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- Newer : 07/13 教会前にて
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イベント事でもないのに剣を持たずに外出するのはいつ振りだろう。
マントも無く非武装なのが一目で分かる状態で。誰かを訪ねる訳でもないのに。
一日、冒険者で居ることをやめてケーキを食べに行った。昼下がりにもゆっくり時間が持てるこういう時だからこそ。丁度小雨がぱらついていて、お店も空いていそうだったし。
あの時はファリアに、「おやつタイムの主婦の皆さんと情報交換」なんて言ったけれど全くその気になれず。雨の音も聞かずにぼんやりとフォークを口に運んでいた。
でもルゥナディアさんが来て、アンリが来て、男前のサロメさんが来て。それで楽しくお茶会でもしているようになって。最初は男一人で、それもケーキが大好きで来たという風でもなくぽつんと居たのに、酒場とは違う華やかさがあるのだろう、俺が女の子だったらもっと馴染めたろうに。
アンリは居るだけで場が明るくなるようで……なんて言い方はよりも、実際に、この日はずっと俺の気持ちを明るくしてくれた。
人を泣かせることよりも笑わせる方が難しいと言う、明るい事は尊いと俺は感じる、じめじめとした俺の悩みをどろどろと聞かせられなくたって、同じかそれ以上に感謝している。
俺も明るさで人を笑わせられるようになれると良いが。
ルゥナディアとは、半ば腹の探り合いのような冗談(ルゥナディアにそのつもりが無いとすれば、それは俺の深刻な認識違いだ)を飛ばしあって。
彼女にしてみれば友達の友達にあたるアンリと仲良くなったのは嬉しかった、友達と友達が仲が良いことほど心休まる事も無いかも知れない。
アンリの方がルゥナディアよりも背がずっと高いけれど、ルゥナディアの方が年上のようだ。何だか見ていて面白い。
サロメはこの日初めて会ったけれど、竹を割ったようにサッパリとした性格をしていて話していてスカッとする。感情こそが力、感情を縛られない為の自由…。
近くにいて話していると、本当に火のようで熱される思いだ。今の俺には少し熱くて手を翳してしまうけれど、見ていると勇気が湧いてくるようでもある。
俺の心の内の何かが取り除かれた訳ではないけれど、行動する為の力は貰った。まだ少し、赤禍ツ以外へと刃を向ける事へは恐れはあるし、自信はあまり無い(それにやはり合わせる顔も無い)が…そこは誤魔化しながらやるしかない。乗り越えなければ、俺はミルフィーユ以下のスカスカ野郎だ。
2011/07/13 ユベルティ Trackback() Comment(0)
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