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この日はヒッキーの日だったので、敢えて外に出てみた。
いや、ハッキーの日……もとい、フッキーの日だった。
つまりホッキーの日だったので、広場のベンチに呪いのホッキーを置いてきたが、誰が被害者になってしまったことやら。
さて、このときは闘技場にて大会に関する打ち合わせをした後だった、そしてこの間、闘技場で感じた違和感をコッソリ確かめようと思ったのだ。
けれどそれは、シェリ君が通りがかったことで取りやめることとなった。
シェリ君は奇妙な絵本を持っていた。
奇妙と言っても魔法的にどうこうと言うのではなく、描かれている内容が奇妙だった。
よく言えば「キモカワイイ」生き物がたくさん描かれている絵本だった、こびとがどうとか。
それを可愛いと思うだけなら、おお、シュール系が好きなのだね、と思わないでもないのだが
それを「ユベルティに似てる!」「こっちはマリア!」とか言うのだから苦笑いするほかなかった。
正直なところ全然似ていないと思うのだが、シェリ君の中では人に対するイメージにおいて「色」が大きなウエイトを占めているのか、ちょっとくらい似ていなくても自分の好きなものに当てはめて考えようという気持ちなのかは、分からなかった。
いや、だがシェリ君いわく僕とこの変な生き物は「そっくり」だそうだ。
運動で疲れることは嫌いだと言うが、頑張って主張をするのはそんなに嫌いじゃないのかも知れない。
その他に、背が伸びるにはどうしたら良いか?というような話をした。
シェリ君の家族は背が低いわけではないが、シェリ君が家族で一番背が伸びるのが遅いらしい、難儀なことだ。
そしてシェリ君は街に戻るというので、連れ立って戻った。
この日は、ミツキと、ミツキを紹介してくれたバレットさんと、スポンサー契約についての話し合いの日だった。
運営事務局~なんて大層な名乗りを上げているものの、その「事務所」が無いので、酒場や喫茶店が話し合いの場所になってしまうのだ。
酒場には先客として、シェリ君とヘレンさんが居て、途中でマリアさんもやってくれば、仕事の話し合いとしてはワイワイとした雰囲気となった。
ミツキの申し出は大会の賞品を作ってくれるということだった。
賞品についてはダートラディアさんに任せて居たので、彼女の意見を聞きたいところだったが「僕の管轄じゃないので」と言うほど大きな組織でもない、話を聞くことにした。
ミツキは趣味で鉱石や宝石の細工をしているらしく、作品として懐中時計を見せてくれた。
趣味と言うには大層な腕前のようで、機械細工の腕はプロにも負けないものがあるように思えた。さすが職人の町出身と言ったところか。
宝飾品としてはどうか?と聞くと、ミツキが彫ったというブローチの装飾を見せてもらった。
手先が器用なのか、多才で職人として生きないのが不思議なくらいだ。
しかしミツキは「ジュエルドラゴン」という竜の素材を必要としており、それを近々採取に行く予定があるようだ。
そしてそれを、大会の賞品にもどうか、という話らしい。
けれど俺は大会に集中したかったし、ミツキ自身も、その「ジュエルドラゴン」絡みの問題にはかなり力を入れているようだった。
素材を手に入れて終わりではない、自分自身のやるべきことをこなしながら、それを加工してもらうのは大変なことだ。
だから俺は、残念なことだが、ミツキからの申し出も依頼も辞退せざるを得なかった。
ミツキはかなり大きな課題を抱えているようで、俺も協力出来れば良かったのだが、上手く行けば良いと思う。
俺もミツキもそれぞれのことに本気と言うわけだ、各々のことをやろう。
何はともあれ、マリアさんのストライクな人を聞いてくれたのはミツキの素晴らしい功績だ、それを讃えよう。
バレットさんは大会に出場してくれるということだったが、今回のミツキの話を聞いて、ミツキに協力することにしたようだ。
危険の伴う依頼故、大会への出場は未確定になってしまった。
どちらも「請けざるを得ない」依頼なら問題はない、目的は同じだからだ。
問題は「俺だけが請けざるを得ない」依頼に噛んできたときだ、目的が違うのに目的が同じフリをして来られるのが一番面倒である。
医療班を提供してくれるということだから、そこは有難い話なのだが。
シェリ君は雨の日は眠くなると言うが、確かにどことなく、雨の日なんかは家で本を読みながらうとうとしているのが似合う子ではある。
それでピアノが弾けるなんて、やっぱり中々の坊ちゃんなのかも知れないな。
討伐の話と聞くと少し怖がったり、闘技大会に飲み物を持ってきてくれようとしたり、なんとまあ可愛い子だった。
僕やマリアさんの餌食にならぬまま、育ってくれますように。(祈)
ヘレンさんは闘技大会当日の予定が微妙らしいようだった、残念だ。コタロウとどちらかが出場してくれて、優勝の暁に婚約を発表してくれたって良いのだけれど。
ともあれ、同居の話も進んでいるようで何よりだった。
ヘレンさんもミツキに協力することを決めたようだ。
どうやらヘレンさんは困っている人を放っておけないタイプなのだろう、街の人を守ったり助けたりするのが自分の使命にように思っていると言っていた。
人を困らせたり悲しませたりするのが嫌いだと言う、どうも、昔何かあったようだ、だからそういうことをする犯罪者を許せないのだろう。
マリアさんは今日もマリアさんだったが、さすがにネンネと言われたのはこの街に来て始めてだった。
・自分が絡まないからオールジャンル楽しい(メモ)
時々思うのだが、やはり男が考えると自分が主観だ。
女の人が考えるとそこに自分は居ない。これはいったいどういった差なのか……謎だ。
