも連れて行く」と言えば誰もが「そのもしかすると、だったらどうする?」と俺に訊く。
リフェリスもそうだった。

俺は決まって「他に手段が無さそうであれば、不本意ではあるが生活を共にする」というように答える。
別にこの子と暮らす事が不快ということではないが……
そこで時間が経てば選択肢が増えるのだと、自立出来るようにしてやればいいのだと気付かせてくれたジュリエッタさんには頭の下がる思いだ。


 リフェリスも何をか思うところがあったようだけれど、口にはしなかった。
特に、そうなった場合はペティットを出ると言ったことを気にしていたようだったが
幾ら落ち着いたとはいえ、イェンスさんの居る街で堂々と二人して生活している訳にはいかない
どうしても決着を付けてペティットでの生活を勝ち取らなければならないほど、仔猫ちゃんにとってペティットは重要な街ではないのだから。

このとき初めて聞いたのだが、リフェリス自身が転居を行うことも関係していたのかも知れない。
お兄さん(兄が居るというのも初めて聞いた!純エルフだそうだ、異母兄弟だか何だかなのだろう)がこの街に来て店を持つというので、そこで一緒に住み、店の手伝いをするとのことだった。


 俺はリフェリスに「何かやりたいことは無いのか」と聞いた。
というのも、リフェリスの歳に関する話を聞いてからというもの、俺はその「やりたいこと」を成し遂げさせてやりたいと思ったからだ。
俺はやりたいと思ったことは早速やってみる主義だが、リフェリスはどうも(寿命の割にというとブラックジョークなのだが)少しのんびりしているので(良いところでもある)、よーしここは1つ俺が、という恒例のお節介だ。

聞くだけタダ、出来そうなら協力しようと思ったことだが
リフェリス曰く「やりたいことというか、できたら良いなということならある」だそうだ。

まあ、こういう事を急に聞かれると中々恥ずかしいものだし、また聞いてみようと思う。




お相手頂いたキャラクター… リフェリス ルトナ ヨハネ ギガトール

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2013/11/22 ユベルティ Comment(0)

8/14 イストーリヤ私立図書館にて

俺はラゼットの動向を伺っていた。
冒険者であるラゼットが1人で、逃げようと思って逃げていればその足取りを追うのは難しいことだったろう。
しかし、仔猫ちゃんを連れているのならば、その難易度は格段に下がるものだ。

そうして、郊外のリラクゼーションサロン「アリエス」に仔猫ちゃんを連れて入り、1人で出てきたところを目撃した。
イェンスさんに引き渡したのだ。
交渉の結果がどうなったのかを知ることは無かったが、店内の様子を伺うに仔猫ちゃんも、イェンスさんも(連れの人は居なかった?)気持ちよさそうに眠っていたので、仔猫ちゃんをそっと攫った。

店員には見られたが、そのくらいの方がラゼットへの疑いが晴れやすくて良い。


 こうして俺は仔猫ちゃんを誘拐して、その故郷のことを調べるために図書館に来ていたのだった。
ラゼットとの情報交換のときに顔を合わせていて本当に良かったと思うが、保護者がコロコロと変わるというのは本当に可哀想なことだ。

とまれ、この子と意思疎通が出来なければ始まらないと、本を頼りにしているとき、ジュリエッタさんがやってきたのだった。
まさに助け舟と言ったところか、交易商を身内に持ち自らもその手伝いをしている人にこのタイミングで出会えたことは幸運に他ならない。

(そして"頭の良さそうな声"というのはきっとある。人間は条件反射で声を出しているときと考えて喋っているときとで声が違うと思うからだ)


 ことの成り行きを簡単に話すと、早速、この子の使っている言語を特定するアイデアをくれた。
辞書を片っ端から持ってきて、見せる、または読み上げて、仔猫ちゃんが見覚えがあったり、聞き覚えのあったりするものを特定しようというのだ。