・ヴェルライが一押しらしい(メモ2)
しかしこういった話をすればするほど、マリアさんの底知れなさが分かってきて恐ろしい。
まさにマリア様だ、聖母並の包容力だが、聖母と言って良いのやら。(いやいけない)
そして此れが最も共感できたことなのだが
「誰でもナンバーワンのオンリーワンになれる可能性があるが、だからこそその中の特別を探している」ということ。
特別な何か、胸を突き動かされるようなこと。
そういったものを追い求めているところは、非常に共感が出来るものだ。
それはそれとして、一目惚れというか、好みの相手にラブコールを向けるところも。
もしかしたら、アプローチの方法が正反対なだけなのだろうか。
探しているものは、同じものなのかも知れない。
ダートラディアさんに会いに行った。
それは、ある提案をする為だった。
今まで何度か街で会ったり、共に戦ったり、修練会をやったりした結果、俺の考えたこと
それは「大会」をやることだった。
勿論、俺自身、大会をやりたくもあったし、というか出場したい気持ちもあった。
しかし何故ダートラディアさんにこの話を最初に持ちかけたのか……ということだ。
俺とダートラディアさんの考え方は違う、ある程度以上に仲良くなることは、結構難しい。
考え方の違いで、少し対立気味になってしまうこともある。
けれど、ダートラディアさんともっと仲良く遊べる人は何人も居るはずで、ダートラディアさんはそういう人を探しているように見えた。
修練会では「まずは誰とでも仲良くなるところから始めて、そっから趣味の合うのを探せ」と言うふうなことを言っちゃったものだが、どうも、それを言っただけで済ますには、勿体無いような気がしたのだ。
考え方が違うからと言って、嫌いという訳じゃあない。
むしろ、自分が出来ない分、仲良くなれる人が見つかれば良いなと思うのだ。
だから大会を開いて、多くの人にダートラディアさんを見てもらいたかった。
ダートラディアさんが仲良くなる相手としては、ある程度戦える方が良いのだと思うから、数ある手段の中で大会だった。
「当たる」可能性が高まると思った。
「俺が大会を開くから、出場して優勝してくれ。ついでにスポンサーも集めてくれ」
最初の協力者としたのも、この大会に対して思い入れを持って欲しかったからだ。
やはり、人の心を動かすのは本気の姿だからだ、チョット男を集めてくるから会ってみてくれ、というようなコンパではない、マジでやるのだということを伝えたかった。
もしかしたら協力して貰えないのではないかという不安(何せ考え方が違うのだから、完全に余計なお世話という可能性)もあったが、快く引き受けてくれた。
スポンサーのアテもあるという。
という。
というかスポンサーというか、ダートラディアさんの「オーナー」だというのには驚いたが。
(しかもそのオーナーから許可が降りるとは思わなんだった)
果たしてどんな大会に出来るかは、今のところ全く手探りではあるが……なんのかんの、準備というものは楽しい、特に何人かでやるものは。
雨の日、酒場で闘技大会関係の書類を整理していると、猫獣人のぼっちゃんがやってきた。
綺麗な身なりで、白い猫耳尻尾の銀髪少年、古い本を持ってホットミルクを注文していて。
劇のシナリオだとマスターと話すものだから、俺は席を移動してその話を聞きに行った。
何十年も前の本らしく、痛みが激しいのだがなんとか読んでいるらしい。
内容は踊るネズミの話で、劇場に住み着いたネズミが踊りを覚え人気者になる~といった話だ。
俺は劇が好きだから、その話を気に入ったものだが、この少年(シェリ君と言う)は劇を見に行ったことがないと言う。
じゃあ一緒に劇を観に行こう!と誘ったのだが、12,3くらいの子だ、今日出会ったばかりのゴロツキに付いていったとなれば親御さんも心配しようもの。
しかし次に会うときならば構わないというので、そのうち観劇しようと言って、その日は別れたのだった。
劇の主役は向いていないというが、お話が好きなら劇に出るのも、劇を作るのも楽しいだろうなと思う。
闘技大会開催に向け、闘技場の人との打ち合わせを行った。
そのついで、先日アイリスさんに教えてもらった魔力の扱い方の修練をしていたところ、闘技場に来ていたアイニィさんと出会った。
なんのかんの、魔力について話しているとヨハネもやってきたので、(色々と馬鹿なことを話してヨハネを困惑させるという遊びを散々行った挙句)近くに居たほうげん(何故か変換できない)を誘って修練することにした。
折角なので、アイニィさんを3人でボコってみることにする。
アイニィさんの持つ炎の魔剣、クレイジー・フレイマーは炎と付けば割りと何でも出来そうなくらい優秀な魔剣であるが、この雨の中3対1でどれだけ出来るものかと興味もあった。
ヨハネは相変わらず可愛い、どうやら装備しているアンクレットはかなりのレアアイテムのようで、ヨハネが魔法を使えるのは此れに依るところも大きいみたいだ。
何故か無料火葬に興味があるようだったが、その理由はわからなかった。
とにかく楽しんでくれていたようで何よりだった、俺もはしゃいで楽しかったし。
ほうげんは刀を扱い、符を介して魔法を扱うようだった。
まだまだ分からないことが多かったが、炎を出したり脚力を強化したりしていた、汎用性ではクレイジー・フレイマーに優るとも劣らないのかも知れない。
その後は、仕事があるというほうげんを除いた3人で飯に行ってたらふく食べた。
しかし今日は全く全く、良い勝負だった。
04 | 2025/05 | 06 |
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