題材は「ネコ」というか、これも咄嗟にジュリエッタさんが決めた、なかなかどうして機転の利くもので、幾つかの言語を試した結果、ペティットより南の方、アムーガ諸島辺りで使われている言語に仔猫ちゃんは反応を見せた。
(辞書を見せる、絵を描く、発音する。あらゆる手段を直ぐに試すスピードは俺を圧倒した。戦いや冒険において同じようにできるかどうかは、単に"慣れ"や"興味"の問題だ。多くの人にそういった力はある。ただ、戦いや冒険という領域では本来の力が出せていないのだ)

大まかなアタリがついたのはかなりの前進だ。
後は現地に行ってから通訳を見つければ、きっと此処に居る何倍ものペースでこの子の故郷に近付けるだろう。


 更に、ジュリエッタさんは仔猫ちゃんを一時預かっても良いと申し出てくれたり、生活必需品を贈ってくれたりと、協力を惜しまずに居てくれた。
その贈ってくれたものと言うのがまた凄くて……まさか荷物箱1つに対して、筆舌に尽くし難い、なんて言葉を使うとは思っていなかったが、いっそそれは宝箱だと言って差し支えなく、沢山のものが詰まっていた。
(仔猫ちゃんが普通の精神状態だったらきっと半狂乱でこの小包にダイブしただろうに)

どうして此処までしてくれるのだろうか。
仔猫ちゃんが可愛そうで?奴隷に対して何か思うところがある?
そのどちらと言うよりも、そうするのが当然だからと言うように自然にこれを行ってみせた。
とても自由に。

 俺やラゼットとは何かが違う。
この人の方が精神的に大人だと一言にしてしまって良いものだろうか。

俺が数多く居る奴隷のうち1人2人を助けることは単なるエゴで、その場に居る他の「選ばれなかった」奴隷の気持ちに耐えられないと話したとき。
ジュリエッタさんは迷い無く、ゼロより1が良い、自分はそうする、次に繋がるかも知れないと言った。
それが口だけのことでないことは、亜人狩りのときに分かっているが……。

ラゼットが言ったように
無価値な……自分にとって不利益にしかならないような奴隷に関わらないこともまた"常識"だ。
そうした事によって責められる、理想に沿わなかったことで責められるのは、立場のある者だけだ。

例えばそれを一国の主が行ったとしたら、人道的でないと非難されることだろうが、一市民はどうか?
自分の命や利益を危険に晒してまでそうする義務は無い、仕方のないことと思われるだろう。

周囲から責められることの無い人間がそれをやるには、自分で自分を責めなければいけない。
この人はそれが出来る。いや、その力が強いのではないかと感じた。


ニックネームを付ける力はあまり無いのかも知れないが。




お相手頂いたキャラクター… ジュリエッタ

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2013/11/21 ユベルティ Comment(0)

8/12 海にて

海に来ていた、海大好き。

そこで出会った。
「会ったことがあるってことは覚えているけど、名前もいつ何処で会ったのかも覚えてない人」にッ!!

かなり厄介な部類だ、知らないフリも出来ないし、かと言って忘れましたと言うのも失礼だ。
どうしたら言いのだ……と俺は悩んだが、その悩みは1分と経たずに消え去る。

なんとラッキーな事か、相手も丁度俺と同じような悩みを抱えていたからだ!
良かった、影が薄くて!

ということで、改めて自己紹介をし合い、ビーチバレーボールを使って遊んだりした。
エリーさんと言う魔女っ子は、突然ボールを放ってもノってくれて、ノッてくれるどころか普通にバレーで返してくれた、結構運動神経が良い。

何処で会ったのか、結局思い出せなかったが
どっか依頼で会ったことにして2人でかき氷を食べながら一緒に不思議がっていた。

どっちが先に思い出せるかという勝負をしてみたけれど、結局ダメだった、何だったのだろう。




お相手頂いたキャラクター… エリー

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2013/11/21 ユベルティ Comment(0)

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